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619 強いって何でござるか?
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ガチョピンの鉄の拳がボディーへ突き刺さり苦悶の表情になるが、痛みを我慢しながらめっちゃデカい怪獣のテンプルに右フックを叩き込む。
ドゴッ!
さすがに今の攻撃は効いたようで、フラついたガチョピンに左のローキックを入れると、堪らず間合いの外に下がっていった。
しかし俺もいいボディーをもらっていたので、深追いはせず呼吸を整える。
「ハアッ、ハアッ、さっきの仕返しだ!」
それにしてもまだ30階層だぞ?
浅い階層で、まさかこんな強敵に出会うなんて思わなかったわ!
そういやガチョピンも向こうで闘ってるモックも、確か永遠の5歳だったよな?
その若さでこれほどの境地に辿り着くとは、末恐ろしいガキ共だぜ・・・。
チッ!もう回復したのか!!
瞬時に間合いを詰めてきたガチョピンを左のジャブで牽制するが、いつの間にかピーカブースタイルになっていて、両腕による鉄のカーテンに阻まれる。
その防御力と突進力から超接近戦に引き摺り込まれた。
ワンツー 躱す。
右アッパー 躱す。
お返しの左アッパー 肘にガードされる。
右ボディー ガードされる。
その瞬間ガチョピンの右ストレートが飛んで来た。
躱しきれない!
クソッ!歯を折られるわけにはイカン!せめてマスクで受けねば!
ドガッ!
ガチョピンの右ストレートがヘルメットの下のマスク部分に直撃し、その衝撃で後ろへと吹き飛ばされた。
「くっ、これが若さか・・・」
赤い流星の生涯でも『格好悪いシーン・ベスト3』に入るであろう悲しい名セリフを吐きながら、地面に転がった。
クソッ、しかし本当に強いな!
純粋なボクシング対決じゃ勝ち目はないだろう。
ヤツを倒すには蹴りしかねえ!だが蹴りでは致命傷を負わせることが出来ないから、蹴りで弱らせてからパンチを叩き込むしかない!
今さらメイスで闘うような恥ずかしい真似は出来ないもんな・・・。
地面に手をついてフラフラと立ち上がった。
「小烏丸!その拳に付けている武器、もう一つ余ってないか?」
見るとミスフィートさんが駆け寄って来ていた。
「メリケンサックですか?」
「赤いヤツの顔が硬すぎて、このままじゃ倒せないのだ!」
さっき掌底とかしてたのって、そういう理由からだったのか!
「予備のメリケンサックがあります!ちょっとお待ちを」
マジックバッグから予備のメリケンサックを取り出し、ミスフィートさんに手渡した。
「助かったぞ!これがあればヤツを倒せる!!」
「頑張って下さい!共に格闘技対決を制しましょう!」
「小烏丸も頑張れ!健闘を祈る!」
ミスフィートさんが両手にメリケンサックを装着し、モックの待つ場所へと戻って行った。
ガチョピンもモックもめっちゃ紳士なので、こういう話し合いをしている時は待っていてくれるのだ。もう人間よりも人間くさいといいますか・・・。
紳士ついでなので、親父の方がどうなってるか目を向けてみる。
ボカッ!
「チャンスだよ!」
さっきと同様、親父と組み合った白髪のプロレスラーの後頭部をメイスでぶん殴ったグミの一言に親父が奮起し、体勢の乱れたサンダー大佐を上から抱え込んだ。
「プロレスをするのは初めてだが、見るのは大好きなんだよ!大技いくぞー!!」
ズガーーーーーーーーーーン!
抱え込んだサンダー大佐の身体を上に持ち上げ、豪快に地面へと叩きつけた。
「あの技って『パワーボム』じゃねえか!!」
俺もテレビでプロレスを見たりしてたけど、生で大技を見たのは初めてだぞ!
おそらくレベル上げでパワーアップしていたから、素人でもプロレスの大技を繰り出す事が可能になったのだろうと推測される。
タイミングとかじゃなく、もう完全に力技だな!
