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アリア編

141 アニキ、本気でバイクを作る

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「やっぱ足りないのは強度か」
「岩じゃ振動に耐えきれないよな。見ててヤバそうな気したもん」
「しかし太くすると俺が求めるバイクじゃ無くなっちまう」
「でもしゃーないんじゃね?」
「クソーなんとかしてえなあ・・・」

土魔法だからなー。土な以上どうしようも・・・。
あれ?そういやゴーレムって色んな種類いなかったか?

「なあアニキ、オレの記憶ではゴーレムって色んな種類のがいたぞ」
「ん?ゲームの話しか?」
「うん。普通のはストーンゴーレムで、他にアイアンゴーレムとかミスリルゴーレムとかもいた」
「アイアンって鉄だろ?鉄でゴーレムを・・・、試してみっか」

部屋に戻って来た。


魔石を床に置き、その上に骨剣を積み上げる。

アニキが精神統一をして気合を入れて剣に触れると、少ししてから次第にぐにゃっと剣が変化していった。

「すげー!土魔法って何でも出来るのか!」

骨剣を全部鉄の塊にした後さらに形が変化していき、鉄のゴブリンが完成した。

「よし、歩け!」

鉄ゴブリンがちょこちょこ歩き出す。

「うおおおおおお!歩いたっ!」
「ふーーーーっ、鉄でも成功したか。・・・しかしいつもの倍疲れるぞ」
「やっぱ土より扱いにくいのか?」
「最初は動かなかった。んで魔力を込めていくと少しずつ思い通りに動かせるようになったな。何と言ったらいいんだ?最初は他人の物だったのが、どんどん自分の物になってくような感じか」

物に魔力を込めるとか今までやったこと無かったな。
クマを持ってきて魔力を込めてみる。
うん。なんともならん。

「アニキって本気出せばオレより鍛冶屋向きなんじゃね?鉄を思い通りに動かせるとか、ネジ作り放題じゃん」
「あー、確かにそういう使い方も出来そうだな。つーか今まで俺は土魔法ってのが全然わかって無かったようだ。もしかするとさらに奥が深いのかもしれん」

ホント魔法ってのは次々と新しい発見があるよな。
時空魔法もきっとまだ先の先があるに違いない。

「よし、とりあえず今日はこれくらいにしとく。MPも結構消費したからな」
「オレもちょっと腹減ったし眠い」
「んじゃメシにすっか」





************************************************************





ヤバイ。高級羽毛布団、こいつぁすげえぜ・・・。完全に寝過ごした!
目覚めたらアニキはすでに起きていてバイクの製作中だった。
起きて顔を洗いたいが、気持ち良すぎて布団から出られない。
なんて恐ろしい物を引き当ててしまったのだろう・・・。これはイカンですよ?
精神力を振り絞って布団から脱出した。

「アニキ、羽毛布団ヤバイ。マジで布団から出られないとこだった」

「ハハッ!あれはマジで最強布団だからな。堕落しないように気を付けろ」

バイクがすでにいい感じに組まれてるな。ただ足回りがスッカスカだ。

「バイク上から作ってるん?」
「昨日乗ったときに振動ヤバかったからよ、いきなり長距離トラック用のタイヤくっつけてやんぜ」
「あのデカいのをそのまま付けるんか!」
「そのまま行く!今回は岩の時と違って鉄だからサスペンション効かせるぞ」
「なんだっけ?それ」
「このリアショックが、ガタガタの道を走った時に衝撃を和らげてくれるわけだ。これが無いと振動が直に来るから絶対酔うぞ」
「へーーアニキ詳しいんだな」
「バイクの改造ばっかやってたからな!エンジン内部以外なら大抵わかる」
「エンジンなー。このバイクは魔石入れるだけでいいのか?」
「だな。このフタを開けると魔石の交換が出来るようにした。気持ち的に絶対無理だがレジェンドの魔石も入るぞ」
「レジェンドを使うなんてとんでもない!」
「ハハハ、俺でも(大)魔石は使えんわ。(中)で十分すぎるパワーが出るハズだからな。(小)でもたぶん走行は可能だ」
「あーそういやガチャったばっかで(中)魔石無いよね?オレ全然やること無いから大量に集めて来よう」
「おーーそっちは任せた!俺は全力でこいつを仕上げる」
「んじゃ行ってくるぞー。まずはお隣のゴブさんからだ!」
「気を付けろよー」





************************************************************





1階から順に中ボスだけを倒して行って、ようやく全階層制覇だ!
上の方の階のゴブさん強すぎだろ。完全に修行不足だったせいで結界無かったら何度も負けてた。あと10階のゴブさんを倒すのスッカリ忘れてたことが判明。あの時は脱出しか頭に無かったからなー。
そのゴブさんがこれまた強いのなんの。武器はなんと拳だ!装備してるガントレットでガンガン殴ってきやがる。1階のゴブさんとは完全にレベルが違う。金結界まで拳2発で破壊して来るんだぜ?倒した時は思わずツポーズしちまった。でも(中)魔石な。解せぬ。


「戻ったぞー!って、おおおおおおおおおおおお!!!」


そこには世紀末のヒャッハーが乗ってるようなゴッツいバイクが聳え立っていた。
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