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名前を呼ぶよ ベンside
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初めて、母上と父上と三人で寝た。
恥ずかしかったけれど両親は僕にたくさん微笑みかけてくれた。
抱きしめられながら思い浮かべるのは、ジャスミンの笑顔。
ジャスミンは、今頃寝てるのかな。
朝起きて医師のフレヤの所に行くと誰もいなかった。
布団はまだ暖かった。
もしかしてと思い、中庭に行くとジャスミンの声が聞こえた。
ジャスミンは歌っていた。
「かわいいかわいい癒しの花」
明るく楽しそうに。
「明るくきれいな私の花」
花冠を作りながら笑顔で歌っている。
「優しく愛しい、」
唄が途切れジャスミンは何も言わず止まった。
うつむき少し悲しそうに笑ってる。
「もう、名前を呼んでくれないんだよね」
ジャスミンの目が潤んでるのは気のせいか?
「ジャ」
呼びかけようとするけれど言葉にならない。
代わりにばれないように離れに入る。
いつもの寝室のソファに横になり本を読む。
そうすればいつもの明るい足音が聞こえた。
「坊ちゃま!!」
ノックもせずに部屋に入ってくるジャスミン。
頭の上には花冠をのせ、手にはたくさんの花束を持って。
いつもの明るい笑顔。
何もかわらない声。
名前を呼んでくれないってどういうこと。
聞きたい。
でも、聞けない。
かわりに僕はジャスミンに笑うことにした。
「坊ちゃま、何か嫌なことでもありました??」
首をこてんと傾げながら聞く姿は可愛い。
じゃなくて。
「そんなに僕の笑顔、酷い??」
ため息交じりに言うとジャスミンは残酷なほどに天使の笑顔で頷いた。
「坊ちゃまは無理に笑わないほうがいいです。だって、私にだけ笑っていてくれればいいんですから!!」
(私にだけ、か)
「はい、あーん!!」
「あーん」
思わず口を広げていちごを食べる。
甘いな。
「……っ!?」
照れてる僕とは違っておいしそうにいちごを食べているジャスミン。
ジャスミンには勝てそうにないなぁ。
「坊ちゃま、今日のサンドイッチはベーコンが入ってるんですよ!!」
目をきらきらさせながらジャスミンは笑う。
「ジャスミン、この後母上と出かけるけどもちろん、来るよね?」
サンドイッチを頬張りながらジャスミンは、キョトンとしていた。
昨日、母上が新しい服を買いに行こうと言ってくれた。
「ふぁ~い!!」
右手をまっすぐ伸ばしながらジャスミンは返事をした。
「食べ終わってから返事をするように」
軽く口元を拭う。
ジャスミンは、くすぐったいのか僕から逃げた。
「あ、こら!!」
ジャスミンは小さいから机の下や椅子の下に入り込んだり。
「待て!!ジャスミン!!」
ジャスミンは笑いながら逃げて中庭に出た。
慌ててついていくとメイド長にぶつかりそうになった。
確か、名前は。
「マーサ」
ジャスミンの髪がぼさぼさになって、僕も服はくたくた。
そんな僕たちを見て、マーサは笑った。
マーサの腕の中でジャスミンは笑っている。
「坊ちゃま、ジャスミン。奥様がお待ちですよ。ジャスミンは髪の毛を整えましょうね。坊ちゃまは、こちらにいらしてください。着替えてもらいますからね」
後ろから知らないメイドたちが入ってくる。
「い、いい。1人でできる」
思わず後ずさる。
「かっこいい坊ちゃまをみたいよね、ジャスミン」
マーサの笑顔が怖い。
ジャスミンは首をかしげながらとびきりの笑顔で頷いた。
「うん!!かっこいい坊ちゃまを見たいです!!」
その笑顔に弱いんだよ!!!
「きゃー!!坊ちゃま、かっこいいです!!」
ジャスミンははしゃいでいるけれど僕はぐったりだ。
「ふふ。似合ってるわよ、ベン」
母上はジャスミンの手を握りながら笑う。
ジャスミンのキラキラした目を見ると案外、メイドたちはしっかりしてるのかもしれない。
「王子様みたいです、お坊ちゃま!!」
前にもこんなことがあった気がする。
「僕はジャスミンだけの王子様だから」
そう、たった一人の。
大切な、僕のジャスミン。
「それじゃぁ、王子様には小さなお姫様をエスコートしてもらわなければな」
顔をあげると、父上がいた。
「大きくなったな、ベン!!」
父上に抱え上げられ、くるくると回された。
「坊ちゃま、ずるい!!旦那様、私にもしてくだい!!」
ジャスミン、これはやめといたほうがいい!!!
