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ダンジョン編
97 アニキ、完全復活
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服を持つアニキの手が震えていた。
当然だ。この時を待ち続けていたのだから。
その威圧感に釣られて鑑定してみた。
[伝説の特攻服(白)]
:喧嘩の強さでは無く、服の圧倒的な格好良さが伝説の由来。評価S
:謎の化学繊維で作られた服。様々な付与魔法が込められている。
:全パラメータ5%アップ
:斬撃耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性+ 炎耐性+ 熱耐性+ 冷気耐性+
汚れ耐性++
:自動修復(大)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能
うわーーーつええ!!オレの黒衣と似た感じの耐性だが、こっちのほうが少し上だ。まあレジェンドの金だからな。服の中では最高峰の防御力なんじゃなかろうか?
「アニキおめでとう!ついに特攻服が出たな!」
「あ、ああ。・・・ありがとうよコテツ。あまりの衝撃に腰が抜けたわ」
「わはははははっ!その特攻服凄まじい性能だぞ!鑑定した?」
「おおー!!コテツの黒衣とそっくりな内容だな。コッチの方が+が増えてるわけか」
「消臭脱臭機能は最高だぞ!アニキのは汚れ耐性++だしもう無敵じゃん!」
「よし、腰が少し復活した。着替えてみよう」
「とうとう初代特攻服の洗濯が出来るな!」
アニキは泣いていた。前にも一度見た男泣きってヤツだ。
「コテツよ・・・、俺は今までこんな素晴らしい特攻服に出会ったことがねえ。着心地、肌触り、そして圧倒的なフォルム!全てが完璧だ。もう脱ぐことは無いだろう」
「いや、それ前にも聞いたぞ!わかるけどっ!二着あるんだし、たまには着替えてもいいと思うぞ」
「そ、そうか。あまりにも完璧な着心地に我を忘れてしまったようだ」
「天下無双も良かったけど、そのお経みたいのもいいな」
「お経では無い!いや確かに非常に似ているが、背中に書かれている字は己の生き様よ。この特攻服を作った人のセンスはもはや神だな。金色の文字に黒で縁取っているわけだが、派手なのに嫌みが無いとでも言おうか・・・。絶妙なセンスで全てを中和している」
「ほお~、特攻服ってのは奥が深いんだな」
「作り手にはどんだけ威圧感を出すかが試されるわけよ。とにかくこの特攻服は伝説って付くくらい評価を受けた逸品だな」
今までの不運を全て薙ぎ払ったアニキのテンションは有頂天だ。最近元気無かったから本当に良かった。ガチャの恐ろしさってのは不運が続くと病んでしまうことなんよね。オレも気を付けなきゃな。
「いやーしかしアニキもとうとう目標達成かー。残るはダンジョンの脱出だけだな!」
「それよな。10階のボスが倒せる範囲ならいいのだが、黒龍かなりヤバかっただろ?あれ以上の魔物なのは確実だから相当気合入れる必要があるぞ」
「10階で新しい師匠が見つかればまた修行出来るんだけどね」
「まあそれも期待だな。しかし5階からダンジョンが倍の広さになったのがキツいわ。1階層攻略するのに2ヶ月ペースって普通にヤバイだろ」
「10階でそれも終わると思えば頑張るしかないよ!」
「そうだな。もう流石にダンジョン攻略はお腹いっぱいだ。10階で出口が出現することを強く願おう」
もうね、ホント心の底から飽き飽きしてる。普通ダンジョンってのは、住む所じゃなくてたまに来るもんじゃない?何かもうここは色々とおかしい。慣れ過ぎておかしいのが普通になったけどな!わはははははっ!
「そろそろメシにしない?なんせ今日のメシは黒龍だぞ!」
「そういや上位龍だったなアイツ。今までのドラゴンを凌駕してくる可能性は高いか」
「きっと黒毛和牛クラスだぞ!食ったこと無いけど」
「そんなもんじゃねえだろ?普通のドラゴンがすでにどんな肉をも超えてるし」
「おおー!んじゃすぐ食おう!」
「だな。黒龍はデカいから広場で気合の解体だ」
「いきなりの大仕事突入で涙が出て来たぞ!けどやったらぁ!」
「俺らはすでに解体のプロだから時間もそんなかからんだろうさ」
「クソガー!気合だー!」
ちなみに広場で解体する時はいきなり肉が消える恐れがあるので、何度もアイテムボックスかマジックバッグに収納し直すのが基本戦略だ。
実は前に一度、消えるのを完全に忘れていて、広場で海鮮パーティーしてたら海鮮物を消滅させてしまいアニキと二人で涙目になったのだ。
黒龍はさすがに消滅させるとマズイので、ホント何度も出し入れしながら丁寧に捌いた。
・・・・・
「「いただきます!」」
黒龍の特大ステーキを口に入れる。
「うめええええええええええええ!!!!」
「くおおおおぉ、何という濃厚な肉なんだ・・・美味いのレベルを完全に通り越してるぞ」
「美味いの二段階くらい上だよな!」
「これを毎日食ってたら他の肉が食えなくなりそうだ。頑張った後のご褒美的な感じで、そういう時だけ食うことにしよう」
「だな!そう簡単に出会えるモンスターとは思えないし」
「まあな。肉はかなり大量にあるが節約を心掛けよう」
黒龍はマジで最強の美味さだった!ホタテ10個分くらいだな!
