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第三章 異世界転売ヤー
第一話 異世界からの不法流通
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時期は八月下旬。この地方ではまだ残暑が厳しいが、早朝は気温が低くなりつつある。夏休みが明け、子供達は学校への登校を再開し、早朝に騒がしく元気な声を聞くようになった。
明善は窓から聞こえてくる子供達の声から元気エネルギーを分けてもらい、それらを糧に書類仕事に精を出していた。作成しているものは、先日のストーカー事件の書類である。明善はキーボードを叩く手を一旦止め、考え込むように腕を組む。悩む理由はもちろん書き込む内容。
「ヤタガラス商会……」
明善はその名前を一人言として呟いた。
この組織について、どう記述しようかな。
件のストーカー、ヴェスタという異世界の住人であるエリトは、ヤタガラス商会の人間と知り合い、商品を購入していた。明善が彼の身柄を確保した際、ヤタガラス商会の商人と連絡を取る術を聞き出し、それを異締連とヴェスタの行政組織に報告。異締連の職員がエリトのフリをし接触を試みたが、商人はついぞ現れなかった。どうやらエリトが逮捕されたこと、罠であることにいち早く気づいたのだろう。あと一歩のところで、逃げられてしまった。エリトから聞いた商人の容貌を基に、現在もヴェスタ中を探しているがまだ見つからないらしい。商会のことは未だ謎のままだ。
「正直に書くか。えーっと、ヤタガラス商会について異締連と連携して引き続き調査を行う、と」
情報が不足しており、その商会についての詳細は不明との一文で締め括った。
書類を書き終わり、大きく伸びをする。コーヒーを飲もうと立ち上がろうとした時だ。机の上の内線が鳴った。落合と愛美は忙しく書類仕事中。ここは明善が電話に出ることに。
「はい。異犯対です」
「あの、暁さんは今そちらの課にいますか?」
電話の向こうの警官は少し焦ったような声音。
「私が暁です」
「ああ、いらっしゃったんですね。良かったです」
「何かご用でしょうか?」
「実は先ほど市内で火災事故が発生したのですが、署に消防から応援要請がありまして」
「消防から応援要請、ですか?」
火災事故発生時、被害が拡大しないよう警察が交通規制や避難誘導を行うことがある。だが、異犯対はそれらの仕事を全く行わない。最初は人手不足で手伝ってほしいのかと思ったが、明善個人を指名するのはおかしい。
電話の向こうで明善が困惑している様子が伝わったのだろう、警官は「手短に説明しますね」と付け加えた。
「火災現場はとある一軒家なんですが、その火災が奇妙らしいんです」
「奇妙? 」
早朝、消防署に一本の通報が来た。通報の主は火災現場となった家の家主。とあるアンティークを誤って床に落とした際、そこから炎が発生したのだという。
通報を受けた消防署は消防隊員を急行させる。隊員達はそこで奇々怪々な光景を目撃した。
リビングの絨毯とその上に置いてある木製のテーブルを、緑色の炎が覆っている。炎はゆっくりと揺らいでおり、燃え盛る業火というには程遠い。絨毯とテーブルは燃えるスピードが異常に遅く、まるでスローモーションで映像を見ているような感覚だ。その奇妙な光景に消防隊員達は一瞬呆気に取られていたが、すぐに我に返り消火活動を開始。放水や消火剤、不活性ガスの噴霧などを行ったが、効果は全くなし。何度も消火を試みたが、炎は消すことが出来なかった。
おかしい。もしかしたら……。
その異常な炎は、明らかにこちらの世界のモノとは異なる。隊員達は異世界由来の炎だと考え、警察、異犯対に応援を要請して来たのである。
話を聞いた明善は「なるほど」と頷く。
「私がいるか確認したのは……」
「はい。暁さんの力が必要だと思ったからです」
明善が異世界人による人体改造で得た異能を消す力。確かにこの力なら、その奇妙な炎も消せるかもしれない。
「わかりました。すぐに現場に向かいます。場所を教えてください」
火災現場の住所を聞き受話器を置いた後、明善は落合と愛美に電話の内容を説明。
「ということのなので、ちょっと行ってきます」
「アキくん、念の為に異締連にも連絡をしておこうか?」
