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アリア編
181 まだ砦を作ってないというのに
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「この鳴り響いている鐘の音はなんだ?」
「これはマズイぞ!魔物が出たという知らせだ!」
「どこだ??」
急いで防壁の上にいる見張りの元へ行き状況を説明してもらう。
「た、大変だ!見ろ!魔物の大群が来やがった!」
「なんだこりゃあ・・・、魔物の氾濫じゃないか」
「クソッ、多いな」
「これから砦を作ろうという時に、ワンテンポはえーよ」
防壁の上からだと結構な量の魔物が見える。数百匹はいるんでねえか?
「俺はギルドに行って援軍を要請してくる!」
「しゃーねえ。魔物の方は俺らが行ってある程度片付けてくるか」
「暴れるのも久々だな!」
「お、おい!あの大群に二人じゃマズイだろ!援軍が来るまで待ってた方がいいぞ」
おっちゃんの警告は無視して防壁の下に飛び降りる。
「土壁!」
アニキが頼りない防壁の前に土壁を張り巡らせる。
援軍が来た時のために入口を作り、その前で防衛することにした。
「来たぞ」
「一応結界張るから武器手放して。赤結界!アニキにも赤結界!」
「今日は迎え討つからいつもの特攻は無しだ」
「だな!」
魔物の種類はもうごちゃ混ぜだ。ゴブリンや狼だけじゃ無く豚みたいなオッサンや一つ目のデカいのもいる。
「オラぁ!」
「フッ!」
黒槍で目の前の魔物をどんどん倒していく。
一つ目の魔物は見た目通りタフだな。
30分ほど経っただろうか?もう周りは魔物の死体だらけで奥の魔物が見えにくいったら無い。ちょっとアイテムボックスに収納したほうがいいかもしれん。
・・・・・
ギルドに駆け込んできた森の見張りの知らせを受けて、その場でギルドに所属している冒険者全員に緊急討伐依頼が発せられた。
とにかく今すぐ魔物の討伐をしないと街が危ないということなので、ギルドにいた冒険者達は急いで現場に向かった。
そして防壁を抜けた先の光景を見て驚愕する。
少し先で見たことのない服装をした二人が、魔物の大群を相手に暴れていた。
「な、なんじゃこりゃあ!?」
「なんなのよコレ!?あの二人だけでこれをやったというの?」
「凄い・・・」
「オイ!こんな壁なんて今まであったか?」
そこは見渡す限り、魔物の死体で埋め尽くされていた。
・・・・・
お?やっと援軍が来たか。
ならもう死体を障害物として使う必要ねえな。
「アニキ、援軍来たからちょっと周りの死体をアイテムボックスに収納するわ」
「おう!そっちは任せた」
近くの死体からどんどん収納していく。何体分だよホントにもう。
「なんだ??死体が消えたぞ」
「とにかくこれで俺達も戦いに参加出来るぞ!お前ら、気合入れていけ!」
「「おう!!」」
そこからは数十人の冒険者も参加したので、どんどん魔物が討伐されていった。
「へえ、みんな強いな」
「王国より冒険者の質が高いんじゃね?」
「まあ王国は平和だからなー。高ランクの冒険者がいたってあの国じゃやる事無いから他国に流れていったんだろう」
「そもそも戦ってる姿ほとんど見たことないしな。暴れる場所もダンジョンくらいなもんだろうしね」
アニキの横で暴れている女なんて相当強いぞ。オレが前に使ってた感じのバスタードソード使いだと思うけど、動きを見てるとかなり洗練された剣技だ。
女がデカい猿をぶった斬った所でアニキが話し掛ける。
「あンたつええな。高ランク冒険者と見た」
「ふう、キミも相当じゃないの。見たわよ?二人で魔物の大群を倒してた姿を」
「砦を建設しに来ただけなのだが、いきなりの氾濫に巻き込まれてな」
「この壁はキミが作ったの!?昨日までこんなの無かったと思うんだけど」
「まあな。建設許可が出たらスゲー砦を作ってみせるから楽しみにしてな!」
「へ~、土魔法使いかあ」
おやおや~?なんかこの二人、いい感じになってませんかね?
