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私の名前
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「ジャスミン、ジャスミンってば」
うぅん、誰??黄金の髪に、ルビーのように赤い瞳。
そこには、坊ちゃまがいた。
頭が痛い。
ずきずきする。
頭を押さえながらうなってると坊ちゃまに頭を撫でられる。
「ジャスミン、目が腫れまくってるよ」
ひんやりとした坊ちゃまの掌が目を覆う。
何も見えないのと同時に、どこか安心する。
「ジャスミン、今日は私たちと寝ましょう」
この声は。
「母上、父上!!」
この香水の匂い。
目を開くと
奥様だ!!
「こうやってると、娘ができたみたいだな」
旦那様の大きな手が私のお腹をぽんぽんしてくれる。
「父上、苦しい」
「ベンは冷たいな。ジャスミン、『パパ』って呼ぶ気はないか??」
旦那様と坊ちゃまの話声。
「さぁ、早く寝ましょう。ジャスミン、酔っぱらいのことはきにしなくていいわよ」
そんなぁと旦那様の声を聞きながら、坊ちゃまのぬくもりに包まれる。
「おやすみ、ジャスミン」
坊ちゃまの声と同時に少しづつ重くなっていく瞼。
森のいい匂い。
「ジャスミン!!」
私が坊ちゃまから逃げて1週間がたった。
あれから、常に坊ちゃまのそばにいる。
今は坊ちゃまの体力づくりのために鬼ごっこ。
なんだけど。
「坊ちゃまがここまで体力ないとはねぇ」
メイド長であるおばあちゃんと私と坊ちゃまの3人。
坊ちゃまを鬼にして私とおばあちゃんは逃げる人。
だけど、坊ちゃまは私たちを捕まえれてない。
地面に膝ついてる坊ちゃまをつつく。
すごい汗の量。
「あ~、疲れた!!」
地面に横なる坊ちゃまの隣に並んで横になる。
坊ちゃまの顔はいつもより明るい。
「ジャスミン」
「はい」
意味もなく名前を呼ばれる。
頭を撫でてくれる手はとてもやさしくて。
「そういえば、ジャスミンの名前は誰が考えたんだ」
坊ちゃまの声で私は昔のことを思い出す。
「お母さんです。お母さんは花が好きだったみたいで。でも、私は文字が読めないから。どんな意味なのかわからないんです」
笑って言えば、坊ちゃまは何かを考えているようだった。
「そっか」
坊ちゃまは突然立ち上がった。
「あ、ずるいです、坊ちゃま!!」
慌てて立ち上がり逃げる。
少し休んだおかげか足が速い気がする。
それから、鬼ごっこを通して坊ちゃまは強くなっていった。
午前中は、鬼ごっこ。
午後は、何か調べ物をしてる。
私は坊ちゃまの専属メイドなので、覚えることがたくさん。
そんななか、坊ちゃまは熱を出した。
「ジャスミン、寝なさい」
「いやだ」
「旦那様も何してるのですか」
「ジャスミンと同じく」
メイド長であるお祖母ちゃんに怒られる私と奥様に怒られる旦那様。
ただ、坊ちゃまのそばにいたいだけなのに。
「ジャスミン、僕は大丈夫だから」
大丈夫じゃないくせに。
「いやです」
私はそのまま坊ちゃまの布団に入る。
「ジャスミン」
「ずっと坊ちゃまと一緒です。一緒がいいです」
涙が止まらない。
「ジャスミン、どうして」
「坊ちゃままで消えていかないで」
熱のある手で坊ちゃまは撫でてくれる。
「ジャスミン。花言葉は❝愛らしさ❞お母さんが決めてくれた名前。ジャスミンにぴったりだ」
そういうと坊ちゃまは壊れたように眠りについた。
「いやぁ!!!」
あの時もこんなにあっというまだった。
うぅん、誰??黄金の髪に、ルビーのように赤い瞳。
そこには、坊ちゃまがいた。
頭が痛い。
ずきずきする。
頭を押さえながらうなってると坊ちゃまに頭を撫でられる。
「ジャスミン、目が腫れまくってるよ」
ひんやりとした坊ちゃまの掌が目を覆う。
何も見えないのと同時に、どこか安心する。
「ジャスミン、今日は私たちと寝ましょう」
この声は。
「母上、父上!!」
この香水の匂い。
目を開くと
奥様だ!!
「こうやってると、娘ができたみたいだな」
旦那様の大きな手が私のお腹をぽんぽんしてくれる。
「父上、苦しい」
「ベンは冷たいな。ジャスミン、『パパ』って呼ぶ気はないか??」
旦那様と坊ちゃまの話声。
「さぁ、早く寝ましょう。ジャスミン、酔っぱらいのことはきにしなくていいわよ」
そんなぁと旦那様の声を聞きながら、坊ちゃまのぬくもりに包まれる。
「おやすみ、ジャスミン」
坊ちゃまの声と同時に少しづつ重くなっていく瞼。
森のいい匂い。
「ジャスミン!!」
私が坊ちゃまから逃げて1週間がたった。
あれから、常に坊ちゃまのそばにいる。
今は坊ちゃまの体力づくりのために鬼ごっこ。
なんだけど。
「坊ちゃまがここまで体力ないとはねぇ」
メイド長であるおばあちゃんと私と坊ちゃまの3人。
坊ちゃまを鬼にして私とおばあちゃんは逃げる人。
だけど、坊ちゃまは私たちを捕まえれてない。
地面に膝ついてる坊ちゃまをつつく。
すごい汗の量。
「あ~、疲れた!!」
地面に横なる坊ちゃまの隣に並んで横になる。
坊ちゃまの顔はいつもより明るい。
「ジャスミン」
「はい」
意味もなく名前を呼ばれる。
頭を撫でてくれる手はとてもやさしくて。
「そういえば、ジャスミンの名前は誰が考えたんだ」
坊ちゃまの声で私は昔のことを思い出す。
「お母さんです。お母さんは花が好きだったみたいで。でも、私は文字が読めないから。どんな意味なのかわからないんです」
笑って言えば、坊ちゃまは何かを考えているようだった。
「そっか」
坊ちゃまは突然立ち上がった。
「あ、ずるいです、坊ちゃま!!」
慌てて立ち上がり逃げる。
少し休んだおかげか足が速い気がする。
それから、鬼ごっこを通して坊ちゃまは強くなっていった。
午前中は、鬼ごっこ。
午後は、何か調べ物をしてる。
私は坊ちゃまの専属メイドなので、覚えることがたくさん。
そんななか、坊ちゃまは熱を出した。
「ジャスミン、寝なさい」
「いやだ」
「旦那様も何してるのですか」
「ジャスミンと同じく」
メイド長であるお祖母ちゃんに怒られる私と奥様に怒られる旦那様。
ただ、坊ちゃまのそばにいたいだけなのに。
「ジャスミン、僕は大丈夫だから」
大丈夫じゃないくせに。
「いやです」
私はそのまま坊ちゃまの布団に入る。
「ジャスミン」
「ずっと坊ちゃまと一緒です。一緒がいいです」
涙が止まらない。
「ジャスミン、どうして」
「坊ちゃままで消えていかないで」
熱のある手で坊ちゃまは撫でてくれる。
「ジャスミン。花言葉は❝愛らしさ❞お母さんが決めてくれた名前。ジャスミンにぴったりだ」
そういうと坊ちゃまは壊れたように眠りについた。
「いやぁ!!!」
あの時もこんなにあっというまだった。
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