「俺の能力で消せないかもしれないから、一応お願い」
明善は覆面パトカーの鍵を持ち、駐車場に走って向かう。車に乗り込むとサイレンを鳴らし、緊急走行で現場に向かった。
現場に着くと、多くの野次馬が群がっていた。ここの住宅街は道も狭く、野次馬のせいでこれ以上は車では進めない。車から降りた明善は人々を掻き分けながら前へ進む。なんとかバリケードテープの元まで着き、側に立っていた制服警官に警察手帳を見せる。
「異犯対です。消防の応援で来ました」
「お疲れ様です。こちらです。どうぞ」
警官の後について行き、火災現場の住宅に入った。家の中は水や白い消火剤が床一面に広がっている。消防隊員がなんとか火を消そうとした様子が窺える。だが、彼らの努力も虚しく、緑色の炎はリビングの中央で煌々と輝いていた。隊員達はただその不可思議な光景を茫然と眺めている。
「ちょっとすいませんね」
明善はそんな彼らの横をすり抜け、燃えるテーブルに近づく。至近距離にまで近づいたが特に熱くはなく、ほんのりと熱を感じる程度。
まず明善はスマートフォンで炎を撮影。証拠品として残すためだ。何枚か撮影した後、スマートフォンをポケットに戻し、炎に手をかざす。明善が少しだけ意識を集中すると、異能を消す能力を発動。奇怪な炎は一瞬で消えた。炎のひと欠片も残さずに。後ろでは警官や消防隊員が「おお!」と感嘆の声を上げる。
「やっぱり、異世界のものか」
明善はテーブルの近くに、とあるものが落ちていることに気がついた。金属とガラスの破片が散らばっており、元々は小さなカンテラのようなものだろう。
火災の原因と言われていたアンティークか。
その写真を撮影した後、明善は消防隊員達に振り向く。
「お察しの通り、異世界の炎ですね。これは我々異犯対の案件です。現場を保存しておきたいので、消防の方々はなるべく家の物に触らないようお願いします」
明善の言葉に、ベテランの隊員が頷く。
「わかりました。といっても、我々にはこれ以上できそうなこともないし、一旦消防署に戻りますね」
家を出る隊員達を見送った後、明善は近くの制服警官に話しかける。
「この家の家主の方は今どこに?」
「外に避難しています。向こうです」
「会わせてもらえますか?」
「わかりました」
家の持ち主はバリケードテープの外側に停めてあるパトカーに乗っていた。三十代半ばの夫婦であり、妻は乳幼児を抱えている。二人とも茫然といった様子だ。明善は後部座席のドアを開け、夫婦に今回の火災事故のことを尋ねる。
「お父さん、お父さん、少しよろしいですか?」
「……は、はい。なんでしょう?」
「家の火は消すことはできました。もう大丈夫です」
「ほ、本当ですか⁉︎」
「ええ。幸い、被害も少ないです。家具が少し燃えた程度で」
「それは良かったです。買ったばかりの家なんですよ」
夫婦は安堵の息を漏らす。
購入して間もない家が火事で無くなるかもしれないとなれば、気が気じゃなかっただろうな。
「ただ、警察の方で現場検証を行いたいのです。ご家族には申し訳ないのですが、しばらくの間別の場所で過ごしてもらえますか?」
「わ、わかりました。実家の方に行きます」
「それでですね、通報ですと、アンティークの品を落とした際に火災が発生したと。その品っていうのはこれですかね?」
明善がスマートフォンの画面を見せると、夫は頷いた。
「ぱっと見、カンテラ、ランタンですかね? これって」
「はい。そうです」
「これって、どのように入手したのですか?」
「それはとあるサイトで購入したものです。僕、アンティーク品を趣味で集めていまして。ネットで色々なサイトを検索している際に偶然見つけたんです」
「ネットで購入したのですか。そのサイトはなんというのでしょうか?」
「名前は『マー君の個人輸入』、です。その名の通り、個人輸入、輸入代行をしているサイトです」
「個人輸入……」
「そのサイトで品を見た時、一目惚れしまして。たくさん売れており残り少ないとも書かれていたので、つい衝動買いしちゃいました」
「たくさん売れている?」
「はい。レビューも結構書かれていましたよ」
もしかしたら、人気商品と見せかけるただの煽り文句やサクラかもしれない。
