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第20話 自分で自分を支援するボッチな俺

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なるほど。

今度は俺が俺自身を支援できるという訳か。

精神力:10(最大60)

消費する精神力は10か。
使っても一回きり……

「おい、待ってくれ! 本当に、お前のことは何も言わねえからよ!」
「うるさい! 死ねぇ!」
「いや、死ぬのは勘弁してくれよ! まだやり残したことがあるんだ!」
「知るか! 死ね! 死ねぇ!」
「おい! ジェイド! 見てるんだろう!? 早く助けてくれ!」

泣きながら助けを求めて来るツネナリ。
このまま死んでも俺は悲しくない。
むしろ、せいせいするが。
だがな……

(これじゃ、俺を追放した奴らと一緒だな)

そんな考えが頭に浮かんだ瞬間、俺の中で何かが弾けた。

『側にいるだけで Ver2』発動!

「な、なんだ!?」

ファクトが驚いていた。
鍬が勝手に動いて、ツネナリから離れていく。

「うう……」

ツネナリは助かったことに安堵する。

「どういうことだ!?」

ファクトは動揺している。

「ツネナリ、立て」

俺は鍬を持って、ツネナリの前に立った。

「お、おう……」

ツネナリはよろけながらも立ち上がった。

「なんだ? お前?」

ファクトが睨みつけて来た。

「俺は……」

俺は漲る力に驚いていた。
どれくらい強くなったのだろう。
ステータスの数値に変化はないが、明らかに強化されている。

「なんだ? お前は、俺の鍬を!」

ファクトは俺が鍬を持っていることに疑問を感じたようだ。

「ああ、お前から力づくで取り上げた」

俺は鍬を振りかぶった。

「は?」

ファクトは後ずさりした。
腰に差した鎌を手に取る。

「お前みたいな弱そうな平民が、俺の鍬を奪うだと?」

ファクトは笑い出した。

「ハハッ。冗談も休み休み言え!」
「確かに農業で鍛えたお前から鍬を奪えるなんて、俺も驚きだ。だが……」

俺は鍬を勢いよく振り下ろした。

「ぐえっ!」

ファクトの肩に深く食い込んだ。
力の差は歴然だった。

「殺さないよ。生け捕りにして、真実を話してもらうから」
「な、なんでだ? どうして急に強く……」

ファクトは信じられないという表情だ。


「お前には聞きたいことが山程あるんだよ!」
俺は鍬を引き抜いた。

「うわぁ!」

ファクトは倒れた。



「さてと」

自己支援効果も切れたところで、戻るとするか。
俺は傷だらけのファクトを縛り上げ、ツネナリの方を見た。

「おい」
「うう……」
「行くぞ」
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