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489 またもや検問に引っかかる
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航海中ってのは基本的に退屈だ。
しかし今回ばかりはいつもと違う有意義な航海となった。
ゼーレネイマスに『絶望の領域』のスキルを使ってもらうことで、皆の恐怖耐性をLv5まで上げることが出来たのだ。
これがグリムリーパー相手ならば、即死耐性・恐怖耐性・混乱耐性・呪い耐性をLv10まで上げることも可能らしいんだけど、残念ながら『絶望の領域』というスキルから得られるのは恐怖耐性だけだった。
まあ聖帝も使用してたスキルなわけで、恐怖耐性以外が得られるようなら逆にやば過ぎるスキルということになるので、それはそれで良かったのかもしれない。
闇魔法を極めていると思われるズウィードがこの場にいたならば、即死耐性・混乱耐性・呪い耐性なども上げることが出来たかもしれないけど、あんな好奇心旺盛そうな性格なのに彼にも尾張行きを断られてしまったんだよね。
まあ、こればっかりはしょうがないか。
しかし魔王ってのは皆固有スキルを所持しているらしく、レムのスキルで睡眠耐性を、そしてセレスティーナのスキルで魅了耐性を上げることが出来た。
耐性というモノは少々ややこしくて、装備品に付与出来るのは魔法耐性・精神耐性といった大雑把な括りだけに限定され、あとは火・水・風・地・雷といった属性に対しての耐性しか付与することが出来ない。俺の力不足なだけかもしれないけど。
ああ、汚れ耐性も付与出来るか・・・。これはまた別枠って感じだな。
気になるのは、ガチャで手に入れた闇の腕輪だ。
[闇の腕輪]
:精神耐性の付いた腕輪。軽い精神攻撃なら防げる。評価C
:即死耐性△ 恐怖耐性△ 混乱耐性△ 魅了耐性△ 呪い耐性△
この様に、△の記号で表示されているんだ。
これがどうもよくわからん。
真似しようとしてもなぜか出来ないのだ。
付与する時の願い方?みたいなのが少し特殊なんじゃないかなーと思ってる。
単純にコツを掴めてない感じかな?
いつかこれらも付与出来るようになりたいものだ。
魔法ってのは本当に奥が深い。
ガチャッ
「陸が見えたにゃよ!!」
船室のドアが開いたと思ったら、ニャルルからの嬉しい報告だった!
「やっとか!」
甲板に出ると、皆が揃って船の前方を眺めていた。
たしかに陸が見える。
「よし!じゃあ速やかに上陸に備えよう。まずは全員の武器を預かる」
「なぜだ?」
ゼーレネイマスが疑問を投げかけてきた。
「越後の国では刃のついた武器の所持を禁止されているんだよ。許可されているのは木剣までだ。でも一時的に俺が預かっておくだけだから、武器が必要になった場合はすぐ返すから安心してくれ」
「なるほど。『郷に入っては郷に従え』というやつか。昔猫丸様が教えて下さった言葉だ」
へ~~~。猫ちゃんと普段どんな会話をしてたんだろな?
「越後に入国する時、武器の所持は禁止されたが鎧に関しては何も言われなかった。その鎧を脱ぐかどうかはゼーレネイマスが判断してくれ。ぶっちゃけ身の危険を感じる相手なんていないような平和な国だ。軍隊とでも戦わない限りはな」
「敵を侮ったことで命を落とすのは恥でしかない。鎧は脱がぬ」
「確かにその通りだ。余計なお世話だったな。失礼した」
「よい」
俺達の会話を聞いていたケンちゃんも、今のゼーレネイマスのセリフに共感を覚えたみたいでウンウン頷いてる。
俺や女性らの場合はどちらかというと楽な方向に行きやすい傾向なので、漢らしいことが大好きなケンちゃんとは実は少し合わない所があるんだよね。
しかしゼーレネイマスは、俺から見ても漢らしい生き様を体現しており、まさにケンちゃんの理想の姿なんだと思う。
いい師匠に出会えて良かったな~。
女性と無縁の生活になる可能性がめちゃくちゃ高いけど頑張れ!
