上 下
88 / 252
第8章 フランス戦線…。

第86話 奴らの注意事項。

しおりを挟む
俺は、オリバーが自爆して亡くなった事で嬉しい反面、少し悔しいと思っていた。
なぜなら、彼が自爆したおかげで逆に彼の名誉を守る事が出来たと思うと少し嬉しい反面、彼を無くした事で大きな戦力を落としたと俺は思っているからだ…。
だから、そう思うと俺は少し複雑な気分がしてきてどうすればよいのか非常に悩んでいる状態だった。

けど、俺だけが落ち込んでいるのは訳じゃない。
寧ろ、俺以外の人間の方が落ち込んでいる可能性が高いとすら思うのは周りが雰囲気から見てもわかっていた。

特にオズワルドやソルカが非常に悔しがって公開している顔を見ると、それがより強く感じる状態を抱いた。
けれど、彼らにはそれではいけないと思い、彼らを慰めようと思い、説得させようとした。

寧ろ、彼が自爆して亡くなった事で遺体となる証拠が吹っ飛んで全てが消える事で彼の名誉を守る事が出来たのだと思うと彼なりの聖職者に洗脳された報いなのだと感じた。
けど、それが禁句なのかと思いながらもそれを破るために、彼らに話かけようとした…。

「なぁ、ソルカ。オズワルド。お前達に話したい事があるけど、大丈夫か?」

「信雄殿。僕がくよくよして良くないのはわかっている。けど、オリバーが自爆して亡くなった事は僕たちの損失なのかと思うと少し悔しい。」

悔しいのはわかるが、それをばねにしないといけないんだ。
俺は何としてもここで負けてはいられない。
寧ろ聖職者を全員討伐して、平和の世界を実現させようとした。
平和を実現するためなら防衛戦争もありだと俺は思った。
だから、俺は…、

「オズワルド。でも、お前が殺さなければオリバーの名誉がもっと下がっていた可能性だってあったんだ。それが出来たのはお前たちのおかげだ。」

「そうだな。僕たちが彼を殺したことで逆に名誉を守れるのは何とも皮肉だね。そう考えると、サイリスタ帝国の聖職者が世界侵略を行う可能性が十分にあるからここで立ち止まってはいけないんだよな。」

「勿論だ。ここで立ち止まったら間違いなくお前たちは本当にサイリスタ帝国の聖職者が侵略を作る口実を与えかねない状況を作るから絶対に止めなけえればならない。」

「当然、私もここでくよくよしていたら彼らに逆にやられるのをわかっているからここで彼の遺志を継いで連中をとめねばならないな。」

「そうだ。俺達はここで止めていたら間違いなく連中に殺されるのが明白な状況だからこれからパリにいる聖職者を全員で討伐しなければならない。だからここで立ち止まってはいけないんだよ。」

「ありがとう。信雄殿。」

「どうも。信雄殿。僕たちもここで立ち止まっているわけにはいかないんだとここで身に染みた事を思い出した。だからこれから僕は彼らを討伐して見せるからな。」

「あぁ、その通りだ。ここで立ち止まっていたら連中の侵略を許してしまう口実ができる。だから俺達はここで負けるわけにはいかないと。」

俺はここで立ち止まってはならないと思いながらも、彼らの気分が変わると凄く良い感情になるのは当然だと思った。
そう思うと俺も少し嬉しくなった。
そして俺はそう思いながら、これから皆でパリの街を巡る事にした。

すると、やはりオリバーが自爆した影響からかパリ5街区は焼け野原になり、何もない街に変貌した。
やはり、オリバーの自爆が大きく影響しているのだと俺は感じる位、この町の痛々しさを感じてしまった。
この町の痛々しさを見るとまるで爪痕が非常に痛いと感じるのはなぜだろうか?
俺はそう思いながら、この町を再び散策し、オリバー爆破されたパリ5街区を巡る事にした。

「信雄さん。そういえば、オリバーの遺体がないですね。」

「あぁ、爆発現場を見たけど、ここに彼がいた気配を感じられない。おそらく、かれは自爆した後、骨も残らない位の爆風でこの5街区を粉々に吹っ飛ばした事は非常に大きい。だから、彼の遺体の跡は間違いなく探しても見つからないと。」

「そうだね。信雄さん。」

「クリアーナ。連中は自爆する可能性もあるから戦闘には絶対に気をつけろよ。」

「了解。私も十分、気をつけますからね。」

「あぁ、その気だ。」

連中は当然ながら自爆して周りを巻き込む可能性も十分にある。
それは自分だけでなく周りに人間を巻き込むことで世界侵略平気を完成する事が出来るからだ。
そして自分が死んだら自爆して跡形を残さないのは証拠を完全に消すことが非常に重要な使命だと彼らは感じているからだ。

そして自爆をする事で自分たちの証拠を残さず多くの人に被害を加える事が出来る。
つまり、彼らは自分達が死ぬ間際になると周りを道連れにして爆破する攻撃を常套手段として持ち込んでくる。
俺はこの攻撃に非常に危険性を感じながらこれから奴らの討伐を始めようとした。
それは連中の攻撃習性を見れば一目両全だと…。
そう俺は思った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……

踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです (カクヨム、小説家になろうでも公開中です)

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました

toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。 残酷シーンが多く含まれます。 誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。 両親に 「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」 と宣言した彼女は有言実行をするのだった。 一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。 4/5 21時完結予定。

処理中です...