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第101話 若者世代

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「どうする?このまま放置する?」
「いや、一応死体は持って帰ろう」
「ええ~面倒くさいなぁ」
「金になるんだよ。髪の毛とか、カツラに使えるし」
「え~、こんなおっさんのでもかよ。分かったよ」

どうやらニキビ面がリーダーらしく、他のメンバーは彼の言うことを聞く様だ。

「こら!てめーら、ヒソヤスを殺したな!」

戦士の仲間達が、ニキビ面パーティに言い寄る。

「はあ、誰だ、あんたら。このおっさんの仲間か?」
「てめぇらのせいだろうが!」

リーダーの戦士が殺された事に、激昂する仲間達。

「なんで、スライムなんかと仲間なんだよ」
「うっせーな。今時はモンスターを仲間にするのが流行ってんだよ。オッサンたちこそ、人間同士でつるんでだせぇよ」

口と鼻にピアスを付け、ピンク色の髪のイケメンチャラ男が、オッサンパーティを罵る。

「んだとぉ!」

モンスターを仲間にすると言う価値観が、年配には分からない。
若い冒険者の間では比較的当たり前のことだったが。

「ライムの力を試したかったんだよ。そこの戦士のオッサンには悪いけど」

要は彼らは襲われてる振りをして、戦士のオッサンを誘い出した。
そして、ライムに喰わせた。
モンスターは人間が大好物だ。
極上の餌を食べたライムはげっぷをした。

「てめー!」
「やるか?」
「おうともよ!」

戦闘が始まる。
だが、その勝負は一瞬で終わった。

「死ね!『フレイム』」

ニキビ面の少年の閃光とともに吹き上げる炎の火柱。
その火柱をライムが、自身のスライムでコーティングし火の玉にする。
スライムの玉の中に火の塊が入った。
そのボール状の物を、オッサンパーティに投げつける。

「ぎゃ!」
「ひっ!」
「ひゃん!」

オッサンの身体にぶつかるスライムボール。
弾けると同時に火が飛び出す。
スライムが着火剤の役割と、まとわりつく役割で、その火は容易に消えない。

「あちいいいいいいいいいいいいいいいい!」

オッサンたちのダンスを観ながら笑い転げる若者たち。

火を消そうと必死のダンスも虚しく、オッサンパーティの生き残りを焼き尽くす。

満面笑顔のニキビ面。

「スゲーな、スライム!お前の力があれば、俺達も有名になれるぜ!」

ニキビ面の少年は、ライムに抱きつく。

「おい、こっちの死体も食わせようぜ」

ピンクの髪をしたチャラ男が、オッサン達の死骸を引きずってくる。

モンスターの増殖と共に、人間、特に若い世代の価値観が変わりつつあった。
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