いつか漢の道を理解してくれる女性が現れるさ・・・。
************************************************************
猫ちゃんに方角を聞いて真っ直ぐショーナンに向かって船を走らせてきたので、上陸した翌日にはショーナンに入ることが・・・・・・できなかった。
「誰も刃の付いた武器は所持しておらぬようだが、念の為、荷物を検めさせてもらうぞ」
「あ、すまん、ちょっと待っててくれ!おいニャルル!財布を落としただと!?」
「うにゃっ?」
いきなり財布を落としたと言われたニャルルが、慌てて懐を探し始める。
「ゴマちゃん、一時撤退だ。少ししたら皆を連れて俺とニャルルが向かった方向に来てくれ」
「ああ、そういうことか!」
困惑するニャルルの手を引き、兵士の視界の外まで歩いて行く。
そして数分後、ゴマちゃんが皆を連れて来て合流した。
「本当に財布を落としたと思ってビックリしたにゃか!!」
「ごめんごめん!兵士にバッグの中を見られるわけにゃいかんから誤魔化す必要があったんだよ」
「咄嗟にあんな機転を利かせるとは流石こがっちだぜ!」
「意味が分からぬぞよ。小烏丸は何がしたかったのじゃ?」
俺の意味不明な行動に、レムが困惑している。
「マジックバッグって他人が調べようとすると弾かれるだろ?調べた結果何も無かったってのならいいんだけど、バッグの中を調べられないわけだから、めちゃめちゃ怪しまれるんだよ」
「あ~、なるほどのう!ではどうするのじゃ?」
「深夜まで待って、こっそり街へ忍び込む」
「・・・気に入らぬな」
案の定、ゼーレネイマスは不服なようだ。
「俺だってコソコソしたかねえよ!でも正面突破は時間の無駄なんだわ。くだらん言い争いをずっと見てるのなんて嫌だろ?ここは大人しく従ってくれ」
「ぬう・・・、仕方あるまい」
「ねえこがにゃんさん!木が邪魔で前が見えないよ!」
「ああ、悪い!」
シャイナからコーヒーノキを受け取った。
さすがに兵士との交渉には邪魔だったから、預かってもらっていたのだ。
しかし随分と育ってしまったよなあ・・・。
これを持ったまま歩くのはそろそろキツイぞ。
しゃーねえ、ショーナンではリアカーに乗せて引っ張ってくか・・・。
そして今回も深夜に壁をくり抜き、首都・ショーナンへと侵入したのだった。
しかし今回ばかりはいつもと違う有意義な航海となった。
ゼーレネイマスに『絶望の領域』のスキルを使ってもらうことで、皆の恐怖耐性をLv5まで上げることが出来たのだ。
これがグリムリーパー相手ならば、即死耐性・恐怖耐性・混乱耐性・呪い耐性をLv10まで上げることも可能らしいんだけど、残念ながら『絶望の領域』というスキルから得られるのは恐怖耐性だけだった。
まあ聖帝も使用してたスキルなわけで、恐怖耐性以外が得られるようなら逆にやば過ぎるスキルということになるので、それはそれで良かったのかもしれない。
闇魔法を極めていると思われるズウィードがこの場にいたならば、即死耐性・混乱耐性・呪い耐性なども上げることが出来たかもしれないけど、あんな好奇心旺盛そうな性格なのに彼にも尾張行きを断られてしまったんだよね。
まあ、こればっかりはしょうがないか。
しかし魔王ってのは皆固有スキルを所持しているらしく、レムのスキルで睡眠耐性を、そしてセレスティーナのスキルで魅了耐性を上げることが出来た。
耐性というモノは少々ややこしくて、装備品に付与出来るのは魔法耐性・精神耐性といった大雑把な括りだけに限定され、あとは火・水・風・地・雷といった属性に対しての耐性しか付与することが出来ない。俺の力不足なだけかもしれないけど。
ああ、汚れ耐性も付与出来るか・・・。これはまた別枠って感じだな。
気になるのは、ガチャで手に入れた闇の腕輪だ。
[闇の腕輪]
:精神耐性の付いた腕輪。軽い精神攻撃なら防げる。評価C
:即死耐性△ 恐怖耐性△ 混乱耐性△ 魅了耐性△ 呪い耐性△
この様に、△の記号で表示されているんだ。
これがどうもよくわからん。
真似しようとしてもなぜか出来ないのだ。
付与する時の願い方?みたいなのが少し特殊なんじゃないかなーと思ってる。
単純にコツを掴めてない感じかな?
