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491 彌彦煉邪会
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ツッパリ共に教えてもらった宿が予想以上に素晴らしく、結局その日は宿から一歩も外に出なかった。
美味しい料理や露天風呂付きの大浴場を満喫して、旅の疲れが完全に吹き飛んだと言っても過言ではないだろう。
ただこの街に寄った理由ってのは特に無いんですよね。
適当に観光しつつ南に抜け、そのまま信濃の国へと向かう予定だ。
つーか正直もう越後はお腹いっぱいなのよ。
ツッパリと喧嘩して、本職ヤクザと喧嘩して、佐渡ヶ島で魔王と喧嘩して・・・。
あれ?よく考えたら喧嘩しかしてないじゃん!!
まあでも噂の歴女女神様と出会えたのだから、この国に寄った甲斐はあったな。
強い仲間もいっぱい増えた。
・・・いや、強すぎるような気もするけど、まあそれは些細なこと。
とにかくもう、後は尾張に帰るだけだ。
正直、越後屋とかもうどーでもいいっスわ。
―――――宿を出た。
「んで、今日はどこ行くんだ?」
「適当に街をぶらぶらしながら南門へ抜けるぞ。目指すは信濃の国だ!」
「えーと、越後の大名には会わないの?」
「何で大名に会わにゃならんのだ。もしかして、全ての大名を倒しながら進んで行くとでも思ってたんじゃないだろな?」
越後の大名というフレーズを聞き、ゼーレネイマスが反応した。
「ガルザリアスは強いぞ?吾輩と同等の力を持つ男だ。一度闘ってみるとよい」
「闘わねえよ!俺はそこまでバトルジャンキーじゃねえ!つーか、越後の大名ってガルザリアスって名前なのか」
「ゼレっちは闘ったことあんの?」
「ある。三日三晩闘って決着がつかなかった」
「何だそりゃ!?引き分けるにしても、もっと早い時点で妥協しろよ!」
「力が完全に拮抗している場合、次は精神の闘いへと移行する。即ち先に音を上げた方の敗北だ」
「そうまでして決着つけなくたっていいだろ!・・・ん?じゃあどうやって引き分けたんだ?」
「猫丸様の仲裁が入った」
「あ~、そういう結末なのね・・・」
「さすが猫にゃんにゃ!!」
俺と闘った時は、ルールを明確に決めていたからすんなり引き下がったわけか。
『身体の部位を欠損したら負け』って、とんでもないルールだったけどな!
とまあそんな会話をしながら皆でワイワイと歩いていたんだけど、通りすがりのチンピラ三人組によってほのぼのタイムは終了した。
「っひょーーーーーー!キレイな姉ちゃんばっか何人いんだよ!!」
「この街の奴らじゃねえな?攫っちまうかあ!?」
「俺はこの金髪のねーちゃんだ!お前らも好きなのを選びな!」
頬にデカい傷のあるアロハシャツの男が、セレスティーナの腕を掴んだ。
「なんだ貴様は?」
「うっひょーーーーー!声も可愛いときたもんだ!!」
「俺もこの金髪のねーちゃんがいいなあ~。お前は違うのにしろ」
「こんだけ女がいるのに被せてくんじゃねえよ!違うのを選べや!」
「ひゃっひゃっひゃ!後で交換すりゃいいだけだろうがよ!」
・・・なんだこの頭の悪そうな奴らは?
「手を放せ」
「放さねえよん!!俺らと楽しいことしようぜ~!ひゃっは~~~~!!」
セレスティーナがこちらを見た。
「ご主人様、この屑共を殺しても構わないか?」
「いや、この国で殺しはご法度だ。でも半殺しまでなら許されているから、やるなら半殺しまでだ」
「半殺しか・・・。難しいな」
「ああん?ご主人様だあ!?この植物男が?はあ~~~?」
「手足を折るくらいにしておけば死なないだろう?ギリギリまで傷めつけようとしなけりゃいいだけだ」
「なるほど。ではそうする」
「俺を無視すんじゃねえ!!」
次の瞬間、セレスティーナは自分の左腕を掴んでたチンピラの右手の指数本を握りしめた。
ボキッ!