「おっ!!ジャスミンにもしよう!!」
「あなた、ジャスミンにはだめよ」
母上の無言の圧力に父上の顔が引きつる。
その間にジャスミンの手を引いて先に別館から離れる。
マーサが前を歩いてジャスミンは僕の手を引っ張って。
「ベン!!ジャスミン!!」
後ろから父上の明るい声がして振り返れば、母上と腕を組みながら歩いてきて。
「坊ちゃま、旦那様!!先に馬車までついたほうが勝ちです!!」
ジャスミンは言い終わらないうちに僕から手を放して走り出した。
「ジャスミン!?」
マーサの驚きの声を聞きながら僕も走り出していた。
「さぁ、たくさん買うわよ!!」
母上の楽しそうな声を聞きながら隣で寝ているジャスミンを起こす。
「ベン。ジャスミンとはぐれないようにするんだよ」
父上に言われてジャスミンの手を強く握る。
キラキラと輝く瞳は星をちりばめたようで。
「坊ちゃま!!串にお肉が刺さってます!!」
小さなことや見たものを報告する姿は、とてもかわいらしい。
「あ」
ジャスミンはりんご飴の屋台の前で立ち止まった。
まっすぐな瞳にはりんご飴しか映ってない。
ジャスミンの手が僕の手を強く握るのを感じた。
ジャスミン?
「ジャスミン。ジャスミン!!!」
肩をゆするけれどジャスミンは反応しなくて。
さっきまであんなに目は光ってたのに。
汗が止まらない。
ジャスミンの目に僕は映らなくて。
どんなに呼びかけてみても。
笑ってくれなくて。
「りんご飴は、優しい味」
ジャスミンは微笑みながら、悲しそうに。
アイの目で僕を見ていた。
「もう二度と、知りたくない」
ジャスミンは僕から逃げるように。
走り去っていく。
「ベン!!」
父上の声も無視して、母上の手を振りほどいて。
ジャスミンを追いかけていた。
走ったことなんてないのに。
すぐに息が切れて。
ジャスミンがどんどん遠くなっていく。
「ジャスミン!!」
待って。待って。
それから、護衛騎士も含めてジャスミンの捜索が開始された。
「ジャスミン!!ジャスミン!!」
足が痛いけれど僕は休まず、探し続ける。
声がかれるまで、名前を呼ぼう。
足が動かなくなっても、君を探そう。
目が見えなくなっても、声を探そう。
くらくらする。
頭が痛い。
小さな公園にでた。
真ん中に大きな木がある。
「ジャスミン、どこにいるんだよ」
大きな木の前で横になる。
汗が止まらない。
ほとんど部屋にこもってるから体力なんてあるはずなくて。
「ジャスミン」
「はい」
名前を呼べば返事がした。
目を開くと木の上にジャスミンが座っている。
「ジャスミン!?」
慌てて起き上がるとジャスミンは困ったように笑う。
「危ないから、降りてきなよ」
おちるんじゃないかと思いながら言えばジャスミンは首を横に振る。
「降りれないんです。いつも、パパが下ろしてくれたから」
初めて聞くジャスミンの家族の話。
「ここからの景色は誰にも奪えないんです」
夕焼けに手を伸ばすジャスミン。
なんだか、嫌な予感がしてくる。
ジャスミンは何も言わずに木の上から飛び降りた。
このままじゃ、ジャスミンが怪我をする!!!
