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第二章 お師匠様がやってきた
人を信じたいビクトリノ
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「異常者と出くわしたとき、一般人であれば基本は逃げることが第一だ。魔力使いとして、自分の糧とするため立ち向かいたければ、戦略が必要になってくる」
残念ながら、環使いの場合、本能タイプと知性タイプなら本能タイプが、この手の異常者と相性が悪い。
魔力が大きくたくさんのエネルギーを持っている分だけ、変に異常者を“許容”してしまう大らかさを見せてしまうためだ。
そこで油断しているうちに相手をつけ上がらせてしまい、被害を拡大させることがある。
「……そうね。私、クーツにはもっと毅然とした態度を取らなきゃいけなかった。もう今となっては、何を言っても手遅れだけど」
「持ってる力はアイシャのほうが上だったのに、見下して虐げることで自分の下に置いたわけだ。その辺の力関係はとても動物的なのだがね」
その辺りのことは、カーナ王家が国に所属する聖女聖者たちに代々施してきた呪詛、賎民呪法の話も関わってくる。
「……ねえ。ルシウスさんだったら、私と同じ立場だったらどうしてた?」
「例えばの話で良いのか?」
こくり、とアイシャが小さく頷く。
「そうだな……」
とルシウスは少し考え込んだ。
ノーザ湖からダンジョンのある町まで馬車で20分ほど。じっくり話をするには少し時間が足りない。
「うむ、それは古書店に帰って聖女投稿の実物を見ながらにしよう。また後日だ」
馬車の窓から外を見ると、まだ馬車はダンジョンの町まで半分ほどの距離しか走っていない。
あと10分少々で話せることというと。
「……人の善意をどこまで信じられるかは、重要なテーマだ。どこまででも、信じていればいい。だが、ただし狂人は除く、だ。“異常者”の類のことだけは除外する。話しても話の通じぬ者、道理に外れた者は外すことを忘れぬよう。悲惨なことになる」
自分の所属するグループの中に、ひとりでも頭のおかしいものがいるとまさに悲惨の一言だ。
更に悲劇をもたらすのは、そういった異常者のおかしさが、所属する集合内で伝染しやすいことだろう。
「異常者の扱いに関して、フリーダヤとロータス系列の中でもひとりだけ例外がいる。聖者ビクトリノだ」
アイシャとトオンにも馴染みのある人物だった。
円環大陸の中央部にある、神秘の永遠の国の大司祭で、ここカーナ王国の王都の教会にも年に数回訪れてアイシャと親しくしていた。
半年前、魔術師カズンをカーナ王国に派遣して、アイシャの苦境を救い、カーナ王国に蔓延する邪悪な魔力を浄化するための端緒を開いてくれた恩人だった。
トオンの赤レンガの古書店まで来て、カズンの焼いた焼き鳥を赤ワインと合わせてたらふく食って帰ったおっさんでもある。
「彼に関しては、親しいなら本人から直接聞くのが一番良いのだが」
と前置きして、それでもルシウスは彼なりに環使いとして知る聖者ビクトリノのことを話してくれた。
教会司祭として、人の善意を信じていたビクトリノの苦悩の話だ。
人々に教会の教えを説法しながら、日常的には信徒たちの悩み相談を行なっていた。
その中で人々から受ける相談の中に、この手の異常者に苦しめられている話が多々あり、またビクトリノ自身、その光景を見ることになる。
「アイシャを平気で虐げていたような者たちが、彼のいた国にもいたわけだな。……で、彼の場合は被害者はもちろん、加害者も救えないだろうかと考えたところがポイントだ」
「え。クーツみたいなクズを救う? 要らないだろ、むしろ潰さないとダメなやつだろ、それ」
「そう。だが、彼は完全な悪人などいないと信じていたい男だったのさ」
けれど現実を見れば、綺麗事ばかり言っていると苦しめられる人々や被害は増える一方なわけだ。
もう駄目なのだろうか、でも人を信じていたい、という葛藤の隙間で雑念が消えた瞬間に、司祭ビクトリノは環を発現させた。
その後、彼が当時所属していた教会の上司に自分のこの苦悩や疑問を打ち明けると、
「そんなことは余計なお世話だ!」
と怒鳴られ叱責を受けたという。
上司も同じ教会司祭で、どうにもならない異常者たちのことは知っていた。
口で教え諭すだけでは変わらない社会の癌のことを。
そういう者たちは自分で好きでその状態になっていて、人を苦しめることに喜びを感じる人種だ。だからこそ“異常者”と呼ばれる。
関わり合いにならないよう、上手くかわす術を人々に教えることこそが教会司祭の役目だ、と。
「それでも、そんな彼らですら救える道を模索したいと思う辺りに、聖者の片鱗が現れていたのだろう」
結果的に己の信じる道を探究すべく、司祭を辞めて教会を出奔、旅の間に聖女ロータスに出くわしたことで聖者となった。
