162 / 183
アリア編
162 第二回から揚げ大会
しおりを挟む
スーサン鳥をアニキと二人で捌いてから、ジャガイモの皮を剥いて細く切っていく。たぶんここでは違う名前なんだろうけど、どう見てもジャガイモだから名前はこれでいい。
そしてニンニクと生姜をすりおろした。名前は知らん。
「ナルティアさんもメルも作り方を覚えておきな。そう難しいもんじゃないから」
そう言いながら、下味を付けてあった鳥肉に小麦粉をまぶしていく。
ナルティアさんとメル姉がフムフム言いながら手順を覚える。
「後はこれを油の中に投下するだけだ」
ジュワーーーッ
「もう見てるだけで美味しいってわかるわね」
「今は小麦粉を使ったが、次はでんぷん粉を使った方も揚げるからな」
そして第一陣が揚がったので大皿に盛っていった。
今回は大人数だから一回に揚げる量もすごく多いので、鍋を二つ使ってやっている。
「よし第一陣の完成だ!腹ペコ共、食いまくりやがれ!」
「「わあああああ~~~~!」」
子供達を優先してから揚げを分け与え、そしてみんな肉にかぶりついた。
「「おいしいいいいいい!!!」」
「これは美味い・・・」
「から揚げって初めて食べたけど本当に美味しいわね」
「お二人の料理って、どれもが素晴らしい味です」
「大好評だな!やっぱから揚げは大正義すぎる!」
「これを嫌いな奴って見たことねーわ」
そして瞬く間にみんなの胃袋に肉が消え去り、第二陣待ちだ。
「次のはでんぷん粉を使った方だ。こっちは衣がカリカリで更に美味いぞー」
「オレもでんぷん粉の方が食べ応えあって好きかも」
第二陣も揚がったので、大皿に盛ってから全員が手に取る。
「やっぱうめえええええええ!!!」
「「おいしーーーーーー!!!」」
「なるほど、確かにこっちのほうがカリカリしています」
「本当だ!言われなかったら気付かないかもだけど食感が違うわ」
「付ける粉の違いでも差が出るのですね」
「今回は子供達がどれほど食えるかわからんから先にフライドポテトを作るぞ」
芋をどんどん油に投下して、いい色具合になった所で大皿に盛り塩を振る。
「これは芋を細く切って油で揚げた物に塩を振っただけの料理だ。作りは単純なくせにやたらと美味いスグレモノよ。さあ食らいやがれ!」
「「おいしーーーーーー!!!」」
「こんな単純な作り方でこれほど美味しくなるとは・・・」
「これすごく好きかも!!!いくらでも食べれるわ!」
「癖になる食べ物ですね!本当いくらでも食べれそう」
うん。子供達の反応が何食っても全て一緒だ。まあおいしー以外の言葉が無いんだが!
から揚げとフライドポテトは、全世界どこへ行っても通用するよな。
そして第三陣、第四陣といった所で全員ギブアップ。
第二回から揚げ大会もみんなに大好評だった。
・・・・・
食事の後は大人組を集めて、でんぷん粉の作り方のレクチャーだ。
最初はオレの乾燥魔法で簡単に作って見せて、魔法を使わないでも半日くらい放置すりゃいいとアニキが伝える。これでもういつでもから揚げを作って食えることだろう。
「フライドポテトも作りたいのだけれど、あの塩はどこで手に入るの?」
「あーそっか。確かに普通の塩じゃあれほどの美味さにならんよな」
「オッケイ!塩を出せばいいんだな」
アイテムボックスから塩を100袋出した。ついでに胡椒も10個出した。
「うわっ!なんでこんなにいっぱい塩持ってるのよ!?」
「塩が真っ白!」
「なんて綺麗な塩だ・・・。え?こっちの黒いのはもしや胡椒では!?」
「こっちのは胡椒だぞ」
「これほどの塩となると通常の10倍、いや20倍でも欲しがる人はいるでしょうな」
やっぱこっちの塩って岩塩だから不純物いっぱい混じってるのかもな。
「全部タダでやるぞ。胡椒もプレゼントだ」
「はい!?」
「最北の村に大量に売ったことあるから、もうそこまでストック無いんで今回だけな!売り物じゃなく自分らで使ってくれ」
「いやいや、流石にこんな大量に貰うわけには・・・」
「コテツがいいって言ってんだ、受け取ってくれ。また今度何か頼むかもしれんしな」
「あ、そうだ。店長にこれもあげるよ」
アイテムボックスから来る時に作ったマジックバッグを取り出す。
「バッグですか?・・・・・・まさかこれは!?」
「そのまさかで正解。オレの手作りだ」
「流石にこれは受け取れません!」
フム。ここはアニキを見習って強引に行くか。
ナイフを取り出し、店長の手を少し切ってマジックバッグを押し付ける。
鑑定すると登録者がトーレスになっていた。
「これでもう店長の物になったぞ。バッグの中は時間の流れがゆっくりだから、使う分以外の塩は全部入れとくといいぞ」
「なんと強引な・・・」
「ハハハッ!コテツに一本取られたな!」
「はぁ、なんとも大きな借りを作ってしまいましたな。はははっ」
「んじゃそろそろ俺らは帰るとしよう」
「だな。腹いっぱいで眠くなってきた」
「今日は本当にありがとうございました。こんなに凄いお土産まで・・・」
店長の肩をパシッと叩き王都にサクッと転移した。
ナルティアさんにだけ渡さないのもアレなので、メル姉の分は渡すのやめといた。
そしてニンニクと生姜をすりおろした。名前は知らん。
「ナルティアさんもメルも作り方を覚えておきな。そう難しいもんじゃないから」
そう言いながら、下味を付けてあった鳥肉に小麦粉をまぶしていく。
ナルティアさんとメル姉がフムフム言いながら手順を覚える。
「後はこれを油の中に投下するだけだ」
ジュワーーーッ
「もう見てるだけで美味しいってわかるわね」
「今は小麦粉を使ったが、次はでんぷん粉を使った方も揚げるからな」
そして第一陣が揚がったので大皿に盛っていった。
今回は大人数だから一回に揚げる量もすごく多いので、鍋を二つ使ってやっている。
「よし第一陣の完成だ!腹ペコ共、食いまくりやがれ!」
「「わあああああ~~~~!」」
子供達を優先してから揚げを分け与え、そしてみんな肉にかぶりついた。
「「おいしいいいいいい!!!」」
「これは美味い・・・」
「から揚げって初めて食べたけど本当に美味しいわね」
「お二人の料理って、どれもが素晴らしい味です」
「大好評だな!やっぱから揚げは大正義すぎる!」
「これを嫌いな奴って見たことねーわ」
そして瞬く間にみんなの胃袋に肉が消え去り、第二陣待ちだ。
「次のはでんぷん粉を使った方だ。こっちは衣がカリカリで更に美味いぞー」
「オレもでんぷん粉の方が食べ応えあって好きかも」
第二陣も揚がったので、大皿に盛ってから全員が手に取る。
「やっぱうめえええええええ!!!」
「「おいしーーーーーー!!!」」
「なるほど、確かにこっちのほうがカリカリしています」
「本当だ!言われなかったら気付かないかもだけど食感が違うわ」
「付ける粉の違いでも差が出るのですね」
「今回は子供達がどれほど食えるかわからんから先にフライドポテトを作るぞ」
芋をどんどん油に投下して、いい色具合になった所で大皿に盛り塩を振る。
「これは芋を細く切って油で揚げた物に塩を振っただけの料理だ。作りは単純なくせにやたらと美味いスグレモノよ。さあ食らいやがれ!」
「「おいしーーーーーー!!!」」
「こんな単純な作り方でこれほど美味しくなるとは・・・」
「これすごく好きかも!!!いくらでも食べれるわ!」
「癖になる食べ物ですね!本当いくらでも食べれそう」
うん。子供達の反応が何食っても全て一緒だ。まあおいしー以外の言葉が無いんだが!
から揚げとフライドポテトは、全世界どこへ行っても通用するよな。
そして第三陣、第四陣といった所で全員ギブアップ。
第二回から揚げ大会もみんなに大好評だった。
・・・・・
食事の後は大人組を集めて、でんぷん粉の作り方のレクチャーだ。
最初はオレの乾燥魔法で簡単に作って見せて、魔法を使わないでも半日くらい放置すりゃいいとアニキが伝える。これでもういつでもから揚げを作って食えることだろう。
「フライドポテトも作りたいのだけれど、あの塩はどこで手に入るの?」
「あーそっか。確かに普通の塩じゃあれほどの美味さにならんよな」
「オッケイ!塩を出せばいいんだな」
アイテムボックスから塩を100袋出した。ついでに胡椒も10個出した。
「うわっ!なんでこんなにいっぱい塩持ってるのよ!?」
「塩が真っ白!」
「なんて綺麗な塩だ・・・。え?こっちの黒いのはもしや胡椒では!?」
「こっちのは胡椒だぞ」
「これほどの塩となると通常の10倍、いや20倍でも欲しがる人はいるでしょうな」
やっぱこっちの塩って岩塩だから不純物いっぱい混じってるのかもな。
「全部タダでやるぞ。胡椒もプレゼントだ」
「はい!?」
「最北の村に大量に売ったことあるから、もうそこまでストック無いんで今回だけな!売り物じゃなく自分らで使ってくれ」
「いやいや、流石にこんな大量に貰うわけには・・・」
「コテツがいいって言ってんだ、受け取ってくれ。また今度何か頼むかもしれんしな」
「あ、そうだ。店長にこれもあげるよ」
アイテムボックスから来る時に作ったマジックバッグを取り出す。
「バッグですか?・・・・・・まさかこれは!?」
「そのまさかで正解。オレの手作りだ」
「流石にこれは受け取れません!」
フム。ここはアニキを見習って強引に行くか。
ナイフを取り出し、店長の手を少し切ってマジックバッグを押し付ける。
鑑定すると登録者がトーレスになっていた。
「これでもう店長の物になったぞ。バッグの中は時間の流れがゆっくりだから、使う分以外の塩は全部入れとくといいぞ」
「なんと強引な・・・」
「ハハハッ!コテツに一本取られたな!」
「はぁ、なんとも大きな借りを作ってしまいましたな。はははっ」
「んじゃそろそろ俺らは帰るとしよう」
「だな。腹いっぱいで眠くなってきた」
「今日は本当にありがとうございました。こんなに凄いお土産まで・・・」
店長の肩をパシッと叩き王都にサクッと転移した。
ナルティアさんにだけ渡さないのもアレなので、メル姉の分は渡すのやめといた。
3
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
あなたの思い違いではありませんの?