レディースの特攻服渡す日も近そうだぞ。
そうして数時間後、冒険者達の奮闘により魔物の氾濫はようやく治まった。
「っしゃーー!終わったぞ!」
「何体の魔物がいたんだよ・・・」
「死人は出ていないか!?」
怪我人はかなり多いが、流石にこの人数の治療はなあ・・・。
でもよく見ると水魔法使いが魔法で治療していってる姿が見えた。
なるほど、水魔法で治療出来るのならオレらが出しゃばる必要もなかろう。
「あんたらすげーな!最初二人で魔物の大群ををバッタバッタと薙ぎ倒してる姿見たぜ?」
「本当に助かった。礼を言わせてくれ!二人が居なかったら間違いなく魔物が街に侵入して、民衆が絶大な被害を受けていただろう」
「たまたまだ。ここに来た時に丁度魔物が沸いたんでな」
「ちょっと疲れたぞ。一体全体魔物は何匹いたんだ?」
「防壁の上のおっちゃんに聞いてみるか」
防壁の上に行き、見張りのおっちゃんを見つけたんで話しけてみた。
「おっちゃん、なんとかなったぜ」
「おお、あんたらか!戦いはしっかり見てたぜ!本当にありがとよ!」
「魔物って全部で何体くらいいたんだ?」
「んーー、何体だ??間違いなく1000体以上だろう」
「1000体以上か。なんでいきなりそんなに沸いたんだか」
「氾濫は稀にあるのだがここまでの大群は初めてだ。魔王と関係してる可能性があるかもしれんな」
「魔王かー」
「おーい!ギルマスが二人を呼んでるんでちょっと来てくれ!」
ギルマスが呼んでる?オレらに何の用事だろ?
「これはマズイぞ!魔物が出たという知らせだ!」
「どこだ??」
急いで防壁の上にいる見張りの元へ行き状況を説明してもらう。
「た、大変だ!見ろ!魔物の大群が来やがった!」
「なんだこりゃあ・・・、魔物の氾濫じゃないか」
「クソッ、多いな」
「これから砦を作ろうという時に、ワンテンポはえーよ」
防壁の上からだと結構な量の魔物が見える。数百匹はいるんでねえか?
「俺はギルドに行って援軍を要請してくる!」
「しゃーねえ。魔物の方は俺らが行ってある程度片付けてくるか」
「暴れるのも久々だな!」
「お、おい!あの大群に二人じゃマズイだろ!援軍が来るまで待ってた方がいいぞ」
おっちゃんの警告は無視して防壁の下に飛び降りる。
「土壁!」
アニキが頼りない防壁の前に土壁を張り巡らせる。
援軍が来た時のために入口を作り、その前で防衛することにした。
「来たぞ」
「一応結界張るから武器手放して。赤結界!アニキにも赤結界!」
「今日は迎え討つからいつもの特攻は無しだ」
「だな!」
魔物の種類はもうごちゃ混ぜだ。ゴブリンや狼だけじゃ無く豚みたいなオッサンや一つ目のデカいのもいる。
「オラぁ!」
「フッ!」
黒槍で目の前の魔物をどんどん倒していく。
一つ目の魔物は見た目通りタフだな。
30分ほど経っただろうか?もう周りは魔物の死体だらけで奥の魔物が見えにくいったら無い。ちょっとアイテムボックスに収納したほうがいいかもしれん。
・・・・・
ギルドに駆け込んできた森の見張りの知らせを受けて、その場でギルドに所属している冒険者全員に緊急討伐依頼が発せられた。
とにかく今すぐ魔物の討伐をしないと街が危ないということなので、ギルドにいた冒険者達は急いで現場に向かった。
そして防壁を抜けた先の光景を見て驚愕する。
少し先で見たことのない服装をした二人が、魔物の大群を相手に暴れていた。
「な、なんじゃこりゃあ!?」