とっさに僕は。
「坊ちゃま!?」
ジャスミンを抱きしめていた。
「このバカ!!!死ぬ気か!!」
力強く抱きしめながら僕は怒鳴っていた。
体が浮いている以外、いつもとかわらない状況。
それでも、僕の体は震えていた。
怖かった。
ジャスミンがいなくなるかもしれないと。
「名前を呼ぶから」
気づいたら涙が溢れていた。
「何度だって呼ぶから。返事をして。勝手にいなくなるなんて許さないから。僕が名前を呼ぶよ」
胸がじんわりと暖かくなる。
ジャスミンの小さな体が震えていて。
僕たちを探しに来てくれた護衛騎士と一緒に屋敷へとジャスミンを抱えたまま帰った。
恥ずかしかったけれど両親は僕にたくさん微笑みかけてくれた。
抱きしめられながら思い浮かべるのは、ジャスミンの笑顔。
ジャスミンは、今頃寝てるのかな。
朝起きて医師のフレヤの所に行くと誰もいなかった。
布団はまだ暖かった。
もしかしてと思い、中庭に行くとジャスミンの声が聞こえた。
ジャスミンは歌っていた。
「かわいいかわいい癒しの花」
明るく楽しそうに。
「明るくきれいな私の花」
花冠を作りながら笑顔で歌っている。
「優しく愛しい、」
唄が途切れジャスミンは何も言わず止まった。
うつむき少し悲しそうに笑ってる。
「もう、名前を呼んでくれないんだよね」
ジャスミンの目が潤んでるのは気のせいか?
「ジャ」
呼びかけようとするけれど言葉にならない。
代わりにばれないように離れに入る。
いつもの寝室のソファに横になり本を読む。
そうすればいつもの明るい足音が聞こえた。
「坊ちゃま!!」
ノックもせずに部屋に入ってくるジャスミン。
頭の上には花冠をのせ、手にはたくさんの花束を持って。
いつもの明るい笑顔。
何もかわらない声。
名前を呼んでくれないってどういうこと。
聞きたい。
でも、聞けない。
かわりに僕はジャスミンに笑うことにした。
「坊ちゃま、何か嫌なことでもありました??」
首をこてんと傾げながら聞く姿は可愛い。
じゃなくて。
「そんなに僕の笑顔、酷い??」
ため息交じりに言うとジャスミンは残酷なほどに天使の笑顔で頷いた。
「坊ちゃまは無理に笑わないほうがいいです。だって、私にだけ笑っていてくれればいいんですから!!」
(私にだけ、か)
「はい、あーん!!」
「あーん」
思わず口を広げていちごを食べる。
甘いな。
「……っ!?」
照れてる僕とは違っておいしそうにいちごを食べているジャスミン。
ジャスミンには勝てそうにないなぁ。
「坊ちゃま、今日のサンドイッチはベーコンが入ってるんですよ!!」
目をきらきらさせながらジャスミンは笑う。
「ジャスミン、この後母上と出かけるけどもちろん、来るよね?」
サンドイッチを頬張りながらジャスミンは、キョトンとしていた。
昨日、母上が新しい服を買いに行こうと言ってくれた。
「ふぁ~い!!」
右手をまっすぐ伸ばしながらジャスミンは返事をした。
「食べ終わってから返事をするように」
軽く口元を拭う。
ジャスミンは、くすぐったいのか僕から逃げた。
「あ、こら!!」
ジャスミンは小さいから机の下や椅子の下に入り込んだり。
「待て!!ジャスミン!!」
ジャスミンは笑いながら逃げて中庭に出た。
慌ててついていくとメイド長にぶつかりそうになった。
確か、名前は。
「マーサ」
ジャスミンの髪がぼさぼさになって、僕も服はくたくた。
そんな僕たちを見て、マーサは笑った。
マーサの腕の中でジャスミンは笑っている。
「坊ちゃま、ジャスミン。奥様がお待ちですよ。ジャスミンは髪の毛を整えましょうね。坊ちゃまは、こちらにいらしてください。着替えてもらいますからね」
後ろから知らないメイドたちが入ってくる。
「い、いい。1人でできる」
思わず後ずさる。
「かっこいい坊ちゃまをみたいよね、ジャスミン」
マーサの笑顔が怖い。
ジャスミンは首をかしげながらとびきりの笑顔で頷いた。
「うん!!かっこいい坊ちゃまを見たいです!!」
その笑顔に弱いんだよ!!!
「きゃー!!坊ちゃま、かっこいいです!!」
ジャスミンははしゃいでいるけれど僕はぐったりだ。
「ふふ。似合ってるわよ、ベン」
母上はジャスミンの手を握りながら笑う。
ジャスミンのキラキラした目を見ると案外、メイドたちはしっかりしてるのかもしれない。
「王子様みたいです、お坊ちゃま!!」
前にもこんなことがあった気がする。
「僕はジャスミンだけの王子様だから」
そう、たった一人の。
大切な、僕のジャスミン。
「それじゃぁ、王子様には小さなお姫様をエスコートしてもらわなければな」
顔をあげると、父上がいた。
「大きくなったな、ベン!!」
父上に抱え上げられ、くるくると回された。
「坊ちゃま、ずるい!!旦那様、私にもしてくだい!!」
ジャスミン、これはやめといたほうがいい!!!
