206 / 216
【子爵少年ルシウスLEGEND】呪師の末裔
国王陛下と王太女様とお茶をした
しおりを挟む
ランチを終えて三人が教室に戻ると、ルシウス宛に王宮の国王から伝令が来ていた。
手紙を受け取ると、放課後にカサンドリア王国からの留学生で現役侯爵のボナンザを連れてくるようにとのこと。
「ボナンザ君、ご用事いかが?」
「ルシウス君、もちろんオーケーさ」
この二人、気が合ったようで何かと息がぴったりだった。
陰で『美少年とオーク』などと呼ばれているが、本人たちは気にした様子もない。
「ルシウス君って陛下たちと仲がいいの?」
興味津々で女伯爵デルフィナがクラスメイトを代表して尋ねてくる。
「うちは父様が魔道騎士団の団長だったから。子供の頃から騎士団に遊びに行ってて、鍛錬してた王族の皆さんに遊んでもらってたんだよ」
「まあ。家族同士の付き合いって感じね」
「あと兄さんが王太女様の後輩。僕も年の離れた幼馴染みって感じ」
「それ無茶苦茶仲が良いやつでは?」
「……遠慮なくいじられて遊ばれた記憶しかないなー」
幼かった頃は、この傍若無人な王女様が兄の婚約者になったらどうしようと、始終ハラハラしていたことを思い出す。
兄のほうが数歳年下だったし、実際には王女様は学園時代に自分で選んだ国内貴族の令息と婚約したので、ようやく安心して息がつけたものだった。
放課後、オネストに夕食用と明日の朝食用のサンドイッチや飲み物が入ったバスケットを渡して、絶対食べてねと念押ししたルシウスとボナンザだ。
バスケット内に保存用の魔石が入っているから明日までならじゅうぶん鮮度を保持できる。
「これ……本当に用意してくれてたんだ……? しかもバスケットまで別のやつ」
「オネスト君、徒歩通学が多いみたいだから小型のバスケットがいいかなって思って」
全然、昼の残りなんかじゃない。
オネスト用に最初から準備してくれていたのだ。
「こんなことして貰っても、……ぼくは何も返せないのに」
「僕がしたいからやってるんだ。友達でしょ」
「ともだち」
言われてハッとなった。ただのクラスメイトじゃなかったのか、などと無粋なことはオネストも言わなかった。
「ここは〝ありがとう〟って受け取って家で食ってくれると、俺たち的には報われる感じだな」
「うん……ありがとう。すごく、助かる」
「しばらく続けるからね。おうちでちゃんとごはんが出てくるようなら捨てちゃっても構わないし」
「……ううん。そんなこと絶対しない」
バスケットを受け取って胸に抱えた。
その胸の辺りがほんわりと暖かかった。
王宮に登城してルシウスとボナンザの挨拶を受けたのは国王テオドロスとその娘、王太女グレイシアだ。
この国の王族は皆、黒髪と黒い瞳、端正なイケメン的な顔立ちが特徴である。
テオドロス国王は年は初老、一見すると学者風の穏やかな顔つきと雰囲気で髪は清潔に短く切り揃えられている。
グレイシア王太女は豊かな黒髪を背中まで伸ばした勝ち気な印象の美女だ。二十代半ばで一児の母でもある。
「良く参られた、ボナンザ侯爵。卿は侯爵とはいえまだ未成年ゆえ社交パーティーへの参加も断っていると聞いてな。内々の私的な茶会にお誘いしたのだ」
「お心遣いに感謝申し上げます」
他国の貴族が留学してくるのは珍しいことではなかったが、大半は令嬢や令息だ。現役の侯爵にして貴族家当主本人が来るのはレアケースだった。
まだ学生の身分のため公的な場には顔を出さないと事前に連絡を受けていたが、侯爵ともなれば高位貴族。
しかもボナンザの母国カサンドリア王国は大陸南部きっての大国だ。無視はできないといったところか。
ちょうど庭園でツツジが見頃の時期とのことで、王宮内庭園のガゼボでお茶をいただくことにした。
国王と王太女はボナンザと話したくて呼んでいるので、昔から知り合いのルシウスは特に口を挟まずお高そうなお菓子をパクついていた。
そろそろお開きかな、と言う頃になってルシウスは国王と王太女に一つ、お願いをした。
「お願い? ガスター菓子店のショコラ中箱までならいつでもくれてやるぞーう」
「アッ、それは是非! じゃなーくーてー! この後、宰相に暴言吐くからお咎めなしでお願いします!」
「暴言?」
そこでこの国のツートップに事情を話した。
あの宰相令息のオネストの、学園内での問題のことだ。
「ルシウス君の言うことは本当です。カサンドリア王国のボナンザ侯爵の名にかけて誓いましょう」
ボナンザがすかさず保証した。
「ユーゴス宰相の息子が、まさかそんな目に遭ってるだと?」
「いや待て、グレイシア。宰相の末息子の噂なら私も聞いている。生まれるまであれだけ本人が浮かれていたのに、その後の音沙汰がないから不審に思ってたんだ。だがまさか、あの男が自分の子供を虐待だなどと、考えられん」
国王と王太女だから宰相とは毎日、ほとんど一日中顔を合わせている。なのにそんな話は聞いたこともなかった。
「そういう大人の事情はどうでもいいです! 事前にちゃんと報告しましたからね。後で文句言わないでくださいね!」
おっしおきだー♪ と音階のズレぎみな鼻歌を歌いながら、ルシウスがサロンを出て行った。
「ま、待て! あやつはどこへ行くつもりだ?」
「この後、宰相閣下との面会アポを取っているそうです。そこでグロリオーサ侯爵令息のオネスト君の現状をお父上の閣下に訴えるそうで」
「訴えるって……」
「〝お仕置き〟とか言ってなかったか? ルシウスのやつ」
慌ててテオドロス国王が侍従に命じて、ルシウスと宰相が面会する部屋を調べさせた。
「適当に理由を付けて、控えの間がある部屋に変更させよ! ボナンザ卿、卿も一緒に来てくれまいか」
「ええ、もちろん」
速攻でルシウスと宰相の面談する部屋へ向かった。
私的な面談に使う王宮内の小サロン室にて。
テオドロス国王やグレイシア王太女に連れられたボナンザは、侍女たち用の控えの間に潜んで室内の様子を窺っていた。
「宰相。僕はあなたのことを見損ないましたよ。ツンデレなのは知ってたけど、まさかご自分の息子の虐待に加担してたなんて。最低だ」
「……は? ルシウス君、いったい何の話なんだい?」
ユーゴス宰相は息子のオネストと同じアイスブルーの瞳と、冷たく感じる色味のない銀髪だ。ただしもう七十を越えているためほとんどが白髪になっている。
顔立ちはオネストが年老いたらこうなるだろうな、とわかるほどそっくりだ。一見すると酷薄そうな雰囲気で、対外的には冷徹宰相として知られている。
ルシウスは先ほど国王たちに話したものと同じ内容をオネストの父、宰相のグロリオーサ侯爵ユーゴスに伝えている最中だった。
「なん……ですと?」
「学園でオネスト君を虐めてる奴らは宰相の親戚ですってよ。本人たちがそう言ってたし、僕のほうでも確認しました」
「い、いやまさか、そんなはずはありません!」
ユーゴス宰相は泡を食った状態だ。
「彼、自分で自由に使えるお小遣いも貰ってないって。お昼に食堂で取るランチは学費に含まれてるけど、その食事にゴミを混ぜられる嫌がらせのせいで行けなくなっちゃって。購買で菓子パン一個買うお金もないんだって。……自分の息子じゃないからそんな酷い目に遭ってても放置なんでしょ?」
「ち、違います! オネストは私の息子です、それは間違いない!」
「じゃあ何でオネスト君はあんな目に遭うの?」
ここで国王や王太女、それにボナンザは、サロン内に登場して自分たちも話を聞かせてもらうことにした。
「えっ、陛下? グレイシア王太女殿下まで!」
「まあまあ、宰相。細かいことは気にせずとも良い。とりあえずお前側の事情を話せ」
予定になかった人々の登場に驚きを見せたものの、さすがに長年宰相職に就いた男だけはある。すぐに気を取り直していた。
「事態を把握していなかったので、確たることではないが……恐らくは」
経緯を聞かされた一同は呆れてしまった。
「ユーゴス宰相。貴様、一度死んでこい。死んで息子に詫びろ」
グレイシア王太女が真顔だった。これは本気だ。
まあまあ、と宥めたのはテオドロス国王だ。だが彼も顔が笑っていない。
「宰相、グロリオーサ侯爵ユーゴスよ。お前は明日、王立学園に赴き学園内で己の息子がどのような境遇にあったか確認してくるように。その結果を我らに報告せよ」
「は、ご命令確かに。最初からそのつもりでおりました」