「オラアッ!」
「おらーーー!」
ドガッ! ドカッ! ドガッ! ドカッ!
仰向けに倒れたサンダー大佐の上から、親父とグミが交互にストンピングの雨を降らせている。
なぜか知らんけどあの二人って、めっちゃ息が合ってるよな~。
メイスで後頭部を殴ってからパワーボムをくらわせて、そこから追撃のストンピングか・・・。
傍から見ると半端なく卑怯な気もするけど、二対一の変則マッチだから許されるんでしょうかね?いや、どう見ても反則のオンパレードな気がするな・・・。
おっと!そろそろガチョピンと闘わなきゃ。
「悪い!待たせちまったな。そろそろ試合を再開しよう」
その言葉を聞いたガチョピンが、ファイティングポーズをとった。
そろそろガチョピンもダメージが蓄積されているハズなんだ。
もう何発かローキックをくらわせば、ヤツは必ず隙を見せる!
「行くぜ!」
軽いフットワークから左のジャブで様子を窺うと、足へのダメージは見受けられるが疲労は無さそうに感じた。まあ人形だしな~。
ならばダメージを与え続けるのみだ!
ドンッ!
なんの捻りも無く、ボディーに左拳をねじ込んだ。しかしガチョピンは敢えてその攻撃を避けず、拳がボディーに突き刺さった瞬間右ストレートを放ってきた。
やはりそう来たか!だが今度は見えている!!
ガチョピンの重いパンチを紙一重で躱し、右ストレートを叩き込んだ。
ドガッッ!!
カウンターが決まった!効いてるぞ!!
ドンッ!
「ガハッ!」
効いているハズなのに、左ボディーをねじ込まれた。
その直後、ガチョピンが身体を左右に大きく振り始める。
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
左下から右上へ。
右下から左上へ。
―――――それは、8の字を横に倒した『無限大』の軌道を描いていた。
「マジか!!デンプシーロールだとおおおおおおおおおお!?」
まだこんな奥の手を隠してやがったのか!!
コイツをくらったら致命傷になりかねんぞ・・・。
さあ、どうする!?
ドゴッ!
さすがに今の攻撃は効いたようで、フラついたガチョピンに左のローキックを入れると、堪らず間合いの外に下がっていった。
しかし俺もいいボディーをもらっていたので、深追いはせず呼吸を整える。
「ハアッ、ハアッ、さっきの仕返しだ!」
それにしてもまだ30階層だぞ?
浅い階層で、まさかこんな強敵に出会うなんて思わなかったわ!
そういやガチョピンも向こうで闘ってるモックも、確か永遠の5歳だったよな?
その若さでこれほどの境地に辿り着くとは、末恐ろしいガキ共だぜ・・・。
チッ!もう回復したのか!!
瞬時に間合いを詰めてきたガチョピンを左のジャブで牽制するが、いつの間にかピーカブースタイルになっていて、両腕による鉄のカーテンに阻まれる。
その防御力と突進力から超接近戦に引き摺り込まれた。
ワンツー 躱す。
右アッパー 躱す。
お返しの左アッパー 肘にガードされる。
右ボディー ガードされる。
その瞬間ガチョピンの右ストレートが飛んで来た。
躱しきれない!
クソッ!歯を折られるわけにはイカン!せめてマスクで受けねば!
ドガッ!
ガチョピンの右ストレートがヘルメットの下のマスク部分に直撃し、その衝撃で後ろへと吹き飛ばされた。
「くっ、これが若さか・・・」
赤い流星の生涯でも『格好悪いシーン・ベスト3』に入るであろう悲しい名セリフを吐きながら、地面に転がった。
クソッ、しかし本当に強いな!
純粋なボクシング対決じゃ勝ち目はないだろう。
ヤツを倒すには蹴りしかねえ!だが蹴りでは致命傷を負わせることが出来ないから、蹴りで弱らせてからパンチを叩き込むしかない!