そしてへし折った。
「うがああああああああああッッッッッ!!」
続けて隣の男の口元に拳を叩き込む。
「こ、このおnゴボッッ!!」
「おおう・・・、ありゃ前歯全部逝ったな」
「て、てめえ!俺らは彌彦煉邪会だぞ!わかってんのか!!」
・・・ん?なんかそれって、どこかで聞いたことあるぞ?
「えッ!?彌彦煉邪会!?」
「ケンちゃん、知ってんのか?」
「本職っスよ!リンドンには傘下の組しかないけど、越後で一番デカい組織だって聞いてるっス!」
一番デカい組織?あーーーーーーー!閻道羅漢組が言ってたとこじゃん!
「ああ!その名前ってボンタン狩りの時に聞いたぞ!」
「にゃんかアイツらが言ってたにゃね」
うっわ・・・、面倒なのと揉めちまったな。いやでも、コイツらが絡んで来たんだし完全に不可抗力だろ。
「何だそれは?知らんのだから無視しても構わないな」
バキッ!
「ぎゃあああああああああああああ!!」
最後の男は木刀で左足を折られた。
ラッキーだったな!
たぶんこの中で一番キツイのは歯を折られた奴だろ。
「く、くそッ、覚えてやがれ!!後でぜってー報復してやっからな!!」
「ハァーーー、ハァーーーー」
「テメエら、ツラ覚えたからなァ!!」
彌彦なんちゃらチンピラ三人衆は、負け犬らしい捨て台詞を残して逃げて行った。
やっぱ悪党といったら『覚えてやがれ』だよな!
お約束のセリフが聞けて良かったよ。
「じゃあ観光の続きを・・・」
「おい、貴様らだな!ここで暴れていたのは!!」
「ん?」
声の聞こえた方向を見ると、そこにいたのは二人の兵士だった。
・・・あれ?もしかして牢屋行きですか!?
美味しい料理や露天風呂付きの大浴場を満喫して、旅の疲れが完全に吹き飛んだと言っても過言ではないだろう。
ただこの街に寄った理由ってのは特に無いんですよね。
適当に観光しつつ南に抜け、そのまま信濃の国へと向かう予定だ。
つーか正直もう越後はお腹いっぱいなのよ。
ツッパリと喧嘩して、本職ヤクザと喧嘩して、佐渡ヶ島で魔王と喧嘩して・・・。
あれ?よく考えたら喧嘩しかしてないじゃん!!
まあでも噂の歴女女神様と出会えたのだから、この国に寄った甲斐はあったな。
強い仲間もいっぱい増えた。
・・・いや、強すぎるような気もするけど、まあそれは些細なこと。
とにかくもう、後は尾張に帰るだけだ。
正直、越後屋とかもうどーでもいいっスわ。
―――――宿を出た。
「んで、今日はどこ行くんだ?」
「適当に街をぶらぶらしながら南門へ抜けるぞ。目指すは信濃の国だ!」
「えーと、越後の大名には会わないの?」
「何で大名に会わにゃならんのだ。もしかして、全ての大名を倒しながら進んで行くとでも思ってたんじゃないだろな?」
越後の大名というフレーズを聞き、ゼーレネイマスが反応した。
「ガルザリアスは強いぞ?吾輩と同等の力を持つ男だ。一度闘ってみるとよい」
「闘わねえよ!俺はそこまでバトルジャンキーじゃねえ!つーか、越後の大名ってガルザリアスって名前なのか」
「ゼレっちは闘ったことあんの?」
「ある。三日三晩闘って決着がつかなかった」
「何だそりゃ!?引き分けるにしても、もっと早い時点で妥協しろよ!」
「力が完全に拮抗している場合、次は精神の闘いへと移行する。即ち先に音を上げた方の敗北だ」
「そうまでして決着つけなくたっていいだろ!・・・ん?じゃあどうやって引き分けたんだ?」
「猫丸様の仲裁が入った」
「あ~、そういう結末なのね・・・」
「さすが猫にゃんにゃ!!」
俺と闘った時は、ルールを明確に決めていたからすんなり引き下がったわけか。
『身体の部位を欠損したら負け』って、とんでもないルールだったけどな!
とまあそんな会話をしながら皆でワイワイと歩いていたんだけど、通りすがりのチンピラ三人組によってほのぼのタイムは終了した。
「っひょーーーーーー!キレイな姉ちゃんばっか何人いんだよ!!」
「この街の奴らじゃねえな?攫っちまうかあ!?」
「俺はこの金髪のねーちゃんだ!お前らも好きなのを選びな!」
頬にデカい傷のあるアロハシャツの男が、セレスティーナの腕を掴んだ。
「なんだ貴様は?」
「うっひょーーーーー!声も可愛いときたもんだ!!」
「俺もこの金髪のねーちゃんがいいなあ~。お前は違うのにしろ」
「こんだけ女がいるのに被せてくんじゃねえよ!違うのを選べや!」
「ひゃっひゃっひゃ!後で交換すりゃいいだけだろうがよ!」
・・・なんだこの頭の悪そうな奴らは?
「手を放せ」
「放さねえよん!!俺らと楽しいことしようぜ~!ひゃっは~~~~!!」
セレスティーナがこちらを見た。
「ご主人様、この屑共を殺しても構わないか?」
「いや、この国で殺しはご法度だ。でも半殺しまでなら許されているから、やるなら半殺しまでだ」
「半殺しか・・・。難しいな」
「ああん?ご主人様だあ!?この植物男が?はあ~~~?」
「手足を折るくらいにしておけば死なないだろう?ギリギリまで傷めつけようとしなけりゃいいだけだ」
「なるほど。ではそうする」
「俺を無視すんじゃねえ!!」
次の瞬間、セレスティーナは自分の左腕を掴んでたチンピラの右手の指数本を握りしめた。
ボキッ!
そしてへし折った。
「うがああああああああああッッッッッ!!」
続けて隣の男の口元に拳を叩き込む。
「こ、このおnゴボッッ!!」
「おおう・・・、ありゃ前歯全部逝ったな」
「て、てめえ!俺らは彌彦煉邪会だぞ!わかってんのか!!」
・・・ん?なんかそれって、どこかで聞いたことあるぞ?
「えッ!?彌彦煉邪会!?」
「ケンちゃん、知ってんのか?」
「本職っスよ!リンドンには傘下の組しかないけど、越後で一番デカい組織だって聞いてるっス!」
一番デカい組織?あーーーーーーー!閻道羅漢組が言ってたとこじゃん!
「ああ!その名前ってボンタン狩りの時に聞いたぞ!」
「にゃんかアイツらが言ってたにゃね」
うっわ・・・、面倒なのと揉めちまったな。いやでも、コイツらが絡んで来たんだし完全に不可抗力だろ。
「何だそれは?知らんのだから無視しても構わないな」
バキッ!
「ぎゃあああああああああああああ!!」
最後の男は木刀で左足を折られた。
ラッキーだったな!
たぶんこの中で一番キツイのは歯を折られた奴だろ。
「く、くそッ、覚えてやがれ!!後でぜってー報復してやっからな!!」
「ハァーーー、ハァーーーー」
「テメエら、ツラ覚えたからなァ!!」
彌彦なんちゃらチンピラ三人衆は、負け犬らしい捨て台詞を残して逃げて行った。
やっぱ悪党といったら『覚えてやがれ』だよな!
お約束のセリフが聞けて良かったよ。
「じゃあ観光の続きを・・・」
「おい、貴様らだな!ここで暴れていたのは!!」
「ん?」
声の聞こえた方向を見ると、そこにいたのは二人の兵士だった。
・・・あれ?もしかして牢屋行きですか!?
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