65 / 65
第1章
第65話 もういないのかな……
しおりを挟む
「あ? てめぇ、捕らわれの身で偉そうなこと言ってんじゃねーぞ!」
ローランは強気に出た。
側にペルがいるから強がっているのが分かる。
ちょっと声が震えている。
「あ?」
「あ?」
「おぉ?」
「……おっ、おうぅ……」
ムネタカに睨みをきかされて、尻込みするローラン。
「ねぇ、ムネタカ。一体何があったの?」
ペルの問い掛けを無視し、ローランの首に手を回すムネタカ。
「わっ!」
音もなく背後に回られ、自分の首に手が回っているのに気づき、驚くローラン。
「何だよ!」
「死にたいか?」
ローランの首には、ムネタカの手刀が付きつけられている。
「今、生かすっていったじゃないか!」
「お前なんか、いつでも殺せる。だから、生かすも殺すも俺の自由」
「くっ……」
「大声出すな」
分かってるなと言わんばかりに、手刀がローランの首にめり込む。
「いっ……」
ローランが呻く。
「女神像は何処だ?」
「え?」
「どこだと聞いている」
「なんで、それを……」
ムネタカの尋問に、戸惑うローラン。
「ムネタカ、やめて! その人は、私をここまで案内してくれたの!」
ペルの叫びを無視するムネタカ。
「10年前、カドレア邸宅からお前の親父が盗んだ。それを返してもらう」
「う……」
「知ってるんだな。言え」
ローランは命と隠し事どちらが大事か天秤にかけている様だ。
「ねぇ、ムネタカ! あなたってそんなに野蛮な人だったの!」
「黙れ」
ペルを一喝するムネタカ。
「うう……」
目に涙を浮かべるペル。
「いてぇ」
首にめり込む手刀。
「私を助けてくれたムネタカは、もういないのかな……」
涙をこぼすペル。
(助けた?)
さっきから何を言ってるんだ、この女は。
ムネタカはペルのことが不思議だった。
だが、今は彼女と話す暇は無い。
取り返すものを取り返して、早くここを去りたい。
「言え!」
「親父の部屋の本棚に隠してある扉……その奥の部屋」
ローランが呻くように言う
「よし、案内しろ」
ローランは強気に出た。
側にペルがいるから強がっているのが分かる。
ちょっと声が震えている。
「あ?」
「あ?」
「おぉ?」
「……おっ、おうぅ……」
ムネタカに睨みをきかされて、尻込みするローラン。
「ねぇ、ムネタカ。一体何があったの?」
ペルの問い掛けを無視し、ローランの首に手を回すムネタカ。
「わっ!」
音もなく背後に回られ、自分の首に手が回っているのに気づき、驚くローラン。
「何だよ!」
「死にたいか?」
ローランの首には、ムネタカの手刀が付きつけられている。
「今、生かすっていったじゃないか!」
「お前なんか、いつでも殺せる。だから、生かすも殺すも俺の自由」
「くっ……」
「大声出すな」
分かってるなと言わんばかりに、手刀がローランの首にめり込む。
「いっ……」
ローランが呻く。
「女神像は何処だ?」
「え?」
「どこだと聞いている」
「なんで、それを……」
ムネタカの尋問に、戸惑うローラン。
「ムネタカ、やめて! その人は、私をここまで案内してくれたの!」
ペルの叫びを無視するムネタカ。
「10年前、カドレア邸宅からお前の親父が盗んだ。それを返してもらう」
「う……」
「知ってるんだな。言え」
ローランは命と隠し事どちらが大事か天秤にかけている様だ。
「ねぇ、ムネタカ! あなたってそんなに野蛮な人だったの!」
「黙れ」
ペルを一喝するムネタカ。
「うう……」
目に涙を浮かべるペル。
「いてぇ」
首にめり込む手刀。
「私を助けてくれたムネタカは、もういないのかな……」
涙をこぼすペル。
(助けた?)
さっきから何を言ってるんだ、この女は。
ムネタカはペルのことが不思議だった。
だが、今は彼女と話す暇は無い。
取り返すものを取り返して、早くここを去りたい。
「言え!」
「親父の部屋の本棚に隠してある扉……その奥の部屋」
ローランが呻くように言う
「よし、案内しろ」
0
お気に入りに追加
28
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】
m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。
その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
はじめまして。投稿サイト利用自体が始めてで何か読んでみようと思い、新着から閲覧いたしました。
世界線がシステマティックに管理されてる世界観が私にとっては斬新でした。
同じ主人公が色んな世界線に飛ばされたり、色んな主人公が登場する短編集みたいになるのでしょうか?
まだ途中のようですので、このあとの展開を楽しみにしてます