聖女ロータスには「あなたほど聖者に相応しい者はない」と言われて、聖者覚醒のための伝授を受けたとのこと。
「そういう経緯から、彼は悪人調伏に特化した聖者として覚醒したんだ。必要悪にもならぬ極悪人、狂人、頭のおかしい類いの異常者たちを、自分が息の根を止めることで救済する力を獲得した」
ルシウスが言うには、この手の者たちを生かしたまま改心させることは非常に難しいし、まだ改心の方法論や技術を確立した魔力使いも存在しないという。
聖女聖者の持つ聖なる魔力で浄化しても、結局のところ本人の意識が変わらなければ、すぐに逆戻りしてしまう。
人間社会の癌と言われる所以だ。
ただ、異常者は存在として強い“力”を持つことが多いため、その力はもったいないな、何かに使えないかなと考えた、とんでもない超発想をした魔力使いがいる。
彼らを克服する過程を、そのまま自分たちの実力アップ訓練に転用するという離れ技を確立させたのが、環創成の魔術師フリーダヤだ。
結果、一般社会の一般人にとっては災いをもたらすだけの異常者も、環使い、特に魔術師フリーダヤと聖女ロータスの系列の新世代魔力使いたちにとっては獲物扱いだ。
だからルシウスは、異常者ばかりに囲まれ虐げられていたアイシャを「羨ましい」と評したわけだ。
そして実際、アイシャとトオンは自分たちに関連する異常者たちを成敗した。
(特にトオン。カズン様の手助けがあったとはいえ、ゴミでしかなかったアイシャのメモをわざわざ清書して新聞投稿する。その発想と行動力には私ですら目を瞠るものがある)
ルシウスの“眼”で見たところ、彼が環に目覚めたのは、聖女エイリーの息子だからではない。
自分自身で、アイシャを虐げた者たちに『聖女投稿』を通して鉄槌を下し破滅へと追い込んだ。
その功績で得た力がもたらした結果なのである。
馬車が減速し始めた。そろそろ町に着くようだ。
ビクトリノの話もまとめておくことにしよう。
「このような聖者は歴史を見ても他に例がない。極めて珍しいタイプの聖者だ。彼は人間社会の生きた律法として、ぜひとも“時を壊す”を果たしてほしいものだ」
問題は、ビクトリノのその個性を安易に真似をする者が出てきたことだろう。
自分こそが救済者だと言って、都合良く人を傷つける愚者たちが出た。
「そんな彼を保護するために、彼の師匠のひとり魔術師フリーダヤは永遠の国に掛け合って、教会本部の大司祭に就任させたんだ」
円環大陸の中央部にある永遠の国には、世界各国の教会を統括する本部がある。
一国の教会の槍兵から司祭へ、そして野に下り聖女ロータスの手で聖者へと覚醒し、ついには永遠の国に迎えられた。
聖者ビクトリノは生きた伝説そのものの人が持つ善意の象徴として、多くの人々の尊敬を集め慕われている。
残念ながら、環使いの場合、本能タイプと知性タイプなら本能タイプが、この手の異常者と相性が悪い。
魔力が大きくたくさんのエネルギーを持っている分だけ、変に異常者を“許容”してしまう大らかさを見せてしまうためだ。
そこで油断しているうちに相手をつけ上がらせてしまい、被害を拡大させることがある。
「……そうね。私、クーツにはもっと毅然とした態度を取らなきゃいけなかった。もう今となっては、何を言っても手遅れだけど」
「持ってる力はアイシャのほうが上だったのに、見下して虐げることで自分の下に置いたわけだ。その辺の力関係はとても動物的なのだがね」
その辺りのことは、カーナ王家が国に所属する聖女聖者たちに代々施してきた呪詛、賎民呪法の話も関わってくる。
「……ねえ。ルシウスさんだったら、私と同じ立場だったらどうしてた?」
「例えばの話で良いのか?」
こくり、とアイシャが小さく頷く。
「そうだな……」
とルシウスは少し考え込んだ。
ノーザ湖からダンジョンのある町まで馬車で20分ほど。じっくり話をするには少し時間が足りない。
「うむ、それは古書店に帰って聖女投稿の実物を見ながらにしよう。また後日だ」
馬車の窓から外を見ると、まだ馬車はダンジョンの町まで半分ほどの距離しか走っていない。
あと10分少々で話せることというと。
「……人の善意をどこまで信じられるかは、重要なテーマだ。どこまででも、信じていればいい。だが、ただし狂人は除く、だ。“異常者”の類のことだけは除外する。話しても話の通じぬ者、道理に外れた者は外すことを忘れぬよう。悲惨なことになる」
自分の所属するグループの中に、ひとりでも頭のおかしいものがいるとまさに悲惨の一言だ。
更に悲劇をもたらすのは、そういった異常者のおかしさが、所属する集合内で伝染しやすいことだろう。
「異常者の扱いに関して、フリーダヤとロータス系列の中でもひとりだけ例外がいる。聖者ビクトリノだ」
アイシャとトオンにも馴染みのある人物だった。
円環大陸の中央部にある、神秘の永遠の国の大司祭で、ここカーナ王国の王都の教会にも年に数回訪れてアイシャと親しくしていた。
