532 / 795
532 甲斐vs三河 総力戦
しおりを挟む
戦場は前回と同じく信濃と三河の国境。
しかし総当たり戦とは違い、今回は両軍共にしっかりと陣形が組まれていた。
甲斐軍は、中心が前方に突き出す形で攻撃に特化したスタイルの魚鱗の陣。
対して三河は、V字型の鶴翼の陣で迎え撃つようだ。
しかしこの組み合わせって、武田信玄と徳川家康が激突した三方ヶ原の戦いと一緒なんだよな・・・。
清光さんほどの男が、あの有名な合戦を知らないわけがない。
この陣形で激突した結果、三河は敗れたのだ。
敢えてそうしてるのか知らんけど、きっと日本の戦国時代をトレースしたような史実通りの展開にはならないだろう。これは見物だぞ!!
「お主が赤い流星か!噂通り、仮面を付けておるのだな!」
声のした方を見ると、オールバックの髪型でヒゲを生やしたガタイの良い男がそこにいた。青い軍服姿なのを見て、もしやと思って質問してみる。
「もしかして家老ランバルか?」
「ぬ?儂を知っておるのか?」
「やはり正解だったか!その青い軍服を見てあの機体を連想したんだ。あの時はゴーレムを貸してもらって本当に感謝する!そして壊してしまってすまなかった」
「ワハハハハハハハハ!気にするでない!聞いたぞ?負けはしたが、虎徹機を戦闘不能にしたともな!」
「戦闘不能と言っても、つま先をちょん切っただけだぞ?それよりもあの青いゴーレムなんだが、癖が強すぎて乗りにくかったぞ!!よくあの機体で戦えるもんだ」
「フム。アレを乗りにくいということは、お主の戦い方は射撃主体だな?」
「その通りだ。近接戦闘の攻撃パターンは多彩だったけど、武器を持ち替える速度が遅かったりで結構ヒヤヒヤしたんだよ」
「儂は射撃の腕がイマイチでな!近接戦闘ばかりやっておったから、ゴーレムに癖がついたのかもしれぬな!ワッハッハッハッハ!!」
そういうことか!ゴーレムって深層に僅かな意思を持っているみたいだから、操縦者の行動パターンを学習するのかもしれん。
使わない行動パターンは錆びつき、頻繁に使う技なんかは鋭くなっていく。
だとすると、他人の専用機に乗ると大体あんなモノなのかもしれないな。
「なるほど・・・。あの時俺の攻撃が当たったのは、ランバルが自機に染み込ませた剣撃の鋭さが影響したわけか。学習までするとはゴーレムって面白いな!」
「そうであろう!ところで今日の戦にも参加するのだよな?汎用機で戦うつもりならば、また儂の予備機を貸してやってもよいぞ?」
「いや、今日は俺の専用ゴーレムで戦うぞ!」
「専用ゴーレム!?作ったのか??」
「作ったのは俺じゃないけどな!!見せてやろうか?」
「いや、気になるがもう時間が無い。色だけ教えろ」
「赤い流星の専用ゴーレムだぞ?赤いゴーレムに決まっている!」
「そうでなくてはな!ワッハッハッハッハッハ!では後程戦場で会おうぞ!!」
「おう!そっちも頑張れよ!!」
ランバルが自陣へと戻って行った。
しかしランバルって豪快で面白い男だな!
というか甲斐の男達って、誰もがこんな感じでとても話しやすいのだ。
殺し合いの無い国だからか、強くて豪快でありながらも優しさがあるんだよね。
越後も殺し合いはほぼ無いけど、ツッパリとヤクザまみれだったからなあ~。
国の方針によって、住民の性格なんかもかなり影響されるのかもしれない。
やはり尾張が目指すのは甲斐みたいに大らかな国だな!
一刻も早く殺伐とした状況を鎮めて、優しい国を造らねば。
************************************************************
『決戦の前に長々とした話はしない。お互い派手に暴れようぜ!総力戦だ!!』
『今回は我らが勝たせてもらう!生まれ変わったゴーレムの力を見せようぞ!!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
―――――大名同士の力溢れる簡潔な一言で総力戦が始まった。
三河は鶴翼の陣。
そのまま本陣に突っ込めば、左右から包まれ大混乱は必至である。
なので甲斐が狙うのは当然、翼を広げた鶴の『翼』部分。
そこに向かって突撃を開始する。
ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!
しかしそれを待ち受ける鶴の翼がシュルシュルと後退して行き、気付いた時には車懸りの陣へと変化していた。
三河軍の一斉射撃が甲斐軍を襲う。
ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!
しかし敵の陣形の変化に気付いた甲斐軍は方円の陣へと移行。
ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!
甲斐と三河の合戦は銃撃戦で幕を開けた。
・・・・・
「うおおおおおおおおおお!なんだこの変幻自在で高度な合戦は!?」
連携の訓練なんて全くしていなかったから、俺達は混戦になってから突撃しようということで、少し離れた丘の上から戦を見ているんだけどさ。
正直、もっとごちゃっとした派手なぶつかり合いをするものだと思っとった!!
