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482 戦利品を見てみよう

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 パーン!

 セレスティーナの側まで歩いて行き、彼女とハイタッチを交わした。


「お疲れさん!」
「そっちも片付いたようだなっ!」
「デスナイトは強かったか?」
「強かった。おそらく今まで使っていた武器ならば負けていただろう。勝利することが出来たのはこのエストックのおかげだ!」
「それは良かった。あっ!そういやコイツらの装備品を見てみようぜ!ネクロマンサーのローブとか剥いでくるから、セレスティーナはデスナイトを頼む」
「わかった!」


 正直、死体から服を脱がすのってすごく嫌なんだけど、どう考えてもボス級の魔物の装備品なので、捨て置く選択肢は無い。

 溜息を一つ漏らし、ネクロマンサーの死体からローブを脱がせると、中の人は漆黒ってくらい真っ黒で、人間とは呼べない生き物だった。


「なんだこりゃ!?気持ち悪いやっちゃな・・・」


 中身が普通のおっさんだったとしたらそれはそれでショックだろうから、明らかに人間以外のナニカだったのは逆に良かったのか?

 ただそのまま着るのは嫌だから、帰ったら一度洗濯しなきゃダメだな。

 もの凄く嫌だったけど、吐き気を堪えながら身体を斬り裂き魔石を回収した。


「よっしゃ!魔石(大)ゲットだぜーーー!!」


 やっぱり、アリアダンジョンのフロアボス級の魔物だったか。

 あっちのデスナイトはたぶん召喚された魔物だと思うから、中ボス扱いなのかな?明らかにボス級としか思えなかったけど、あの最強アビスゴブリンですら中ボス扱いだからなあ・・・。

 転がってた杖を拾い上げ、セレスティーナの方へ歩いて行く。


「やっぱボス級だったわ。ネクロマンサーからデケー魔石が出てきた」

 鎧を回収中のセレスティーナが振り返った。

「コイツからも大きな魔石が出てきたぞ!」
「マジで!?」

 見ると地面に大きな紫色の魔石が置かれたいた。
 アレも間違いなく魔石(大)だ。

「しかしデスナイトの中身が骨だったとはな!」
「ああ、ネクロマンサーに召喚されて出てきたのならばアンデッドか。しかしボス級の魔物を召喚するとは思わなかったな」
「ゾンビに紛れて凄いのがいたから、アレには驚いたぞ。よし回収終わり!」
「じゃあ、ネクロマンサーの方から一つ一つ鑑定して行くか!



[ネクロマンサーの杖]
 :ネクロマンサー愛用の杖。素材は不明。評価S
 :知力10%アップ
 :全属性魔法強化
 :自動修復(中)衝撃耐性 精神耐性


「ツエーーーーー!知力10%アップに全属性魔法強化だと!?」
「凄まじい性能だな!魔法使いがこれを見たら腰を抜かすぞ!」


[ネクロマンサーのローブ]
 :ネクロマンサー愛用の漆黒のローブ。評価S
 :知力10%アップ
 :斬撃耐性 衝撃耐性 魔法耐性+ 火耐性 熱耐性 冷気耐性 汚れ耐性 
 :自動修復(大)サイズ自動調節


「こっちも知力10%アップかよ!合わせて20%はやべえな・・・」
「耐性の量も凄いぞ!これを着れば快適に暮らせそうだな!」


[デスナイトの大剣]
 :デスナイト愛用の大剣。素材は一切不明。評価S
 :力10%アップ
 :斬撃強化(大)破壊強化(大)斬撃速度強化(中)
 :自動修復(大)衝撃耐性 精神耐性


「うお!初期性能でこれかよ!!最強クラスじゃん」
「これは本当に凄いぞ!!これほどの武器は見たことが無い!!」


[デスナイトのフルプレートアーマー]
 :デスナイト愛用のフルプレートアーマー。評価S
 :素材は一切不明。
 :体力10%アップ
 :斬撃耐性+ 衝撃耐性+ 魔法耐性+
 :自動修復(大)精神耐性+


「付与の数は控え目だけど全部+付きなんだな。うん、これも強えわ!」
「ステータスに補正が付くのが良いな!自動修復(大)なら無敵ではないか!」


 うん。全部大当たりです!!

 これに俺が付与を追加すれば、もう完全無欠の装備品だ。
 まあ、フルアーマーなんてクッソ重いのなんか今更着たいとは思わんけどさ。

 あ、そういやセレスティーナは、少し前までフルアーマー姿だったんだよな。


「じゃあ自分が倒した方の装備品を貰うってことでいいか?」
「私には杖もローブも必要無いが、ご主人様も必要無いのではないか?」
「まあ俺も使わんと思うけど、これが必要な人に渡したり出来るからな。所持しとけばいつか役に立つんだよ」
「なるほど・・・。しかしデスナイトの方はどちらも実用的な装備品だ。両方とも私が受け取るのは心苦しいぞ」
「気にせず貰っておけ!それに俺はもう自分用の大剣を持っている。セレスティーナも破壊用の大剣を所持しておくべきだ」
「確かに武器の使い分けをするのに、手元に大剣が一つあると助かる・・・。わかった、有難く頂戴することにするぞ!」

 セレスティーナに大剣は絶対必要だろう。
 でも鎧は確実に弱体化するから着ないで欲しいな~。

「でもフルアーマーの方は着ないで観賞用にしといた方がいいぞ?これを装備したらまた重くて動けなくなるから」
「くっ!格好良いから着ようと思っていたのだが、確かに動けなくなると弱くなってしまいそうな気がするな・・・。それに裸になるのも大変だし・・・」
「いや、だから何で裸になろうとするんだよ!?」
「フム・・・、やはり鎧を着るのはやめておこう。ただ、先程の戦闘で防御力の不安が大きかったから、俊敏さを維持出来る範囲で鎧の一部を着用したい所ではある」

 あっそうか!セレスティーナの服って、ダンジョン服と違って防御力が足りてないんだよな・・・。

 それに姫騎士といったらドレスアーマーだろ!

 確かマジックバッグに何着かドレスがあったような気がするから、それっぽいのを作ってやるか。ダンジョン産の服ではないけどね。

「わかった。セレスティーナに似合う装備を作ってやろう!」
「私に似合う装備?・・・ご主人様が作ってくれるのか!?」
「あっ、一度海に行ってマジックバッグから服を取り出さなきゃならんか。じゃあ明日は海に行くぞ!装備を作るのはその後な」
「海か!それは楽しみだな!!」


 いや、遊びに行くんじゃないからな?
 さあて・・・、どんな感じのドレスアーマーにするか考えとかなきゃな!
 
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