半年前、魔術師カズンをカーナ王国に派遣して、アイシャの苦境を救い、カーナ王国に蔓延する邪悪な魔力を浄化するための端緒を開いてくれた恩人だった。
トオンの赤レンガの古書店まで来て、カズンの焼いた焼き鳥を赤ワインと合わせてたらふく食って帰ったおっさんでもある。
「彼に関しては、親しいなら本人から直接聞くのが一番良いのだが」
と前置きして、それでもルシウスは彼なりに環使いとして知る聖者ビクトリノのことを話してくれた。
教会司祭として、人の善意を信じていたビクトリノの苦悩の話だ。
人々に教会の教えを説法しながら、日常的には信徒たちの悩み相談を行なっていた。
その中で人々から受ける相談の中に、この手の異常者に苦しめられている話が多々あり、またビクトリノ自身、その光景を見ることになる。
「アイシャを平気で虐げていたような者たちが、彼のいた国にもいたわけだな。……で、彼の場合は被害者はもちろん、加害者も救えないだろうかと考えたところがポイントだ」
「え。クーツみたいなクズを救う? 要らないだろ、むしろ潰さないとダメなやつだろ、それ」
「そう。だが、彼は完全な悪人などいないと信じていたい男だったのさ」
けれど現実を見れば、綺麗事ばかり言っていると苦しめられる人々や被害は増える一方なわけだ。
もう駄目なのだろうか、でも人を信じていたい、という葛藤の隙間で雑念が消えた瞬間に、司祭ビクトリノは環を発現させた。
その後、彼が当時所属していた教会の上司に自分のこの苦悩や疑問を打ち明けると、
「そんなことは余計なお世話だ!」
と怒鳴られ叱責を受けたという。
上司も同じ教会司祭で、どうにもならない異常者たちのことは知っていた。
口で教え諭すだけでは変わらない社会の癌のことを。
そういう者たちは自分で好きでその状態になっていて、人を苦しめることに喜びを感じる人種だ。だからこそ“異常者”と呼ばれる。
関わり合いにならないよう、上手くかわす術を人々に教えることこそが教会司祭の役目だ、と。
「それでも、そんな彼らですら救える道を模索したいと思う辺りに、聖者の片鱗が現れていたのだろう」
結果的に己の信じる道を探究すべく、司祭を辞めて教会を出奔、旅の間に聖女ロータスに出くわしたことで聖者となった。
聖女ロータスには「あなたほど聖者に相応しい者はない」と言われて、聖者覚醒のための伝授を受けたとのこと。
「そういう経緯から、彼は悪人調伏に特化した聖者として覚醒したんだ。必要悪にもならぬ極悪人、狂人、頭のおかしい類いの異常者たちを、自分が息の根を止めることで救済する力を獲得した」
ルシウスが言うには、この手の者たちを生かしたまま改心させることは非常に難しいし、まだ改心の方法論や技術を確立した魔力使いも存在しないという。
聖女聖者の持つ聖なる魔力で浄化しても、結局のところ本人の意識が変わらなければ、すぐに逆戻りしてしまう。
人間社会の癌と言われる所以だ。
ただ、異常者は存在として強い“力”を持つことが多いため、その力はもったいないな、何かに使えないかなと考えた、とんでもない超発想をした魔力使いがいる。
彼らを克服する過程を、そのまま自分たちの実力アップ訓練に転用するという離れ技を確立させたのが、環創成の魔術師フリーダヤだ。
結果、一般社会の一般人にとっては災いをもたらすだけの異常者も、環使い、特に魔術師フリーダヤと聖女ロータスの系列の新世代魔力使いたちにとっては獲物扱いだ。
だからルシウスは、異常者ばかりに囲まれ虐げられていたアイシャを「羨ましい」と評したわけだ。
そして実際、アイシャとトオンは自分たちに関連する異常者たちを成敗した。
(特にトオン。カズン様の手助けがあったとはいえ、ゴミでしかなかったアイシャのメモをわざわざ清書して新聞投稿する。その発想と行動力には私ですら目を瞠るものがある)
ルシウスの“眼”で見たところ、彼が環に目覚めたのは、聖女エイリーの息子だからではない。
自分自身で、アイシャを虐げた者たちに『聖女投稿』を通して鉄槌を下し破滅へと追い込んだ。
その功績で得た力がもたらした結果なのである。
馬車が減速し始めた。そろそろ町に着くようだ。
ビクトリノの話もまとめておくことにしよう。
「このような聖者は歴史を見ても他に例がない。極めて珍しいタイプの聖者だ。彼は人間社会の生きた律法として、ぜひとも“時を壊す”を果たしてほしいものだ」
問題は、ビクトリノのその個性を安易に真似をする者が出てきたことだろう。
自分こそが救済者だと言って、都合良く人を傷つける愚者たちが出た。
「そんな彼を保護するために、彼の師匠のひとり魔術師フリーダヤは永遠の国に掛け合って、教会本部の大司祭に就任させたんだ」
円環大陸の中央部にある永遠の国には、世界各国の教会を統括する本部がある。
一国の教会の槍兵から司祭へ、そして野に下り聖女ロータスの手で聖者へと覚醒し、ついには永遠の国に迎えられた。
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