「おっ!!ジャスミンにもしよう!!」
「あなた、ジャスミンにはだめよ」
母上の無言の圧力に父上の顔が引きつる。
その間にジャスミンの手を引いて先に別館から離れる。
マーサが前を歩いてジャスミンは僕の手を引っ張って。
「ベン!!ジャスミン!!」
後ろから父上の明るい声がして振り返れば、母上と腕を組みながら歩いてきて。
「坊ちゃま、旦那様!!先に馬車までついたほうが勝ちです!!」
ジャスミンは言い終わらないうちに僕から手を放して走り出した。
「ジャスミン!?」
マーサの驚きの声を聞きながら僕も走り出していた。
「さぁ、たくさん買うわよ!!」
母上の楽しそうな声を聞きながら隣で寝ているジャスミンを起こす。
「ベン。ジャスミンとはぐれないようにするんだよ」
父上に言われてジャスミンの手を強く握る。
キラキラと輝く瞳は星をちりばめたようで。
「坊ちゃま!!串にお肉が刺さってます!!」
小さなことや見たものを報告する姿は、とてもかわいらしい。
「あ」
ジャスミンはりんご飴の屋台の前で立ち止まった。
まっすぐな瞳にはりんご飴しか映ってない。
ジャスミンの手が僕の手を強く握るのを感じた。
ジャスミン?
「ジャスミン。ジャスミン!!!」
肩をゆするけれどジャスミンは反応しなくて。
さっきまであんなに目は光ってたのに。
汗が止まらない。
ジャスミンの目に僕は映らなくて。
どんなに呼びかけてみても。
笑ってくれなくて。
「りんご飴は、優しい味」
ジャスミンは微笑みながら、悲しそうに。
アイの目で僕を見ていた。
「もう二度と、知りたくない」
ジャスミンは僕から逃げるように。
走り去っていく。
「ベン!!」
父上の声も無視して、母上の手を振りほどいて。
ジャスミンを追いかけていた。
走ったことなんてないのに。
すぐに息が切れて。
ジャスミンがどんどん遠くなっていく。
「ジャスミン!!」
待って。待って。
それから、護衛騎士も含めてジャスミンの捜索が開始された。
「ジャスミン!!ジャスミン!!」
足が痛いけれど僕は休まず、探し続ける。
声がかれるまで、名前を呼ぼう。
足が動かなくなっても、君を探そう。
目が見えなくなっても、声を探そう。
くらくらする。
頭が痛い。
小さな公園にでた。
真ん中に大きな木がある。
「ジャスミン、どこにいるんだよ」
大きな木の前で横になる。
汗が止まらない。
ほとんど部屋にこもってるから体力なんてあるはずなくて。
「ジャスミン」
「はい」
名前を呼べば返事がした。
目を開くと木の上にジャスミンが座っている。
「ジャスミン!?」
慌てて起き上がるとジャスミンは困ったように笑う。
「危ないから、降りてきなよ」
おちるんじゃないかと思いながら言えばジャスミンは首を横に振る。
「降りれないんです。いつも、パパが下ろしてくれたから」
初めて聞くジャスミンの家族の話。
「ここからの景色は誰にも奪えないんです」
夕焼けに手を伸ばすジャスミン。
なんだか、嫌な予感がしてくる。
ジャスミンは何も言わずに木の上から飛び降りた。
このままじゃ、ジャスミンが怪我をする!!!
とっさに僕は。
「坊ちゃま!?」
ジャスミンを抱きしめていた。
「このバカ!!!死ぬ気か!!」
力強く抱きしめながら僕は怒鳴っていた。
体が浮いている以外、いつもとかわらない状況。
それでも、僕の体は震えていた。
怖かった。
ジャスミンがいなくなるかもしれないと。
「名前を呼ぶから」
気づいたら涙が溢れていた。
「何度だって呼ぶから。返事をして。勝手にいなくなるなんて許さないから。僕が名前を呼ぶよ」
胸がじんわりと暖かくなる。
ジャスミンの小さな体が震えていて。
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