77 / 136
第77話 全滅!?
しおりを挟む
冒険者たちは、次々と倒れていく。
中には勇敢に立ち向かう者もいたが、ほとんど意味が無かった。
圧倒的な力の差を見せつけられるだけだった。
それでも諦めずに戦い続ける者もいる。
しかし、彼らの戦いは長く続かなかった。
彼らの心は折れてしまったからだ。
こうして、全ての置き去りにされた冒険者は全滅したかと思われた。
だが……
「まったく、思った通りの展開だな」
岩陰に隠れ様子を窺っていたジークフリートが、仲間達に言う。
「ここは……一体どこなんだ?」
ギルバルトが声を潜める。
自分達はラインハルホ王国に入国したのではなかったか?
「恐らく、ラインハルホ王国がある大陸のはずれ、死の海岸……」
リョナが神妙な顔で言う。
「何で分かる?」
「私のスキル、『地図』で調べた」
このスキルは、自分の意志を数秒だけ舞い上がらせることが出来る。
まるで魂だけが空を飛んだ状態になる。
リョナは魂を上空に飛翔させ、この大陸の様子を俯瞰したのだ。
「この海岸は、高い岩山に囲まれている。ラインハルホ王国と隔絶されている。まるで自然の要塞ね」
リョナの言葉にドラゴンテイルズのメンバーは頷いた。
高い岩山の頂上には、ワイバーンやグリフォンなどの飛行系のモンスターでも乗り越えることは出来ない。
まさに、ラインハルホ王国にとってはこの岩山が壁となり、モンスターからの侵攻を抑え込んでいた。
そして、この海岸には血に飢えたモンスター達がたむろし、漂着した魚介類や人間を襲っていた。
「恐らく、俺達は騙されたのだろう。ラインハルホ王国 そして、マインという使者に」
ジークフリートは岩にもたれた。
何らかの方法でラインハルホ国王は、ガーレット王国が攻めて来ることを知ったのだ。
その侵攻をいち早く察知し、ラインハルホ行きの船を、この死の海岸に向けた。
船が出港する時に見た船長と船員たちの表情を思い出す。
あれは、間違いなく演技ではない。
「冒険者の中に裏切り者がいたのか、それとも、他の誰か、第三の勢力がいて、ラインハルホ王国に加担しているのか」
ジークフリートは考えた。
中には勇敢に立ち向かう者もいたが、ほとんど意味が無かった。
圧倒的な力の差を見せつけられるだけだった。
それでも諦めずに戦い続ける者もいる。
しかし、彼らの戦いは長く続かなかった。
彼らの心は折れてしまったからだ。
こうして、全ての置き去りにされた冒険者は全滅したかと思われた。
だが……
「まったく、思った通りの展開だな」
岩陰に隠れ様子を窺っていたジークフリートが、仲間達に言う。
「ここは……一体どこなんだ?」
ギルバルトが声を潜める。
自分達はラインハルホ王国に入国したのではなかったか?
「恐らく、ラインハルホ王国がある大陸のはずれ、死の海岸……」
リョナが神妙な顔で言う。
「何で分かる?」
「私のスキル、『地図』で調べた」
このスキルは、自分の意志を数秒だけ舞い上がらせることが出来る。
まるで魂だけが空を飛んだ状態になる。
リョナは魂を上空に飛翔させ、この大陸の様子を俯瞰したのだ。
「この海岸は、高い岩山に囲まれている。ラインハルホ王国と隔絶されている。まるで自然の要塞ね」
リョナの言葉にドラゴンテイルズのメンバーは頷いた。
高い岩山の頂上には、ワイバーンやグリフォンなどの飛行系のモンスターでも乗り越えることは出来ない。
まさに、ラインハルホ王国にとってはこの岩山が壁となり、モンスターからの侵攻を抑え込んでいた。
そして、この海岸には血に飢えたモンスター達がたむろし、漂着した魚介類や人間を襲っていた。
「恐らく、俺達は騙されたのだろう。ラインハルホ王国 そして、マインという使者に」
ジークフリートは岩にもたれた。
何らかの方法でラインハルホ国王は、ガーレット王国が攻めて来ることを知ったのだ。
その侵攻をいち早く察知し、ラインハルホ行きの船を、この死の海岸に向けた。
船が出港する時に見た船長と船員たちの表情を思い出す。
あれは、間違いなく演技ではない。
「冒険者の中に裏切り者がいたのか、それとも、他の誰か、第三の勢力がいて、ラインハルホ王国に加担しているのか」
ジークフリートは考えた。
0
お気に入りに追加
355
あなたにおすすめの小説
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる