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第一章 女子高生行方不明事件
第三十三話
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異世界人二人が部屋に入り扉を閉めたことを確認し、明善は背中を事務所に向ける様に体を翻す。スマートフォンを取り出し、メールを高速で打つ。
対象と接触。今目を離している。工場の部屋にいる。事務所と思われる部屋。工場奥。
例の学生もいる。休憩室。
明善はなるべく無駄な文を省き、落合に送信。文法もめちゃくちゃでかなり省いた文だが、伝えたいことはわかるはずだ。
リベレーションを買いに来た客を装い、異世界人に接触した明善と愛美の役目は時間稼ぎ。
この工場までの林道は一本道で、しかも距離が結構長い。大勢の警官達が下手に近づけば、簡単にバレる。
だから、まず明善達が異世界人と接触し、気を逸らす。その間に警官隊が林道を音を立てず素早く通り、工場に近づく算段だ。
そして、もう一つ。明善達に課せられた役目がある。それは情報収集。異世界人や保護すべき我妻の居場所を把握し、警官達が突入するタイミングを知らせる。愛美の上着の胸ポケットにはスマートフォンが入っており、通話状態で明善達の会話を伝えていた。
明善がメールを送信してからすぐに落合から返信。
工場に着いた。タイミングを見て突入する。
どうやら、すでにこの工場の包囲は済んでいるらしい。
明善が言うのもなんだが、ウチの署を含めたこの県の警察は優秀だ。
愛美は異世界人の様子を伺いながら、明善に小声で話しかける。
「どう、アキくん? 落合さんからの連絡は」
「配置完了。もうここを囲んでいるよ」
「それはよかった。私達はどうする?」
「入口近くに移動する。異世界人達が逃げられない様にするのと、俺達が捕まって人質にならないように」
「りょーかい」
明善達が入口近くに移動したところで、事務所から金髪と刺青が出てきた。
対象と接触。今目を離している。工場の部屋にいる。事務所と思われる部屋。工場奥。
例の学生もいる。休憩室。
明善はなるべく無駄な文を省き、落合に送信。文法もめちゃくちゃでかなり省いた文だが、伝えたいことはわかるはずだ。
リベレーションを買いに来た客を装い、異世界人に接触した明善と愛美の役目は時間稼ぎ。
この工場までの林道は一本道で、しかも距離が結構長い。大勢の警官達が下手に近づけば、簡単にバレる。
だから、まず明善達が異世界人と接触し、気を逸らす。その間に警官隊が林道を音を立てず素早く通り、工場に近づく算段だ。
そして、もう一つ。明善達に課せられた役目がある。それは情報収集。異世界人や保護すべき我妻の居場所を把握し、警官達が突入するタイミングを知らせる。愛美の上着の胸ポケットにはスマートフォンが入っており、通話状態で明善達の会話を伝えていた。
明善がメールを送信してからすぐに落合から返信。
工場に着いた。タイミングを見て突入する。
どうやら、すでにこの工場の包囲は済んでいるらしい。
明善が言うのもなんだが、ウチの署を含めたこの県の警察は優秀だ。
愛美は異世界人の様子を伺いながら、明善に小声で話しかける。
「どう、アキくん? 落合さんからの連絡は」
「配置完了。もうここを囲んでいるよ」
「それはよかった。私達はどうする?」
「入口近くに移動する。異世界人達が逃げられない様にするのと、俺達が捕まって人質にならないように」
「りょーかい」
明善達が入口近くに移動したところで、事務所から金髪と刺青が出てきた。
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