いつかこれらも付与出来るようになりたいものだ。
魔法ってのは本当に奥が深い。
ガチャッ
「陸が見えたにゃよ!!」
船室のドアが開いたと思ったら、ニャルルからの嬉しい報告だった!
「やっとか!」
甲板に出ると、皆が揃って船の前方を眺めていた。
たしかに陸が見える。
「よし!じゃあ速やかに上陸に備えよう。まずは全員の武器を預かる」
「なぜだ?」
ゼーレネイマスが疑問を投げかけてきた。
「越後の国では刃のついた武器の所持を禁止されているんだよ。許可されているのは木剣までだ。でも一時的に俺が預かっておくだけだから、武器が必要になった場合はすぐ返すから安心してくれ」
「なるほど。『郷に入っては郷に従え』というやつか。昔猫丸様が教えて下さった言葉だ」
へ~~~。猫ちゃんと普段どんな会話をしてたんだろな?
「越後に入国する時、武器の所持は禁止されたが鎧に関しては何も言われなかった。その鎧を脱ぐかどうかはゼーレネイマスが判断してくれ。ぶっちゃけ身の危険を感じる相手なんていないような平和な国だ。軍隊とでも戦わない限りはな」
「敵を侮ったことで命を落とすのは恥でしかない。鎧は脱がぬ」
「確かにその通りだ。余計なお世話だったな。失礼した」
「よい」
俺達の会話を聞いていたケンちゃんも、今のゼーレネイマスのセリフに共感を覚えたみたいでウンウン頷いてる。
俺や女性らの場合はどちらかというと楽な方向に行きやすい傾向なので、漢らしいことが大好きなケンちゃんとは実は少し合わない所があるんだよね。
しかしゼーレネイマスは、俺から見ても漢らしい生き様を体現しており、まさにケンちゃんの理想の姿なんだと思う。
いい師匠に出会えて良かったな~。
女性と無縁の生活になる可能性がめちゃくちゃ高いけど頑張れ!
いつか漢の道を理解してくれる女性が現れるさ・・・。
************************************************************
猫ちゃんに方角を聞いて真っ直ぐショーナンに向かって船を走らせてきたので、上陸した翌日にはショーナンに入ることが・・・・・・できなかった。
「誰も刃の付いた武器は所持しておらぬようだが、念の為、荷物を検めさせてもらうぞ」
「あ、すまん、ちょっと待っててくれ!おいニャルル!財布を落としただと!?」
「うにゃっ?」
いきなり財布を落としたと言われたニャルルが、慌てて懐を探し始める。
「ゴマちゃん、一時撤退だ。少ししたら皆を連れて俺とニャルルが向かった方向に来てくれ」
「ああ、そういうことか!」
困惑するニャルルの手を引き、兵士の視界の外まで歩いて行く。
そして数分後、ゴマちゃんが皆を連れて来て合流した。
「本当に財布を落としたと思ってビックリしたにゃか!!」
「ごめんごめん!兵士にバッグの中を見られるわけにゃいかんから誤魔化す必要があったんだよ」
「咄嗟にあんな機転を利かせるとは流石こがっちだぜ!」
「意味が分からぬぞよ。小烏丸は何がしたかったのじゃ?」
俺の意味不明な行動に、レムが困惑している。
「マジックバッグって他人が調べようとすると弾かれるだろ?調べた結果何も無かったってのならいいんだけど、バッグの中を調べられないわけだから、めちゃめちゃ怪しまれるんだよ」
「あ~、なるほどのう!ではどうするのじゃ?」
「深夜まで待って、こっそり街へ忍び込む」
「・・・気に入らぬな」
案の定、ゼーレネイマスは不服なようだ。
「俺だってコソコソしたかねえよ!でも正面突破は時間の無駄なんだわ。くだらん言い争いをずっと見てるのなんて嫌だろ?ここは大人しく従ってくれ」
「ぬう・・・、仕方あるまい」
「ねえこがにゃんさん!木が邪魔で前が見えないよ!」
「ああ、悪い!」
シャイナからコーヒーノキを受け取った。
さすがに兵士との交渉には邪魔だったから、預かってもらっていたのだ。
しかし随分と育ってしまったよなあ・・・。
これを持ったまま歩くのはそろそろキツイぞ。
しゃーねえ、ショーナンではリアカーに乗せて引っ張ってくか・・・。
そして今回も深夜に壁をくり抜き、首都・ショーナンへと侵入したのだった。
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