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
複数の物語の登場人物が、一つの世界に混在しているなんて?!
「カレンデュラ・デルフィニューム! 貴様との婚約を破棄する」
お決まりの婚約破棄を叫ぶ王太子ローランドは、その晩、ただの王子に降格された。聖女ビオラの腰を抱き寄せるが、彼女は隙を見て逃げ出す。
婚約者ではないカレンデュラに一刀両断され、ローランド王子はうろたえた。近くにいたご令嬢に「お前か」と叫ぶも人違い、目立つ赤いドレスのご令嬢に絡むも、またもや否定される。呆れ返る周囲の貴族の冷たい視線の中で、当事者四人はお互いを認識した。
転生組と転移組、四人はそれぞれに前世の知識を持っている。全員が違う物語の世界だと思い込んだリクニス国の命運はいかに?!
ハッピーエンド確定、すれ違いと勘違い、複数の物語が交錯する。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/08/13……エブリスタ ファンタジー 1位
2024/08/13……アルファポリス 女性向けHOT 36位
2024/08/12……連載開始
中途半端な知識で異世界転生してみました
猫宮 雪人
ファンタジー
昨今流行の流れに乗って適当・異世界転生。
中途半端な知識だけを頼りに主人公が内政改革に乗り出す話を、異世界転生ものについて中途半端な知識しかない作者が書きます。
※たぶんチートはないです
※適当に続きます
※おそらくぐだぐだに終わります
※行き当たりばったりなので、そもそも内政改革にたどり着かない可能性もあります
※「小説家になろう」と同時掲載です。
※固有名詞を微妙に変更していますが、本筋にはまったく影響ありません。
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
衣食住保障してください!~金銭は保障外だったので異世界で軽食販売始めます〜
桃月とと
ファンタジー
どこにでもいる普通の社畜OL漆間蒼はついにブラック企業に辞表を叩きつけた!
遊ぶ時間などなかったおかげで懐には余裕がある。
家にはいつかやろうと揃えていたお料理グッズにキャンプ用品、あれやらこれやらが溢れたまま。
現実逃避が具現化した品々である。
「……これを片付けたら海外旅行でもしようかな!」
収入は途絶えたが蒼には時間がある。
有限だが、しばらくは働かなくても生きていけるだけの蓄えも。
なんとも晴れやかな……いや、それどころではない!
浮かれてルンルン気分でこれからの生活を想像していた。
だがそれも長くは続かない。
「あおいねーちゃんっ!!!」
「しょうくん!!?」
コンビニからの帰り道、隣に住む好青年、桐堂翔がなにやら神々しい光に包まれていたかと思うと、
足元には怪しげな魔法陣が……そのままゆっくりと沈むように吸い込まれている翔を助けようと
手を繋ぎ踏ん張るも、あえなく蒼の体も一緒に魔法陣の中へ。
「え!? なんか余計なのがついてきた……!?」
これまた荘厳な神殿のような場所に転がった蒼の耳に、
やっちまった! という声色で焦り顔の『異世界の管理官』が。
残念ながら蒼は、予定外の転移者として異世界に召喚されたのだ。
「必要ないなら元の世界に戻してくれます!?」
「いや〜〜〜残念ながらちょっと無理ですね〜」
管理官は悪びれながらも、うんとは言わない。
こうなったら蒼はなんとしてもいい条件で異世界で暮らすしかないではないかと、
しっかり自分の希望を伝える。
「じゃあチート能力ください!」
「いや〜〜〜残念ながらそれもちょっと……」
「ちょっと偉い人呼んできて!!!」
管理官に詰め寄って、異世界生活の保障をお願いする。
なりふり構ってられないのだ。
なんたってこれから暮らしていくのは剣と魔法と魔物が渦巻く世界。
普通のOLをやっていた蒼にとって、どう考えても強制人生ハードモード突入だ。
「せめて衣食住保証してください!!!」
そうしてそれは無事認められた。
認められたが……。
「マジで衣食住だけ保障してくれとるっ!」
特別な庭付き一軒家は与えられたが、異世界で生活するにも『お金』が必要だ。
結局蒼は生きていくために働く羽目に。
「まだ有給消化期間中だってのに〜!!!」
とりあえず家の近くに血まみれ姿で倒れていた謎の男アルフレドと一緒に露天で軽食を売りながら、
安寧の地を求めるついでに、前の世界でやりのこした『旅行』をこの異世界で決行することにした。
「意地でも楽しんでやる!!!」
蒼の異世界生活が始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる