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アリア編

139 旅の途中なのにガチャが熱い

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「あと一回ずつ行くか。次は俺の番だ」
「がんばー」

今日はなんか絶好調すぎね?まだ何かおもろいのが出るかも。

アニキがデラックスガチャに魔石をセットし精神集中。


ガチャコン

「くそー、緑かよ!」
「いや緑って何出るかさっぱりわからんからオレは好き」

カードに書かれている文字は【タイヤ】

「はあ!?タイヤ??ダイヤじゃねえよな?って、どわっ!」

カードがカプセルごとでっかいタイヤ4本に変化して、床に落ちた反動で転がって行く。

「おい!これマジで危ねーだろ!長距離トラック用のヤツか?小さいカプセルが手元でいきなりこんな巨大なタイヤ4本に変化って、子供なら大怪我してもおかしくねえ」
「ガチャってたまに罠があるよな。アニキの魔剣とかも重くて子供怪我しそう・・・。あーーーーっ!だからこれレベル制限あるんじゃね!?」
「あっ!!そういやそんなのあったな」

(※いいえ違います。女神はもっとポンコツです。レベル制限は何となくです)

「しかしタイヤかよ。乗用車のタイヤとかならまだしも、なぜこんなデカいのが・・・。これがバイク用ならなーーー。俺のバイクがありゃ旅なんて楽勝なのによ」
「アニキってバイクに乗ってたのか」
「暴走族なんだから当然よ。車よか俺はバイク派だ」
「んーー、タイヤ融かしてバイク用に作り直せばいいんじゃね?むしろデカい方がいっぱい作れてお得じゃん」
「いや、タイヤにはスチールワイヤを布みたいに編んだものが入ってるからたぶん無理だ。使うならこのまま使うしかねえ。これに合わせてバイクを作るとしたら、かなりゴッツイのが出来上がるだろうな。まあでも自力でタイヤを作るのは困難だろうから、案外良い物引き当てたかもしれんぞ」

でもバイクみたいなあんな機械チックなの作れないよな。見た目だけ真似るのは出来ても、エンジンなんてオレには絶対わからん。バイクに詳しいアニキなら作り上げるかもしれんけど、それでもどうだろな?難易度Sランクだぞ絶対。

「んじゃラスト一回行くぞー!」
「バイク出してくれ」
「そんなの出るんか??」

バイクは無理でも自転車くらいなら出るかもだな。

魔石をセットして精神統一。


ガチャコン

「んーーー、緑かー」
「気を付けろよ!?緑は要注意だ」
「アニキのタイヤのせいで変な緊張感があるな!」

カードに書かれている文字は【毛布】

「・・・どうやらガチャ神はオレを今すぐ寝かせたいらしい」
「ガチャってどういうわけか結構片寄るよな。海の男シリーズといい腕輪ラッシュといい」
「んー、でも今さっきスゲー布団出たばっかだし毛布はアニキにあげるよ」
「お?サンキューな。毛皮でも十分だったが、やっぱ寝る時は毛布のほうがしっくり来るだろうからこれは助かる。つーかこの毛布も地味に高級だな」

オレも毛皮で大満足してたんだけど、ちゃんとした布団が手に入ったのなら話は別だ。今夜からは王様のベッドが完全体になるであろう。

早速ベッドに山積みだった毛皮を避けて、ホウキで綺麗にしてから高級羽毛布団を敷いてみた。
バフッと寝転がってみる。

「フオオオオオオオオオオーーーー!これはヤバイですよ!?」
「だろうな!見た目からして最強だろ。コカトリスっての見っけたら最優先で確保する必要が出てきた」
「聞いたことある名前なんだよなー?羽毛ってくらいだから鳥なんだろね」
「魔の森を探せばいたのかもしれん。もう行く気はねーけど」
「よし、このままじゃ寝てしまいそうだから出発しよう!」
「ダンジョンにいると時間を忘れてしまうが、まだ朝なんだよな」


パンダの石像の前に戻って来た。


「あぶねえ。戻って来て気付いたが、ちゃんと景色覚えておかないと昨日どっちから来たかわからんくなるな」
「あーたしかに。えーと、こっちから来てパンダ作ったんだよな」

レイモンドの街に戻ってしまったんじゃ笑えん。次からはちゃんと地形把握せんとな。

「お?向こうから馬車が来るぞ」
「やっぱ護衛とかいるんだなー。あの依頼受けなきゃCランクに成れないんよな」

馬車の一団とすれ違う。
・・・んー、やけに警戒されてんな。

「オレらってそんなに怪しいんかね?」
「釈然としねえがそういう事なんだろうな。まあ確かに他の冒険者とは装備からして違うが」
「鎧でもローブでも無いもんな。死神のローブでも着る?」
「そっちのほうが怪しいだろ!」
「わはははは!」


・・・・・


しばらく歩くと村に到着。
見張りに冒険者カードを見せると、すんなり中に入ることが出来た。

「最北の村よりは少し大きいかな?」
「人は多いな」

最北の村はたしか40人いないくらいだったかな。

今日は絶対に布団で寝ることに決めているので宿はとらない。買い物するにも欲しいものは無い。ならなぜ村に寄ったのかって話しだが、集落があると不思議と吸い寄せられてしまうんだよ。
まあこの村でやることも無いので通り過ぎようと歩いていたらそれを発見した。

「アニキ、あれ!」
「ん?あれってゴーレムじゃないのか?」
「なんで村にモンスターがいるんだ?」
「人を襲っている感じでは無いな」


「おーい!そのゴーレムってお姉さんの友達か何かなのか?」
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