手紙を受け取ると、放課後にカサンドリア王国からの留学生で現役侯爵のボナンザを連れてくるようにとのこと。
「ボナンザ君、ご用事いかが?」
「ルシウス君、もちろんオーケーさ」
この二人、気が合ったようで何かと息がぴったりだった。
陰で『美少年とオーク』などと呼ばれているが、本人たちは気にした様子もない。
「ルシウス君って陛下たちと仲がいいの?」
興味津々で女伯爵デルフィナがクラスメイトを代表して尋ねてくる。
「うちは父様が魔道騎士団の団長だったから。子供の頃から騎士団に遊びに行ってて、鍛錬してた王族の皆さんに遊んでもらってたんだよ」
「まあ。家族同士の付き合いって感じね」
「あと兄さんが王太女様の後輩。僕も年の離れた幼馴染みって感じ」
「それ無茶苦茶仲が良いやつでは?」
「……遠慮なくいじられて遊ばれた記憶しかないなー」
幼かった頃は、この傍若無人な王女様が兄の婚約者になったらどうしようと、始終ハラハラしていたことを思い出す。
兄のほうが数歳年下だったし、実際には王女様は学園時代に自分で選んだ国内貴族の令息と婚約したので、ようやく安心して息がつけたものだった。
放課後、オネストに夕食用と明日の朝食用のサンドイッチや飲み物が入ったバスケットを渡して、絶対食べてねと念押ししたルシウスとボナンザだ。
バスケット内に保存用の魔石が入っているから明日までならじゅうぶん鮮度を保持できる。
「これ……本当に用意してくれてたんだ……? しかもバスケットまで別のやつ」
「オネスト君、徒歩通学が多いみたいだから小型のバスケットがいいかなって思って」
全然、昼の残りなんかじゃない。
オネスト用に最初から準備してくれていたのだ。
「こんなことして貰っても、……ぼくは何も返せないのに」
「僕がしたいからやってるんだ。友達でしょ」
「ともだち」
言われてハッとなった。ただのクラスメイトじゃなかったのか、などと無粋なことはオネストも言わなかった。
「ここは〝ありがとう〟って受け取って家で食ってくれると、俺たち的には報われる感じだな」
「うん……ありがとう。すごく、助かる」
「しばらく続けるからね。おうちでちゃんとごはんが出てくるようなら捨てちゃっても構わないし」
「……ううん。そんなこと絶対しない」
バスケットを受け取って胸に抱えた。
その胸の辺りがほんわりと暖かかった。
王宮に登城してルシウスとボナンザの挨拶を受けたのは国王テオドロスとその娘、王太女グレイシアだ。
この国の王族は皆、黒髪と黒い瞳、端正なイケメン的な顔立ちが特徴である。
テオドロス国王は年は初老、一見すると学者風の穏やかな顔つきと雰囲気で髪は清潔に短く切り揃えられている。
グレイシア王太女は豊かな黒髪を背中まで伸ばした勝ち気な印象の美女だ。二十代半ばで一児の母でもある。
「良く参られた、ボナンザ侯爵。卿は侯爵とはいえまだ未成年ゆえ社交パーティーへの参加も断っていると聞いてな。内々の私的な茶会にお誘いしたのだ」
「お心遣いに感謝申し上げます」
他国の貴族が留学してくるのは珍しいことではなかったが、大半は令嬢や令息だ。現役の侯爵にして貴族家当主本人が来るのはレアケースだった。
まだ学生の身分のため公的な場には顔を出さないと事前に連絡を受けていたが、侯爵ともなれば高位貴族。
しかもボナンザの母国カサンドリア王国は大陸南部きっての大国だ。無視はできないといったところか。
ちょうど庭園でツツジが見頃の時期とのことで、王宮内庭園のガゼボでお茶をいただくことにした。
国王と王太女はボナンザと話したくて呼んでいるので、昔から知り合いのルシウスは特に口を挟まずお高そうなお菓子をパクついていた。
そろそろお開きかな、と言う頃になってルシウスは国王と王太女に一つ、お願いをした。
「お願い? ガスター菓子店のショコラ中箱までならいつでもくれてやるぞーう」
「アッ、それは是非! じゃなーくーてー! この後、宰相に暴言吐くからお咎めなしでお願いします!」
「暴言?」
そこでこの国のツートップに事情を話した。
あの宰相令息のオネストの、学園内での問題のことだ。
「ルシウス君の言うことは本当です。カサンドリア王国のボナンザ侯爵の名にかけて誓いましょう」
ボナンザがすかさず保証した。
「ユーゴス宰相の息子が、まさかそんな目に遭ってるだと?」
「いや待て、グレイシア。宰相の末息子の噂なら私も聞いている。生まれるまであれだけ本人が浮かれていたのに、その後の音沙汰がないから不審に思ってたんだ。だがまさか、あの男が自分の子供を虐待だなどと、考えられん」
国王と王太女だから宰相とは毎日、ほとんど一日中顔を合わせている。なのにそんな話は聞いたこともなかった。
「そういう大人の事情はどうでもいいです! 事前にちゃんと報告しましたからね。後で文句言わないでくださいね!」
おっしおきだー♪ と音階のズレぎみな鼻歌を歌いながら、ルシウスがサロンを出て行った。
「ま、待て! あやつはどこへ行くつもりだ?」
「この後、宰相閣下との面会アポを取っているそうです。そこでグロリオーサ侯爵令息のオネスト君の現状をお父上の閣下に訴えるそうで」
「訴えるって……」
「〝お仕置き〟とか言ってなかったか? ルシウスのやつ」
慌ててテオドロス国王が侍従に命じて、ルシウスと宰相が面会する部屋を調べさせた。
「適当に理由を付けて、控えの間がある部屋に変更させよ! ボナンザ卿、卿も一緒に来てくれまいか」
「ええ、もちろん」
速攻でルシウスと宰相の面談する部屋へ向かった。
私的な面談に使う王宮内の小サロン室にて。
テオドロス国王やグレイシア王太女に連れられたボナンザは、侍女たち用の控えの間に潜んで室内の様子を窺っていた。
「宰相。僕はあなたのことを見損ないましたよ。ツンデレなのは知ってたけど、まさかご自分の息子の虐待に加担してたなんて。最低だ」
「……は? ルシウス君、いったい何の話なんだい?」
ユーゴス宰相は息子のオネストと同じアイスブルーの瞳と、冷たく感じる色味のない銀髪だ。ただしもう七十を越えているためほとんどが白髪になっている。
顔立ちはオネストが年老いたらこうなるだろうな、とわかるほどそっくりだ。一見すると酷薄そうな雰囲気で、対外的には冷徹宰相として知られている。
ルシウスは先ほど国王たちに話したものと同じ内容をオネストの父、宰相のグロリオーサ侯爵ユーゴスに伝えている最中だった。
「なん……ですと?」
「学園でオネスト君を虐めてる奴らは宰相の親戚ですってよ。本人たちがそう言ってたし、僕のほうでも確認しました」
「い、いやまさか、そんなはずはありません!」
ユーゴス宰相は泡を食った状態だ。
「彼、自分で自由に使えるお小遣いも貰ってないって。お昼に食堂で取るランチは学費に含まれてるけど、その食事にゴミを混ぜられる嫌がらせのせいで行けなくなっちゃって。購買で菓子パン一個買うお金もないんだって。……自分の息子じゃないからそんな酷い目に遭ってても放置なんでしょ?」
「ち、違います! オネストは私の息子です、それは間違いない!」
「じゃあ何でオネスト君はあんな目に遭うの?」
ここで国王や王太女、それにボナンザは、サロン内に登場して自分たちも話を聞かせてもらうことにした。
「えっ、陛下? グレイシア王太女殿下まで!」
「まあまあ、宰相。細かいことは気にせずとも良い。とりあえずお前側の事情を話せ」
予定になかった人々の登場に驚きを見せたものの、さすがに長年宰相職に就いた男だけはある。すぐに気を取り直していた。
「事態を把握していなかったので、確たることではないが……恐らくは」
経緯を聞かされた一同は呆れてしまった。
「ユーゴス宰相。貴様、一度死んでこい。死んで息子に詫びろ」
グレイシア王太女が真顔だった。これは本気だ。
まあまあ、と宥めたのはテオドロス国王だ。だが彼も顔が笑っていない。
「宰相、グロリオーサ侯爵ユーゴスよ。お前は明日、王立学園に赴き学園内で己の息子がどのような境遇にあったか確認してくるように。その結果を我らに報告せよ」
「は、ご命令確かに。最初からそのつもりでおりました」
11
お気に入りに追加
553
あなたにおすすめの小説
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした
せんせい
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる