139 / 296
第三章 カーナ王国の混迷
神人の姉、来たる
しおりを挟む
しかしそんな聖女エイリーの想いを嘲笑うかのように、カーナ王族は王都の別の場所を掘って、地下の古代生物の化石を削り、賎民呪法や媒体の魔導具を更に加工し続けていった。
『ううむ……。聖なる魔力の持ち主は、その土地に必要だから生まれると言われるが……』
『カーナ王国に、強い聖女のアイシャが生まれたのは必然ですよね……』
どう見ても建国当初の時点でカーナ王国は詰んでいる。
それを無理やり維持しようとして無理を重ねた結果、歴代の聖女や聖者たちへの負担は増え続け、縛るための契約を結ばせる手段も狡猾になっていった。
それからも定期的にカーナ姫は聖女エイリーの様子を見に来ていたが、そのたびにカーナ王家が積み重ねていく忌まわしき所業に優美な顔を顰めていた。
「地鎮祭もやらない国なんて有り得ないわ。どうするのよ、カーナ?」
カーナ姫の隣に立つ、青銀の腰まである長い髪、薄水色の瞳の少女が言った。目を瞠るほど麗しい少女だ。
虹色を帯びた真珠色の魔力を持つカーナ姫に対して、この青銀の髪の少女は虹色を帯びた夜空色の魔力を全身から放っている。
「こんな歪な邪法がいつまでも保つわけがない。自滅するまで待つ」
「あの出来損ないの聖女はどうするの?」
「彼女なりに動いているようだ。……エイリーは好きにさせるとしよう」
『あれっ? この人、先日ユキレラさんと一緒に挨拶された人?』
『ルシウスさんたちにそっくりだけど……』
『うーむ。もしや彼女は……私の縁者かも』
『『えええ!?』』
それ何で挨拶に来たときに気づかなかったの!? とアイシャとトオンが驚いているうちに、術が解けてきた。
現実に戻ってくると、術を発動する前にいなかったはずの少女が食堂にいて、しれっと自分もお茶を飲んでいた。
先ほど見たばかりの、長い青銀の髪の麗しの少女だ。
「あら、もうおしまい?」
「「「!???」」」
「落ち着け落ち着け。俺もいるぞーう」
「ビクトリノ様!」
少女の隣には、お久し振りの聖者ビクトリノがいてテーブル上の茶菓子を齧っている。
白髪の短髪に日に焼けた肌、銀の瞳の長身痩躯の壮年男性だ。懐の広そうな頼もしげな印象の男である。
「中に人の気配があるのに出てこないから、悪いが勝手に入らせてもらった。術の最中だったから大人しく待ってたぜ」
お茶はポットに残っていた分を失敬したようだ。
「そ、それで、そちらはどなた様で?」
トオンが恐る恐るビクトリノの隣の少女を見ると、ニヤッと笑った本人が飲みかけのカップを置いた。
少しだけ垂れ目がちの目は湖面の水色で、小動物のような愛らしさのある美少女だったが、その笑い方ひとつで一筋縄ではいかない人物なのがわかった。
「私は神人ジューア。魔人族と呼ばれるハイヒューマンで、そこのルシウスなる男の実の姉よ」
「!?」
ルシウスがすかさず席を立ち、食堂のドアから裏庭へ逃げようとしたが、神人ジューアの動きの方が早かった。
ルシウスに光り輝く魔法剣を放って逃亡を防止した。
目の前の壁に突き刺さる魔法樹脂製の魔法剣は、あと数ミリ横にズレていたらルシウスの高い鼻を削いでいただろう。
「弟よ、安心しなさい。私はお前が正しく成長したことも、魔力の制御を成し遂げたことも知っている。もう〝お尻ぺんぺん〟はしないから、席に戻りなさい」
「「お尻ぺんぺん!?」」
この麗しの男前の尻を、この美少女が叩くのか!? とアイシャとトオンがビックリして二人を交互に見遣った。
「ち、違う! 前に話しただろう、それはまだ私が赤ん坊の頃の話だ!」
「あー。一万年前の話でしたっけ?」
ルシウスは生まれながらに魔力が強すぎてコントロールできず、家族に魔法樹脂に長い年月ずっと封印されていたという話だった。
それが三十七年前に子孫である今の実家リースト家の子供に発見されて、以降は彼を兄として貴族子息としてアケロニア王国で育ったと。
「ね、姉様。なぜ今さら私の前に現れたのですか!?」
「今さらじゃないわよ。家の中から定期的に見守ってたわ」
「なんと!?」
「侍女に紛れてお前が実家を出る二十歳前頃までね」
「し、知らなかった……」
項垂れながらルシウスが椅子に座り直した。
そして、ふとあることに気づいた。
「む? なら私の秘書や家の者たちは姉様のことを知っていたのだろうか?」
神人ジューアはニンマリと笑っている。
「当然でしょ。お前の義父は真っ先に私に気づいてたわよ。家人たちはお前と兄がいつ気づくか賭けまでしてたのに、兄は気づかないまま死んで、お前はこの歳になるまで気づかなかった」
「のおおお……!」
生き別れの姉弟の再会なのに、まったく感動感がない。
頭を抱えてしまったルシウスは放っておいて、神人ジューアはアイシャたちに向き直った。
「そこの聖女が地下を浄化して、カーナ王国の邪魔な結界が消えたというから確認しに来たのよ。カーナが来ても問題ない土地になったかどうかね」
アイシャとトオンは先ほど術の中で見た、結界に弾かれていた一角獣の姿のカーナ姫を思い出した。
カーナ姫は獣人の神人だ。そのせいで、魔物や魔獣から守るため歴代の聖女聖者がカーナ王国の周囲に張り巡らせた結界にその身を阻まれ、国内に入れない状態が続いていた。
※オネエチャン...(´・Д・)
『ううむ……。聖なる魔力の持ち主は、その土地に必要だから生まれると言われるが……』
『カーナ王国に、強い聖女のアイシャが生まれたのは必然ですよね……』
どう見ても建国当初の時点でカーナ王国は詰んでいる。
それを無理やり維持しようとして無理を重ねた結果、歴代の聖女や聖者たちへの負担は増え続け、縛るための契約を結ばせる手段も狡猾になっていった。
それからも定期的にカーナ姫は聖女エイリーの様子を見に来ていたが、そのたびにカーナ王家が積み重ねていく忌まわしき所業に優美な顔を顰めていた。
「地鎮祭もやらない国なんて有り得ないわ。どうするのよ、カーナ?」
カーナ姫の隣に立つ、青銀の腰まである長い髪、薄水色の瞳の少女が言った。目を瞠るほど麗しい少女だ。
虹色を帯びた真珠色の魔力を持つカーナ姫に対して、この青銀の髪の少女は虹色を帯びた夜空色の魔力を全身から放っている。
「こんな歪な邪法がいつまでも保つわけがない。自滅するまで待つ」
「あの出来損ないの聖女はどうするの?」
「彼女なりに動いているようだ。……エイリーは好きにさせるとしよう」
『あれっ? この人、先日ユキレラさんと一緒に挨拶された人?』
『ルシウスさんたちにそっくりだけど……』
『うーむ。もしや彼女は……私の縁者かも』
『『えええ!?』』
それ何で挨拶に来たときに気づかなかったの!? とアイシャとトオンが驚いているうちに、術が解けてきた。
現実に戻ってくると、術を発動する前にいなかったはずの少女が食堂にいて、しれっと自分もお茶を飲んでいた。
先ほど見たばかりの、長い青銀の髪の麗しの少女だ。
「あら、もうおしまい?」
「「「!???」」」
「落ち着け落ち着け。俺もいるぞーう」
「ビクトリノ様!」
少女の隣には、お久し振りの聖者ビクトリノがいてテーブル上の茶菓子を齧っている。
白髪の短髪に日に焼けた肌、銀の瞳の長身痩躯の壮年男性だ。懐の広そうな頼もしげな印象の男である。
「中に人の気配があるのに出てこないから、悪いが勝手に入らせてもらった。術の最中だったから大人しく待ってたぜ」
お茶はポットに残っていた分を失敬したようだ。
「そ、それで、そちらはどなた様で?」
トオンが恐る恐るビクトリノの隣の少女を見ると、ニヤッと笑った本人が飲みかけのカップを置いた。
少しだけ垂れ目がちの目は湖面の水色で、小動物のような愛らしさのある美少女だったが、その笑い方ひとつで一筋縄ではいかない人物なのがわかった。
「私は神人ジューア。魔人族と呼ばれるハイヒューマンで、そこのルシウスなる男の実の姉よ」
「!?」
ルシウスがすかさず席を立ち、食堂のドアから裏庭へ逃げようとしたが、神人ジューアの動きの方が早かった。
ルシウスに光り輝く魔法剣を放って逃亡を防止した。
目の前の壁に突き刺さる魔法樹脂製の魔法剣は、あと数ミリ横にズレていたらルシウスの高い鼻を削いでいただろう。
「弟よ、安心しなさい。私はお前が正しく成長したことも、魔力の制御を成し遂げたことも知っている。もう〝お尻ぺんぺん〟はしないから、席に戻りなさい」
「「お尻ぺんぺん!?」」
この麗しの男前の尻を、この美少女が叩くのか!? とアイシャとトオンがビックリして二人を交互に見遣った。
「ち、違う! 前に話しただろう、それはまだ私が赤ん坊の頃の話だ!」
「あー。一万年前の話でしたっけ?」
ルシウスは生まれながらに魔力が強すぎてコントロールできず、家族に魔法樹脂に長い年月ずっと封印されていたという話だった。
それが三十七年前に子孫である今の実家リースト家の子供に発見されて、以降は彼を兄として貴族子息としてアケロニア王国で育ったと。
「ね、姉様。なぜ今さら私の前に現れたのですか!?」
「今さらじゃないわよ。家の中から定期的に見守ってたわ」
「なんと!?」
「侍女に紛れてお前が実家を出る二十歳前頃までね」
「し、知らなかった……」
項垂れながらルシウスが椅子に座り直した。
そして、ふとあることに気づいた。
「む? なら私の秘書や家の者たちは姉様のことを知っていたのだろうか?」
神人ジューアはニンマリと笑っている。
「当然でしょ。お前の義父は真っ先に私に気づいてたわよ。家人たちはお前と兄がいつ気づくか賭けまでしてたのに、兄は気づかないまま死んで、お前はこの歳になるまで気づかなかった」
「のおおお……!」
生き別れの姉弟の再会なのに、まったく感動感がない。
頭を抱えてしまったルシウスは放っておいて、神人ジューアはアイシャたちに向き直った。
「そこの聖女が地下を浄化して、カーナ王国の邪魔な結界が消えたというから確認しに来たのよ。カーナが来ても問題ない土地になったかどうかね」
アイシャとトオンは先ほど術の中で見た、結界に弾かれていた一角獣の姿のカーナ姫を思い出した。
カーナ姫は獣人の神人だ。そのせいで、魔物や魔獣から守るため歴代の聖女聖者がカーナ王国の周囲に張り巡らせた結界にその身を阻まれ、国内に入れない状態が続いていた。
※オネエチャン...(´・Д・)
12
お気に入りに追加
3,939
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。