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第一章 女子高生行方不明事件
第三十六話
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明善達の後ろ、荷物搬送用の出入り口から警官達が雪崩を打って駆け込んできた。分厚いプロテクターを前身に身につけ、頭にはフルフェイスのヘルメット。手に持っている透明な分厚いシールドには、異対機動隊という文字が書かれている。
彼らこそが福島県警が誇る、福島県警異世界対機動隊だ。彼らは統率された素早い動きで陣形を組み、呆気にとられる金髪と刺青の男達を尻目に、出入り口を塞ぐ人の壁となる。異対機動隊の後ろには、特製の防弾ベストを着込み、シールドを持った制服、私服警官が並ぶ。彼らは捜査二課、地域課、そして、応援に駆けつけた捜査一課の警官だ。東洞もその中におり、彼は今回の検挙に自ら手を挙げて参加した。武力に秀でたアルミトスを相手にするのだ、彼らの顔には緊張の色がありありと浮かんでいた。普段から凶悪犯を相手にしている東洞も、大きな脂汗を流している。
「お、おい。どういうことなんだよ、兄弟」
明善に手を掴まれたままの刺青は、縋るような眼で明善を見つめる。その視線に対し、明善は正面から見つめ返す。
「騙してすまない。俺達は異犯対、警察だ」
「け、けいさつ? この世界の治安維持組織か? なんで……」
惚ける刺青を、金髪は怒鳴りつける。
「まだわからないのか! その二人は客じゃなくて囮だ! 俺達を炙り出すための。俺達を拘束するつもりなんだよ!」
金髪の言葉に明善は頷く。
「その通りだ。俺達はお前達を逮捕しに来た」
「そ、そんな。俺はあんた達を信じたのに……」
「どうやら、お前は純粋な人間のようだ。初対面の俺達をあっさり信じてくれて。正直、騙して申し訳なかったと思うよ。俺は荒事は御免でね。大人しく投降してくれないか、兄弟?」
「ふ、ふざけんな!」
刺青は掴まれていない左手をポケットに入れ、刃渡り五センチほどのナイフを取り出す。左手を勢いよく振り、ナイフの鞘を飛ばし外す。剥き出しになった刀身を、刺青の手を掴んでいる明善の右腕目がけて振り下ろそうとする。
「残念だよ」
まさに一瞬。瞬きする間ほどの時間で、明善は腰に隠していたホルダーから拳銃を抜き、刺青の男に向かって引き金を引く。銃口から飛び出したのは、鉛の弾丸ではない。先端が鋭く尖った筒のようなもの。それは高速で銃口から飛び出し、刺青の腹部に刺さった。
「が、ぐあああああ!」
瞬間、刺青は苦悶の表情を浮かべ、足から崩れ落ちた。声を漏らしながら地面をのたうち回る。
明善が使用したのは、テーザー銃と呼ばれるもの。非殺傷の武器であり、相手の体に電極を打ち込み、電撃を流し無力化する。多くのテーザー銃は電極と銃身がワイヤーで繋がっており、銃身から電撃を流す。だが、明善が使用したのは最新型であり、ワイヤレスで連射が可能。
警察官は細かい規程があるものの、銃の使用が許されている。だが、異世界人に対しては原則禁止だ。理由は一言で言ってしまえば、外交。もし、異世界人を射殺してしまった場合。こちらの世界、日本の価値観では止むを得ない判断だとしても、向こうの世界では許されざる行為ということがある。他の世界との外交問題を避けるため、異世界人に対し日本の警察はテーザー銃を使用する。
彼らこそが福島県警が誇る、福島県警異世界対機動隊だ。彼らは統率された素早い動きで陣形を組み、呆気にとられる金髪と刺青の男達を尻目に、出入り口を塞ぐ人の壁となる。異対機動隊の後ろには、特製の防弾ベストを着込み、シールドを持った制服、私服警官が並ぶ。彼らは捜査二課、地域課、そして、応援に駆けつけた捜査一課の警官だ。東洞もその中におり、彼は今回の検挙に自ら手を挙げて参加した。武力に秀でたアルミトスを相手にするのだ、彼らの顔には緊張の色がありありと浮かんでいた。普段から凶悪犯を相手にしている東洞も、大きな脂汗を流している。
「お、おい。どういうことなんだよ、兄弟」
明善に手を掴まれたままの刺青は、縋るような眼で明善を見つめる。その視線に対し、明善は正面から見つめ返す。
「騙してすまない。俺達は異犯対、警察だ」
「け、けいさつ? この世界の治安維持組織か? なんで……」
惚ける刺青を、金髪は怒鳴りつける。
「まだわからないのか! その二人は客じゃなくて囮だ! 俺達を炙り出すための。俺達を拘束するつもりなんだよ!」
金髪の言葉に明善は頷く。
「その通りだ。俺達はお前達を逮捕しに来た」
「そ、そんな。俺はあんた達を信じたのに……」
「どうやら、お前は純粋な人間のようだ。初対面の俺達をあっさり信じてくれて。正直、騙して申し訳なかったと思うよ。俺は荒事は御免でね。大人しく投降してくれないか、兄弟?」
「ふ、ふざけんな!」
刺青は掴まれていない左手をポケットに入れ、刃渡り五センチほどのナイフを取り出す。左手を勢いよく振り、ナイフの鞘を飛ばし外す。剥き出しになった刀身を、刺青の手を掴んでいる明善の右腕目がけて振り下ろそうとする。
「残念だよ」
まさに一瞬。瞬きする間ほどの時間で、明善は腰に隠していたホルダーから拳銃を抜き、刺青の男に向かって引き金を引く。銃口から飛び出したのは、鉛の弾丸ではない。先端が鋭く尖った筒のようなもの。それは高速で銃口から飛び出し、刺青の腹部に刺さった。
「が、ぐあああああ!」
瞬間、刺青は苦悶の表情を浮かべ、足から崩れ落ちた。声を漏らしながら地面をのたうち回る。
明善が使用したのは、テーザー銃と呼ばれるもの。非殺傷の武器であり、相手の体に電極を打ち込み、電撃を流し無力化する。多くのテーザー銃は電極と銃身がワイヤーで繋がっており、銃身から電撃を流す。だが、明善が使用したのは最新型であり、ワイヤレスで連射が可能。
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