当然だ。この時を待ち続けていたのだから。
その威圧感に釣られて鑑定してみた。
[伝説の特攻服(白)]
:喧嘩の強さでは無く、服の圧倒的な格好良さが伝説の由来。評価S
:謎の化学繊維で作られた服。様々な付与魔法が込められている。
:全パラメータ5%アップ
:斬撃耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性+ 炎耐性+ 熱耐性+ 冷気耐性+
汚れ耐性++
:自動修復(大)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能
うわーーーつええ!!オレの黒衣と似た感じの耐性だが、こっちのほうが少し上だ。まあレジェンドの金だからな。服の中では最高峰の防御力なんじゃなかろうか?
「アニキおめでとう!ついに特攻服が出たな!」
「あ、ああ。・・・ありがとうよコテツ。あまりの衝撃に腰が抜けたわ」
「わはははははっ!その特攻服凄まじい性能だぞ!鑑定した?」
「おおー!!コテツの黒衣とそっくりな内容だな。コッチの方が+が増えてるわけか」
「消臭脱臭機能は最高だぞ!アニキのは汚れ耐性++だしもう無敵じゃん!」
「よし、腰が少し復活した。着替えてみよう」
「とうとう初代特攻服の洗濯が出来るな!」
アニキは泣いていた。前にも一度見た男泣きってヤツだ。
「コテツよ・・・、俺は今までこんな素晴らしい特攻服に出会ったことがねえ。着心地、肌触り、そして圧倒的なフォルム!全てが完璧だ。もう脱ぐことは無いだろう」
「いや、それ前にも聞いたぞ!わかるけどっ!二着あるんだし、たまには着替えてもいいと思うぞ」
「そ、そうか。あまりにも完璧な着心地に我を忘れてしまったようだ」
「天下無双も良かったけど、そのお経みたいのもいいな」
「お経では無い!いや確かに非常に似ているが、背中に書かれている字は己の生き様よ。この特攻服を作った人のセンスはもはや神だな。金色の文字に黒で縁取っているわけだが、派手なのに嫌みが無いとでも言おうか・・・。絶妙なセンスで全てを中和している」
「ほお~、特攻服ってのは奥が深いんだな」
「作り手にはどんだけ威圧感を出すかが試されるわけよ。とにかくこの特攻服は伝説って付くくらい評価を受けた逸品だな」
今までの不運を全て薙ぎ払ったアニキのテンションは有頂天だ。最近元気無かったから本当に良かった。ガチャの恐ろしさってのは不運が続くと病んでしまうことなんよね。オレも気を付けなきゃな。
「いやーしかしアニキもとうとう目標達成かー。残るはダンジョンの脱出だけだな!」
「それよな。10階のボスが倒せる範囲ならいいのだが、黒龍かなりヤバかっただろ?あれ以上の魔物なのは確実だから相当気合入れる必要があるぞ」
「10階で新しい師匠が見つかればまた修行出来るんだけどね」
「まあそれも期待だな。しかし5階からダンジョンが倍の広さになったのがキツいわ。1階層攻略するのに2ヶ月ペースって普通にヤバイだろ」
「10階でそれも終わると思えば頑張るしかないよ!」
「そうだな。もう流石にダンジョン攻略はお腹いっぱいだ。10階で出口が出現することを強く願おう」
もうね、ホント心の底から飽き飽きしてる。普通ダンジョンってのは、住む所じゃなくてたまに来るもんじゃない?何かもうここは色々とおかしい。慣れ過ぎておかしいのが普通になったけどな!わはははははっ!
「そろそろメシにしない?なんせ今日のメシは黒龍だぞ!」
「そういや上位龍だったなアイツ。今までのドラゴンを凌駕してくる可能性は高いか」
「きっと黒毛和牛クラスだぞ!食ったこと無いけど」
「そんなもんじゃねえだろ?普通のドラゴンがすでにどんな肉をも超えてるし」
「おおー!んじゃすぐ食おう!」
「だな。黒龍はデカいから広場で気合の解体だ」
「いきなりの大仕事突入で涙が出て来たぞ!けどやったらぁ!」
「俺らはすでに解体のプロだから時間もそんなかからんだろうさ」
「クソガー!気合だー!」
ちなみに広場で解体する時はいきなり肉が消える恐れがあるので、何度もアイテムボックスかマジックバッグに収納し直すのが基本戦略だ。
実は前に一度、消えるのを完全に忘れていて、広場で海鮮パーティーしてたら海鮮物を消滅させてしまいアニキと二人で涙目になったのだ。
黒龍はさすがに消滅させるとマズイので、ホント何度も出し入れしながら丁寧に捌いた。
・・・・・
「「いただきます!」」
黒龍の特大ステーキを口に入れる。
「うめええええええええええええ!!!!」
「くおおおおぉ、何という濃厚な肉なんだ・・・美味いのレベルを完全に通り越してるぞ」
「美味いの二段階くらい上だよな!」
「これを毎日食ってたら他の肉が食えなくなりそうだ。頑張った後のご褒美的な感じで、そういう時だけ食うことにしよう」
「だな!そう簡単に出会えるモンスターとは思えないし」
「まあな。肉はかなり大量にあるが節約を心掛けよう」
黒龍はマジで最強の美味さだった!ホタテ10個分くらいだな!
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