今さらメイスで闘うような恥ずかしい真似は出来ないもんな・・・。
地面に手をついてフラフラと立ち上がった。
「小烏丸!その拳に付けている武器、もう一つ余ってないか?」
見るとミスフィートさんが駆け寄って来ていた。
「メリケンサックですか?」
「赤いヤツの顔が硬すぎて、このままじゃ倒せないのだ!」
さっき掌底とかしてたのって、そういう理由からだったのか!
「予備のメリケンサックがあります!ちょっとお待ちを」
マジックバッグから予備のメリケンサックを取り出し、ミスフィートさんに手渡した。
「助かったぞ!これがあればヤツを倒せる!!」
「頑張って下さい!共に格闘技対決を制しましょう!」
「小烏丸も頑張れ!健闘を祈る!」
ミスフィートさんが両手にメリケンサックを装着し、モックの待つ場所へと戻って行った。
ガチョピンもモックもめっちゃ紳士なので、こういう話し合いをしている時は待っていてくれるのだ。もう人間よりも人間くさいといいますか・・・。
紳士ついでなので、親父の方がどうなってるか目を向けてみる。
ボカッ!
「チャンスだよ!」
さっきと同様、親父と組み合った白髪のプロレスラーの後頭部をメイスでぶん殴ったグミの一言に親父が奮起し、体勢の乱れたサンダー大佐を上から抱え込んだ。
「プロレスをするのは初めてだが、見るのは大好きなんだよ!大技いくぞー!!」
ズガーーーーーーーーーーン!
抱え込んだサンダー大佐の身体を上に持ち上げ、豪快に地面へと叩きつけた。
「あの技って『パワーボム』じゃねえか!!」
俺もテレビでプロレスを見たりしてたけど、生で大技を見たのは初めてだぞ!
おそらくレベル上げでパワーアップしていたから、素人でもプロレスの大技を繰り出す事が可能になったのだろうと推測される。
タイミングとかじゃなく、もう完全に力技だな!
「オラアッ!」
「おらーーー!」
ドガッ! ドカッ! ドガッ! ドカッ!
仰向けに倒れたサンダー大佐の上から、親父とグミが交互にストンピングの雨を降らせている。
なぜか知らんけどあの二人って、めっちゃ息が合ってるよな~。
メイスで後頭部を殴ってからパワーボムをくらわせて、そこから追撃のストンピングか・・・。
傍から見ると半端なく卑怯な気もするけど、二対一の変則マッチだから許されるんでしょうかね?いや、どう見ても反則のオンパレードな気がするな・・・。
おっと!そろそろガチョピンと闘わなきゃ。
「悪い!待たせちまったな。そろそろ試合を再開しよう」
その言葉を聞いたガチョピンが、ファイティングポーズをとった。
そろそろガチョピンもダメージが蓄積されているハズなんだ。
もう何発かローキックをくらわせば、ヤツは必ず隙を見せる!
「行くぜ!」
軽いフットワークから左のジャブで様子を窺うと、足へのダメージは見受けられるが疲労は無さそうに感じた。まあ人形だしな~。
ならばダメージを与え続けるのみだ!
ドンッ!
なんの捻りも無く、ボディーに左拳をねじ込んだ。しかしガチョピンは敢えてその攻撃を避けず、拳がボディーに突き刺さった瞬間右ストレートを放ってきた。
やはりそう来たか!だが今度は見えている!!
ガチョピンの重いパンチを紙一重で躱し、右ストレートを叩き込んだ。
ドガッッ!!
カウンターが決まった!効いてるぞ!!
ドンッ!
「ガハッ!」
効いているハズなのに、左ボディーをねじ込まれた。
その直後、ガチョピンが身体を左右に大きく振り始める。
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
左下から右上へ。
右下から左上へ。
―――――それは、8の字を横に倒した『無限大』の軌道を描いていた。
「マジか!!デンプシーロールだとおおおおおおおおおお!?」
まだこんな奥の手を隠してやがったのか!!
コイツをくらったら致命傷になりかねんぞ・・・。
さあ、どうする!?
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