力が完全に拮抗している場合、こういう戦術の応酬が勝敗を分けるのか・・・。
なんか俺の戦争って力技ばっかだから、少し恥ずかしくなってきましたよ?
「素晴らしいぞ!この様な美しき戦争を見たのは初めてだ!」
ゼーレネイマスにもこの凄さがわかるか!流石だ。
「おそらく個人の戦闘力が反映されにくいゴーレム同士の戦なのが、この美しさを完成させたんだと思う」
「なるほどな。互角だからこそ戦術が重要になるというわけだ」
「個人の力が突出している場合、どんな戦術を使おうが力で突破されてしまうからな。正直俺もこの緻密で臨機応変な戦に感動してるよ!」
それからしばらく銃撃戦が続いたが、白いゴーレム率いる三河の別動隊の出現により、一気に乱戦へと突入することになる。
しかし総当たり戦とは違い、今回は両軍共にしっかりと陣形が組まれていた。
甲斐軍は、中心が前方に突き出す形で攻撃に特化したスタイルの魚鱗の陣。
対して三河は、V字型の鶴翼の陣で迎え撃つようだ。
しかしこの組み合わせって、武田信玄と徳川家康が激突した三方ヶ原の戦いと一緒なんだよな・・・。
清光さんほどの男が、あの有名な合戦を知らないわけがない。
この陣形で激突した結果、三河は敗れたのだ。
敢えてそうしてるのか知らんけど、きっと日本の戦国時代をトレースしたような史実通りの展開にはならないだろう。これは見物だぞ!!
「お主が赤い流星か!噂通り、仮面を付けておるのだな!」
声のした方を見ると、オールバックの髪型でヒゲを生やしたガタイの良い男がそこにいた。青い軍服姿なのを見て、もしやと思って質問してみる。
「もしかして家老ランバルか?」
「ぬ?儂を知っておるのか?」
「やはり正解だったか!その青い軍服を見てあの機体を連想したんだ。あの時はゴーレムを貸してもらって本当に感謝する!そして壊してしまってすまなかった」
「ワハハハハハハハハ!気にするでない!聞いたぞ?負けはしたが、虎徹機を戦闘不能にしたともな!」
「戦闘不能と言っても、つま先をちょん切っただけだぞ?それよりもあの青いゴーレムなんだが、癖が強すぎて乗りにくかったぞ!!よくあの機体で戦えるもんだ」
「フム。アレを乗りにくいということは、お主の戦い方は射撃主体だな?」
「その通りだ。近接戦闘の攻撃パターンは多彩だったけど、武器を持ち替える速度が遅かったりで結構ヒヤヒヤしたんだよ」
「儂は射撃の腕がイマイチでな!近接戦闘ばかりやっておったから、ゴーレムに癖がついたのかもしれぬな!ワッハッハッハッハ!!」
そういうことか!ゴーレムって深層に僅かな意思を持っているみたいだから、操縦者の行動パターンを学習するのかもしれん。
使わない行動パターンは錆びつき、頻繁に使う技なんかは鋭くなっていく。
だとすると、他人の専用機に乗ると大体あんなモノなのかもしれないな。
「なるほど・・・。あの時俺の攻撃が当たったのは、ランバルが自機に染み込ませた剣撃の鋭さが影響したわけか。学習までするとはゴーレムって面白いな!」
「そうであろう!ところで今日の戦にも参加するのだよな?汎用機で戦うつもりならば、また儂の予備機を貸してやってもよいぞ?」
「いや、今日は俺の専用ゴーレムで戦うぞ!」
「専用ゴーレム!?作ったのか??」
「作ったのは俺じゃないけどな!!見せてやろうか?」
「いや、気になるがもう時間が無い。色だけ教えろ」
「赤い流星の専用ゴーレムだぞ?赤いゴーレムに決まっている!」
「そうでなくてはな!ワッハッハッハッハッハ!では後程戦場で会おうぞ!!」
「おう!そっちも頑張れよ!!」
ランバルが自陣へと戻って行った。
しかしランバルって豪快で面白い男だな!
というか甲斐の男達って、誰もがこんな感じでとても話しやすいのだ。
殺し合いの無い国だからか、強くて豪快でありながらも優しさがあるんだよね。
越後も殺し合いはほぼ無いけど、ツッパリとヤクザまみれだったからなあ~。
国の方針によって、住民の性格なんかもかなり影響されるのかもしれない。
やはり尾張が目指すのは甲斐みたいに大らかな国だな!
一刻も早く殺伐とした状況を鎮めて、優しい国を造らねば。
************************************************************
『決戦の前に長々とした話はしない。お互い派手に暴れようぜ!総力戦だ!!』
『今回は我らが勝たせてもらう!生まれ変わったゴーレムの力を見せようぞ!!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
―――――大名同士の力溢れる簡潔な一言で総力戦が始まった。
三河は鶴翼の陣。
そのまま本陣に突っ込めば、左右から包まれ大混乱は必至である。
なので甲斐が狙うのは当然、翼を広げた鶴の『翼』部分。
そこに向かって突撃を開始する。
ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!
しかしそれを待ち受ける鶴の翼がシュルシュルと後退して行き、気付いた時には車懸りの陣へと変化していた。
三河軍の一斉射撃が甲斐軍を襲う。
ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!
しかし敵の陣形の変化に気付いた甲斐軍は方円の陣へと移行。
ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!
甲斐と三河の合戦は銃撃戦で幕を開けた。
・・・・・
「うおおおおおおおおおお!なんだこの変幻自在で高度な合戦は!?」
連携の訓練なんて全くしていなかったから、俺達は混戦になってから突撃しようということで、少し離れた丘の上から戦を見ているんだけどさ。
正直、もっとごちゃっとした派手なぶつかり合いをするものだと思っとった!!
力が完全に拮抗している場合、こういう戦術の応酬が勝敗を分けるのか・・・。
なんか俺の戦争って力技ばっかだから、少し恥ずかしくなってきましたよ?
「素晴らしいぞ!この様な美しき戦争を見たのは初めてだ!」
ゼーレネイマスにもこの凄さがわかるか!流石だ。
「おそらく個人の戦闘力が反映されにくいゴーレム同士の戦なのが、この美しさを完成させたんだと思う」
「なるほどな。互角だからこそ戦術が重要になるというわけだ」
「個人の力が突出している場合、どんな戦術を使おうが力で突破されてしまうからな。正直俺もこの緻密で臨機応変な戦に感動してるよ!」
それからしばらく銃撃戦が続いたが、白いゴーレム率いる三河の別動隊の出現により、一気に乱戦へと突入することになる。
4
お気に入りに追加
1,222
あなたにおすすめの小説
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!
のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、
ハサンと名を変えて異世界で
聖騎士として生きることを決める。
ここでの世界では
感謝の力が有効と知る。
魔王スマターを倒せ!
不動明王へと化身せよ!
聖騎士ハサン伝説の伝承!
略称は「しなおじ」!
年内書籍化予定!
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
ド底辺から始める下克上! 〜神に嫌われ無能力となった男。街を追放された末、理を外れた【超越】魔法に覚醒し、一大領主へ成り上がる。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
この世界では、18の歳になると、創造神・ミーネより皆に魔力が授けられる。
捨て子だったハイネは教会に拾われたこともあり、どれだけ辛いことがあっても、ミーネを信奉し日々拝んできたが………
魔力付与式当日。
なぜかハイネにだけ、魔力が与えられることはなかった。日々の努力や信仰は全く報われなかったのだ。
ハイネは、大人たちの都合により、身体に『悪魔』を封印された忌み子でもあった。
そのため、
「能力を与えられなかったのは、呪われているからだ」
と決めつけられ、領主であるマルテ伯爵に街を追放されてしまう。
その夜、山で魔物に襲われ死にかけるハイネ。
そのとき、『悪魔』を封印していた首輪が切れ、身体に眠る力が目覚めた。
実は、封印されていたのは悪魔ではなく、別世界を司る女神だったのだ。
今は、ハイネと完全に同化していると言う。
ハイネはその女神の力を使い、この世には本来存在しない魔法・『超越』魔法で窮地を切り抜ける。
さらに、この『超越』魔法の規格外っぷりは恐ろしく……
戦闘で並外れた魔法を発動できるのはもちろん、生産面でも、この世の常識を飛び越えたアイテムを量産できるのだ。
この力を使い、まずは小さな村を悪徳代官たちから救うハイネ。
本人は気づくよしもない。
それが、元底辺聖職者の一大両者は成り上がる第一歩だとは。
◇
一方、そんなハイネを追放した街では……。
領主であるマルテ伯爵が、窮地に追い込まれていた。
彼は、ハイネを『呪われた底辺聖職者』と厄介者扱いしていたが、実はそのハイネの作る護符により街は魔物の侵略を免れていたのだ。
また、マルテ伯爵の娘は、ハイネに密かな思いを寄せており……
父に愛想を尽かし、家を出奔し、ハイネを探す旅に出てしまう。
そうして、民や娘からの信頼を失い続けた伯爵は、人生崩壊の一途を辿るのであった。
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
勇者パーティーを追放された召喚術師、美少女揃いのパーティーに拾われて鬼神の如く崇められる。
名無し
ファンタジー
ある日、勇者パーティーを追放された召喚術師ディル。
彼の召喚術は途轍もなく強いが一風変わっていた。何が飛び出すかは蓋を開けてみないとわからないというガチャ的なもので、思わず脱力してしまうほど変なものを召喚することもあるため、仲間から舐められていたのである。
ディルは居場所を失っただけでなく、性格が狂暴だから追放されたことを記す貼り紙を勇者パーティーに公開されて苦境に立たされるが、とある底辺パーティーに拾われる。
そこは横暴なリーダーに捨てられたばかりのパーティーで、どんな仕打ちにも耐えられる自信があるという。ディルは自身が凶悪な人物だと勘違いされているのを上手く利用し、底辺パーティーとともに成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる