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105 尾張・三河同盟

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 別室に移動した4人がソファーに座って向かい合う。
 そして入口にはニーニャさんが控えている。


「では小烏丸との約束通り三河と尾張で同盟を組みたいと思うのだが、ミスフィート殿は同盟に問題はないか?」

「現在の尾張の状況は大体把握してるだろうから正直に話すが、むしろ願ったり叶ったりだ!ジャバルグとの激戦で国が荒れているのでな。他国からの侵略を考えると、東方面が安全になるのは非常に助かる」

「うむ。ならばここに同盟は成立した!これからはお互い助け合い、他国の脅威を退け、共に繁栄して行こう!」

 清光さんとミスフィートさんが握手を交わす。

 よし!これで美濃と伊勢だけに守りを集中出来るぞ!これだけでも非常に大きい。
 ピンチの時は三河を頼ることも可能になった。まあそうはならない様にするけど。


「そして尾張平定を祝し、約束の品を贈呈しよう!同盟祝いも兼ねて、だな」


 清光さんが席を立ち、広い場所でマジックバッグからバイクを2台取り出した。


「うおおおおお!かっけえええええええええ!!!」


「だろう?ちなみに赤い方が小烏丸、蒼い方はミスフィート殿のバイクだ」
「え?すでに決まってるん?」
「赤い流星と言ったら赤以外ありえんだろう!これは確定だ」
「ぐぬぬぬぬ!まあ確かにその通りだけど!」
「えーと、それは何なのだ?私の分もあるようだが・・・」

 ああ、まったく説明してないもんな。見ただけじゃ確かに意味不明だろう。

「これはバイクという乗り物です。とんでもない速度で移動出来ますよ」
「乗り物って、ラビみたいなモノなのか?」
「あっ、そうそう!清光さん、なんでこの国はデパートの屋上とかにある動物乗り物だらけなんですか?」

「ん?あぁ、アレ乗って此処まで来たんだったな。えーとだな、昔アリアでアレを作ってコテツと乗って遊んでたら、その街で流行してな。そんでレベッカに作り方を伝授して全部丸投げしたら、王都でも爆発的に大流行してとんでもない事になったんだわ。でまあ、なんやかんやでレベッカをこっちに連れて来たら、また大ブームになって、三河がこんな感じになっちまったワケよ」

 なるほど、レベッカさんってアリアの人だったんか・・・。

「世界を跨いで大流行とか、レベッカさん凄すぎませんか!?」
「まあ一種の天才なんだろうな。面白そうだから、街を一つ任せたくらいだ」

 実際に面白い街を作っただけじゃなく、三河全体に影響してるし。
 尾張にも、レベッカさんみたいな商才豊かな人材が欲しいよ。

「ミスフィートさん、このバイクってのはですね、あのラビの何倍も速く移動が出来る乗り物です。ルーサイアからパラゾンまで30分くらいで移動出来るんじゃないですかね?」

「そんなに速いのか!それは本当に凄いな」


 あ、そうだ!アレの出番だ。


「清光さん、祝いの品は有難く頂戴します!お返しに尾張からの同盟祝いを受け取って下さい」

「ん?尾張からだと?」

 バイクを一旦マジックバッグに入れて、代わりに冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機と並べていく。

「こちらから、冷蔵庫、冷凍庫、そして洗濯機です」

「マジか!?」
「洗濯機だと!?」

 二人が冷蔵庫を開けたりしてチェック中。

「凄いな!これは小烏丸が作ったのか?」
「最近、魔道具作りにハマってしまいましてね、その洗濯機なんか自信作ですよ!」
「うおおお!試してえ!!使い方の説明プリーズ!」

 確かに説明が必要だ。

「何か洗濯物はありませんか?あと排水出来るような大きな箱も」
「排水って、ん?ココで動かせるんか?」
「出来ます。水も必要ありません」
「ほう??ちょっと待っててくれ」


 その間に、窓際に洗濯機を移動させた。


「じゃあやってみせてくれ!」

「えーと、まず洗濯物を入れます。そしてボディーソープを入れます。虎徹さん、このボタンを押してみて下さい」
「これだな?ポチっと、うお!水が出て来たぞ!」
「すごくないっスか?コレって何もない所から水を作り出してるんですよ」
「いや、凄すぎだろ!意味が分からん」


 そして洗濯が終わると、ニーニャさんを含めて、みんな大絶賛だった。


「しかし水生成機とは驚いたな・・・」
「水生成機は自分らの旅に必要なのですが、一つ予備があるので、これは差し上げます。あとドライヤーも」
「エーーー!1個しか無いん?遠江にも欲しかったのに」
「残念ながら今は手元に無いですね、今度作って持ってきます。ああ、それと水生成機は周りの空気から水分を集めてるっぽいので、使うと部屋が乾燥します。なので使う時は窓の傍で、窓を開けながら使用して下さい。この紙は取扱説明書です」
「お、わざわざ説明書も作ってくれたのか!有難い」

 冷蔵庫の後ろに、更に冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機を出す。

「こっちは虎徹さんの分です。遠江で使って下さい」
「おおおーーー!オレの分もあるんか!サンキューな!!」

 これでバイクのお返しは出来た。
 借りだけが増えてくと、一生頭が上がらなくなるからなー、

「よし、後は武器の受け取りですね。お二人とも、強化したい武器を預けて下さい」


 清光さんから大剣を、虎徹さんからは黒槍を預かった。


「武器を2本強化するのに2か月ほどかかりますが、その期間は大丈夫ですか?」
「問題ない。そいつの他にデスナイトの大剣がある」
「オレも問題ないぞ。黒槍もう一本ゲットしたからな!」
「なるほど。じゃあ武器は約2か月後に返しに来ますね」

 来る時は遠かったけど、バイクがあるから次回はすぐ来れるハズだ。

「しかし凄い城ですよね。作るの大変だったんじゃないですか?」

「ん、そうでもない」
「アニキがパパッと作ってたな。確か何日もかかってないぞ」

「はい!?もしかしてバフォメット戦で使ってたあの魔法!?」
「うむ。土魔法が得意なんでな」


 そんな簡単にパパッと城を作っただとお!?

 ・・・いやまてよ、これは交渉してみる価値がある。


「清光さん、一つ取引をしませんか?」
「ほう?・・・面白い、言ってみるといい」

 その場で上着を脱ぐ。

「鑑定してみて下さい」


「・・・これは!」
「どれ・・・、なんだこの強さは!!」

 よし、食いついた!

「尾張に城を一つ作って欲しいのです。報酬は服の最大強化でどうです?」
 
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