「なんなのよコレ!?あの二人だけでこれをやったというの?」
「凄い・・・」
「オイ!こんな壁なんて今まであったか?」
そこは見渡す限り、魔物の死体で埋め尽くされていた。
・・・・・
お?やっと援軍が来たか。
ならもう死体を障害物として使う必要ねえな。
「アニキ、援軍来たからちょっと周りの死体をアイテムボックスに収納するわ」
「おう!そっちは任せた」
近くの死体からどんどん収納していく。何体分だよホントにもう。
「なんだ??死体が消えたぞ」
「とにかくこれで俺達も戦いに参加出来るぞ!お前ら、気合入れていけ!」
「「おう!!」」
そこからは数十人の冒険者も参加したので、どんどん魔物が討伐されていった。
「へえ、みんな強いな」
「王国より冒険者の質が高いんじゃね?」
「まあ王国は平和だからなー。高ランクの冒険者がいたってあの国じゃやる事無いから他国に流れていったんだろう」
「そもそも戦ってる姿ほとんど見たことないしな。暴れる場所もダンジョンくらいなもんだろうしね」
アニキの横で暴れている女なんて相当強いぞ。オレが前に使ってた感じのバスタードソード使いだと思うけど、動きを見てるとかなり洗練された剣技だ。
女がデカい猿をぶった斬った所でアニキが話し掛ける。
「あンたつええな。高ランク冒険者と見た」
「ふう、キミも相当じゃないの。見たわよ?二人で魔物の大群を倒してた姿を」
「砦を建設しに来ただけなのだが、いきなりの氾濫に巻き込まれてな」
「この壁はキミが作ったの!?昨日までこんなの無かったと思うんだけど」
「まあな。建設許可が出たらスゲー砦を作ってみせるから楽しみにしてな!」
「へ~、土魔法使いかあ」
おやおや~?なんかこの二人、いい感じになってませんかね?
レディースの特攻服渡す日も近そうだぞ。
そうして数時間後、冒険者達の奮闘により魔物の氾濫はようやく治まった。
「っしゃーー!終わったぞ!」
「何体の魔物がいたんだよ・・・」
「死人は出ていないか!?」
怪我人はかなり多いが、流石にこの人数の治療はなあ・・・。
でもよく見ると水魔法使いが魔法で治療していってる姿が見えた。
なるほど、水魔法で治療出来るのならオレらが出しゃばる必要もなかろう。
「あんたらすげーな!最初二人で魔物の大群ををバッタバッタと薙ぎ倒してる姿見たぜ?」
「本当に助かった。礼を言わせてくれ!二人が居なかったら間違いなく魔物が街に侵入して、民衆が絶大な被害を受けていただろう」
「たまたまだ。ここに来た時に丁度魔物が沸いたんでな」
「ちょっと疲れたぞ。一体全体魔物は何匹いたんだ?」
「防壁の上のおっちゃんに聞いてみるか」
防壁の上に行き、見張りのおっちゃんを見つけたんで話しけてみた。
「おっちゃん、なんとかなったぜ」
「おお、あんたらか!戦いはしっかり見てたぜ!本当にありがとよ!」
「魔物って全部で何体くらいいたんだ?」
「んーー、何体だ??間違いなく1000体以上だろう」
「1000体以上か。なんでいきなりそんなに沸いたんだか」
「氾濫は稀にあるのだがここまでの大群は初めてだ。魔王と関係してる可能性があるかもしれんな」
「魔王かー」
「おーい!ギルマスが二人を呼んでるんでちょっと来てくれ!」
ギルマスが呼んでる?オレらに何の用事だろ?
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