だが、実際に大勢の人間がこのランタンを購入していたとしたら、異世界の品が大量に巷に出回っているということになる。消えない炎を発生させる危険な品を。
「これは早々に手を打たないとな」
明善はそう小さく呟いた。
明善は窓から聞こえてくる子供達の声から元気エネルギーを分けてもらい、それらを糧に書類仕事に精を出していた。作成しているものは、先日のストーカー事件の書類である。明善はキーボードを叩く手を一旦止め、考え込むように腕を組む。悩む理由はもちろん書き込む内容。
「ヤタガラス商会……」
明善はその名前を一人言として呟いた。
この組織について、どう記述しようかな。
件のストーカー、ヴェスタという異世界の住人であるエリトは、ヤタガラス商会の人間と知り合い、商品を購入していた。明善が彼の身柄を確保した際、ヤタガラス商会の商人と連絡を取る術を聞き出し、それを異締連とヴェスタの行政組織に報告。異締連の職員がエリトのフリをし接触を試みたが、商人はついぞ現れなかった。どうやらエリトが逮捕されたこと、罠であることにいち早く気づいたのだろう。あと一歩のところで、逃げられてしまった。エリトから聞いた商人の容貌を基に、現在もヴェスタ中を探しているがまだ見つからないらしい。商会のことは未だ謎のままだ。
「正直に書くか。えーっと、ヤタガラス商会について異締連と連携して引き続き調査を行う、と」
情報が不足しており、その商会についての詳細は不明との一文で締め括った。
書類を書き終わり、大きく伸びをする。コーヒーを飲もうと立ち上がろうとした時だ。机の上の内線が鳴った。落合と愛美は忙しく書類仕事中。ここは明善が電話に出ることに。
「はい。異犯対です」
「あの、暁さんは今そちらの課にいますか?」
電話の向こうの警官は少し焦ったような声音。
「私が暁です」
「ああ、いらっしゃったんですね。良かったです」
「何かご用でしょうか?」
「実は先ほど市内で火災事故が発生したのですが、署に消防から応援要請がありまして」
「消防から応援要請、ですか?」
火災事故発生時、被害が拡大しないよう警察が交通規制や避難誘導を行うことがある。だが、異犯対はそれらの仕事を全く行わない。最初は人手不足で手伝ってほしいのかと思ったが、明善個人を指名するのはおかしい。
電話の向こうで明善が困惑している様子が伝わったのだろう、警官は「手短に説明しますね」と付け加えた。
「火災現場はとある一軒家なんですが、その火災が奇妙らしいんです」
「奇妙? 」
早朝、消防署に一本の通報が来た。通報の主は火災現場となった家の家主。とあるアンティークを誤って床に落とした際、そこから炎が発生したのだという。
通報を受けた消防署は消防隊員を急行させる。隊員達はそこで奇々怪々な光景を目撃した。
リビングの絨毯とその上に置いてある木製のテーブルを、緑色の炎が覆っている。炎はゆっくりと揺らいでおり、燃え盛る業火というには程遠い。絨毯とテーブルは燃えるスピードが異常に遅く、まるでスローモーションで映像を見ているような感覚だ。その奇妙な光景に消防隊員達は一瞬呆気に取られていたが、すぐに我に返り消火活動を開始。放水や消火剤、不活性ガスの噴霧などを行ったが、効果は全くなし。何度も消火を試みたが、炎は消すことが出来なかった。
おかしい。もしかしたら……。
その異常な炎は、明らかにこちらの世界のモノとは異なる。隊員達は異世界由来の炎だと考え、警察、異犯対に応援を要請して来たのである。
話を聞いた明善は「なるほど」と頷く。
「私がいるか確認したのは……」
「はい。暁さんの力が必要だと思ったからです」
明善が異世界人による人体改造で得た異能を消す力。確かにこの力なら、その奇妙な炎も消せるかもしれない。
「わかりました。すぐに現場に向かいます。場所を教えてください」
火災現場の住所を聞き受話器を置いた後、明善は落合と愛美に電話の内容を説明。
「ということのなので、ちょっと行ってきます」
「アキくん、念の為に異締連にも連絡をしておこうか?」
「俺の能力で消せないかもしれないから、一応お願い」
明善は覆面パトカーの鍵を持ち、駐車場に走って向かう。車に乗り込むとサイレンを鳴らし、緊急走行で現場に向かった。
現場に着くと、多くの野次馬が群がっていた。ここの住宅街は道も狭く、野次馬のせいでこれ以上は車では進めない。車から降りた明善は人々を掻き分けながら前へ進む。なんとかバリケードテープの元まで着き、側に立っていた制服警官に警察手帳を見せる。
「異犯対です。消防の応援で来ました」
「お疲れ様です。こちらです。どうぞ」
警官の後について行き、火災現場の住宅に入った。家の中は水や白い消火剤が床一面に広がっている。消防隊員がなんとか火を消そうとした様子が窺える。だが、彼らの努力も虚しく、緑色の炎はリビングの中央で煌々と輝いていた。隊員達はただその不可思議な光景を茫然と眺めている。
「ちょっとすいませんね」
明善はそんな彼らの横をすり抜け、燃えるテーブルに近づく。至近距離にまで近づいたが特に熱くはなく、ほんのりと熱を感じる程度。
まず明善はスマートフォンで炎を撮影。証拠品として残すためだ。何枚か撮影した後、スマートフォンをポケットに戻し、炎に手をかざす。明善が少しだけ意識を集中すると、異能を消す能力を発動。奇怪な炎は一瞬で消えた。炎のひと欠片も残さずに。後ろでは警官や消防隊員が「おお!」と感嘆の声を上げる。
「やっぱり、異世界のものか」
明善はテーブルの近くに、とあるものが落ちていることに気がついた。金属とガラスの破片が散らばっており、元々は小さなカンテラのようなものだろう。
火災の原因と言われていたアンティークか。
その写真を撮影した後、明善は消防隊員達に振り向く。
「お察しの通り、異世界の炎ですね。これは我々異犯対の案件です。現場を保存しておきたいので、消防の方々はなるべく家の物に触らないようお願いします」
明善の言葉に、ベテランの隊員が頷く。
「わかりました。といっても、我々にはこれ以上できそうなこともないし、一旦消防署に戻りますね」
家を出る隊員達を見送った後、明善は近くの制服警官に話しかける。
「この家の家主の方は今どこに?」
「外に避難しています。向こうです」
「会わせてもらえますか?」
「わかりました」
家の持ち主はバリケードテープの外側に停めてあるパトカーに乗っていた。三十代半ばの夫婦であり、妻は乳幼児を抱えている。二人とも茫然といった様子だ。明善は後部座席のドアを開け、夫婦に今回の火災事故のことを尋ねる。
「お父さん、お父さん、少しよろしいですか?」
「……は、はい。なんでしょう?」
「家の火は消すことはできました。もう大丈夫です」
「ほ、本当ですか⁉︎」
「ええ。幸い、被害も少ないです。家具が少し燃えた程度で」
「それは良かったです。買ったばかりの家なんですよ」
夫婦は安堵の息を漏らす。
購入して間もない家が火事で無くなるかもしれないとなれば、気が気じゃなかっただろうな。
「ただ、警察の方で現場検証を行いたいのです。ご家族には申し訳ないのですが、しばらくの間別の場所で過ごしてもらえますか?」
「わ、わかりました。実家の方に行きます」
「それでですね、通報ですと、アンティークの品を落とした際に火災が発生したと。その品っていうのはこれですかね?」
明善がスマートフォンの画面を見せると、夫は頷いた。
「ぱっと見、カンテラ、ランタンですかね? これって」
「はい。そうです」
「これって、どのように入手したのですか?」
「それはとあるサイトで購入したものです。僕、アンティーク品を趣味で集めていまして。ネットで色々なサイトを検索している際に偶然見つけたんです」
「ネットで購入したのですか。そのサイトはなんというのでしょうか?」
「名前は『マー君の個人輸入』、です。その名の通り、個人輸入、輸入代行をしているサイトです」
「個人輸入……」
「そのサイトで品を見た時、一目惚れしまして。たくさん売れており残り少ないとも書かれていたので、つい衝動買いしちゃいました」
「たくさん売れている?」
「はい。レビューも結構書かれていましたよ」
もしかしたら、人気商品と見せかけるただの煽り文句やサクラかもしれない。
だが、実際に大勢の人間がこのランタンを購入していたとしたら、異世界の品が大量に巷に出回っているということになる。消えない炎を発生させる危険な品を。
「これは早々に手を打たないとな」
明善はそう小さく呟いた。
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