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17話

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長期休みの前は試験が重なる。
単位取得に関わる時期なのでひたすらこの期間は部屋にこもって勉強課題勉強勉強を繰り返す事になる。

初めて恋人ができてもそれは変わらず、ここ数週間は週に一度くらいしか黒崎とはまともに会えていなかった。
近くに好きな人がいると俺がちょっかいかけたくなってすぐに課題も勉強も放り投げてしまうため、黒崎から接触を禁じられたのだった。

そんなわけで寂しい辛い日々をここ最近は過ごしていたのだが、今日、とうとう最後の試験が終わった。
週末、散らかったままの俺の部屋に黒崎が泊まりに来た。俺は久々に恋人が泊まりにきて、嬉しいのと何となく照れくさいのと期待が渦巻いてちょっとぎこちなかったのに、黒崎はと言うと部屋に入るなり「うわー!部屋荒れてる!」と遠慮なしに騒いで普段は興味を示さない本棚を荒れ放題の今がチャンスと言わんばかりに漁り始めた。
なのでドギマギしてる暇もすぐになくなって、どうにかそれをやめさせた。
あしなあなかははないな
コンビニで買った惣菜を食べて、風呂に入ってベッドに転がってくだらない動画を見ていた。
自分の家と同じようにくつろいでいる黒崎の脇腹を突っつく。くすぐったそうに身を捩ったのを見て、イタズラしたくなって覆い被さってくすぐった。

「うはっあははっ!なんだよ!ふぎゃ!」

「くすぐりめちゃくちゃ効くんですね」

「ふはっ、もーやめろって!」

身長相応に長い手足をバタバタ暴れさせるところが、でっかい犬みたいでかわいい。
寝返りを打って脇腹を隠されてしまい、ガラ空きの首元をわしゃわしゃくすぐる。きゅっとわかりやすく肩が上がった。

スウェットの裾から手を入れて、脇腹をしつこくくすぐる。必死に腹を抱えるようにして隠されるともっといじめたくなってしまって、しばらく子供のようにはしゃいだ。

耳まで真っ赤にした黒崎に体重をかけてのしかかってくすぐる。
ごろごろ布団の上で転がって逃げていた黒崎が仰向けになった。
真っ赤な顔でぜえぜえ息をしている。上下する胸から視線を下に下に送っていって、股間が膨らんでいるのに気がついた。

「………………」

「…………あ、バレた?」

ちょっと照れたようにへらへら笑って黒崎が顔を逸らした。可愛らしい仕草とは逆で、性器はもうすでに誤魔化しが効かないくらいしっかり部屋着を押し上げている。

この人がこんな簡単に勃っちゃうところ、初めてみた。

「やーーなんか…興奮しちゃって………」

久しぶりだったし、とごにょごにょ言っている姿を見て、バチンと何かのスイッチが切り替わる音が自分の中でしっかり聞こえた。

「変態……!」

「うるせー!いいだろ別に、うひゃっ!」

片足を持って開かせて、脚の間に入って内腿をさわさわくすぐるように撫でる。もうどこを触られてもくすぐったいのか、大袈裟にビクッと身体をこわばらせて黒崎が身体を捩った。
持ち上げていた片足をぎゅっと片手で抱いて、逃げられないように固定し、脚の付け根あたりまでつつ、と指を滑らせると、笑い声と喘ぎ声の混ざったような、裏返った高い悲鳴を出した。

なんかちょっと、知らない扉を開いちゃいそうな気がする。

「はぁっ….…アッふあ!」

服の上からカリカリと軽く睾丸を引っ掻く。
大きい声を出した黒崎が慌てて口を塞いだ。表面を優しく爪で引っ掻いてしばらくくすぐっていると、笑い声が混ざった苦しそうな声に変わっていく。

「ひ、くすぐった…あはっ、もういいって!」

「でも全然萎えないじゃん…意外とMなんですか?」

「なわけ……ふひゃっホントもう無理!苦しっはひっ」

直接太腿の付け根の、皮膚の薄いところをくすぐると黒崎の身体がまた跳ねた。

一度手を止めて、覆い被さって真っ赤なままの耳に軽くキスをして、優しく息を吹きかける。甘い刺激に、黒崎が息を呑んだのがわかった。

それから唇に優しく触れるだけのキスをして、油断しきったところでスウェットの裾から手を突っ込んで脇の下を思いっきりくすぐった。

「こちょこちょ…」

「うぎゃっぎゃははは!うはっばかばかばかっ!ひっ!」

バタバタ必死に暴れる黒崎を上から押さえつけて全力でくすぐる。
真っ赤な顔をして涙を浮かべ、大口開けて笑う姿は、子供っぽいようでなんだかすこし艶っぽくて、かなり、こう、ムラッとくる。
なんだかんだまともにこうやって会うのは2週間ぶりくらいだ。俺だって早くこの人を抱きたかった。

脇から胸を集めるように手を寄せて、むぎゅっと揉む。寄せ集めて作ったギリギリ楽しめるサイズのおっぱいをむにむに揉んだ。意外と柔らかい肌と、その下にある肋骨の感触を味わって手を動かした。

「はーっ、はー、今度は何してんの…ひっ、ねえそれもちょっとくすぐったいって!」

「えへ、くすぐりって楽しいですね」

「………つーか、お前も勃ってきてるじゃん」

「……久々だったし、なんかだんだんその気になっちゃって」

気恥ずかしくってつい顔を逸らし、モゴモゴそんな事を言った。
黒崎がへらっと笑って首に腕を回して抱き寄せてくる。首筋に息が当たってくすぐったい。

「あー…こうするとめっちゃ綾瀬の匂いするね」

「…自分だとわかんない、俺匂いあります?」

「綾瀬はあるよ、部屋入った瞬間すごい綾瀬の匂いするもん」

「…それ臭いってことじゃないの?すいませんシーツも最近、洗うのサボってて…」

そーなんだ、ふふ、と黒崎が首筋の近くで笑った。熱い吐息がかかってゾワゾワする。

さっきまでくすぐられて暴れていたからか、少し汗ばんでいて体温も高くて、密着するとじとっと熱っぽくて、そんな事で簡単に欲情してしまって腰がずくんと痺れた。

「…だから余計興奮したのかも」

「興奮って……」

「ねえもう抱いてよ、ずっと我慢してたんだよ」

「わっ…それやば」

黒崎が俺の唇を指先で触れて、柔らかい手つきでそろりと撫でる。
それで簡単に火をつけられて、そのまま勢いよく覆い被さってキスをした。
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