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463 求めていた人材がこんな所に!

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「レムさんが着ている服って、今まで一度も見たこと無い形ですけど、す、すごく似合ってます!!」
「お主、この服の良さがわかるのか!気に入ったぞ!!」


 レムがケンちゃんの右手を握って上下にブンブンした。
 どうやらレムは、気に入った相手に対してあの行動をとるみたいだな。


 ・・・それにしてもケンちゃんがさっきからデレッデレである。

 今まで同行していたメンバーに対してはそんな表情など一度も見せたことが無いのに、風呂上がりにレムを見つけてからは、ずっと顔の表情が緩みっぱなしだ。


 ―――レムだけに焦点を合わせて観察してみる。


 ふむ。

 なぜか着物姿なんだけど、『ピンク色の髪の毛』『のじゃロリ』『つるぺた』の3点セットを兼ね備えた、紛れも無いロリキャラである。

 確かに可愛いと思うから、こういうタイプが好きって気持ちもわからんでもないんだけれど、ケンちゃんは他の女性に対してデレデレしたことなんか一度も無い。

 パメラハウスで風呂上がりの女性が歩いていても、彼はいたって普通だった。

 ・・・もしかしてケンちゃんって、ロ、ロリコンだったのか!?だとしたら子供達が危険だぞ!!

 いや待てよ?子供達も風呂上がりに普通に家の中を歩いているけど、ケンちゃんが発情している様子はなかったな。

 すなわちケンちゃんはロリコンってわけじゃなく、純粋にレムという女性に対して恋愛感情が芽生えたということなのだろう。

 もしかしてこれが『ひとめ惚れ』というヤツなのかな?

 だとしたら応援してやりたいけど、レムって魔王だからな~。正直今のケンちゃん程度の実力じゃ惚れる要素が見当たらない。

 めちゃめちゃ強くなるとか、男気を見せて彼女の気を引くことが出来れば、ワンチャンあるのかな?

 でも出会ったばかりの状況なのだから、余計なことはしない方が良いだろう。


「そろそろ行くぞ」

 ゼーレネイマスの声に、あっちの二人も反応した。

「そうじゃな。猫丸様の所までは近いとか言っておったの」

 そう言いながら、レムが壁に立て掛けてあったらしい自分の武器を手に取った。


「・・・・・・・・・・・・」

「あれ?たしかあの武器って・・・」

「デスサイズじゃねえか!!」

 慌ててレムの側まで駆け寄る。

「こ、これはレムのメイン武器なのか!?」
「・・・む?どうした?なぜか興奮しているようじゃが・・・、わらわのデスサイズはやらんぞえ?」
「レムはこの武器を使って戦うのか!?このデカい大鎌を!!」
「そうじゃが、何をそんなに興奮しておる?」

「俺んとこ来ないか!?」

「・・・ほえ?」

 あれ?なんか言い方を間違った気がする。
 これじゃツッパリ歌手がパラパラを踊りながら歌う曲の、最初の一言じゃん。

「いあ、急にそのようなことを言われても困るぞな。先程出会ったばかりで、まだ互いのことをよく知らぬ間柄じゃろう?」

 なんか、レムが体をクネクネしながら顔を赤くしているのだが・・・。

 ハッ!?

 しまった!!よく考えたら、あのセリフはプロポーズとも受け取れる一言やんけ!早く誤解を解かねば、むしろ俺の方がロリコンだと勘違いされてしまうぞ!!

「あ、いや、違うんだ!えーと、そうじゃなくてだな・・・」
「魔王と人とで子を成せるのかもわからぬし、わらわはまだその様な経験が無いのじゃ。やはりこういうのは、もう少し互いのことを知ってから」
「ちょっと待ったあああああああああ!!アニキ、いきなり何てこと言ってんスか!レムさんが困ってるじゃないっスか!!」
「何時まで話をしておる!とっとと行くぞ!!」

 ぐおおおおおおお!!レムは勘違したままだし、ケンちゃんは話に飛び込んで来るし、ゼーレネイマスは怒ってるしで、もうカオスすぎるんですけどーーーーー!!



 ・・・・・



 結局誤解が解けぬまま、パメラハウスまで戻って来た。

 ずっとクネクネした状態で話も通じなくなったレムをパメラに渡し、ゼーレネイマスを部屋に案内し、俺はケンちゃんの誤解だけでも解こうと奮闘中。


「・・・とまあ、そんなわけでミスフィート軍への誘いだったんだが」
「なんだ、そういうことだったんスね!デスサイズの使い手なんて、この先現れるかわからないっスもんね~」
「ケンちゃんも、レムがミスフィート軍に入るのは賛成か?」
「賛成に決まってるじゃないっスか!!あんな綺麗な人をこの島に置いとくなんて有り得ないっスよ!人類全体の損失っス!!」
「いや、魔王だから人類ではないな。ってかケンちゃんって、やっぱレムに惚れてたのか?」
「ほ、ほほほ惚れてなんか!!いや、綺麗な人だとは思うけど・・・」

 誤魔化したって無駄無駄無駄ァァァ!

「まあどっちにしろ彼女は魔王だからなぁ。雑魚じゃ見向きもされない可能性が高いぞ?やはりこの世界で女にモテるには強くないとな」
「やっぱそこっスよね・・・。この島にいるうちに行けるとこまでガンガン行くつもりだったけど、明日からは更に気合を入れて頑張るしかねえ!!」
「すげえ気合だな!まあ死なない程度に限界を超えて戦ってみろ!!」
「よーーーーーーーし!マジでギリギリまでやってやんぜ!!」


 こうして、ケンちゃんの誤解だけは解くことが出来た。
 問題なのは、クネクネしたまま一切話が通じなくなったレムの方だな・・・。
 
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