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三章【転校生襲来】

お前ら取り敢えず謝罪させろ下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。マギィに寝るなと言っていたのに私は意識を無くすと言う実態を犯しました。本当…どの口が寝るなと言っていたのでしょうか…


「アリア!!マギィ!!」


「目を開けろ!!気をしっかり持つんだ!」


聞き慣れた声が私達の名前を呼びながら、体を揺さぶっています。誰でしょうか…眠いのに…


「…だ…れ」


「…!アリア!無事かい!?」


「ミア…」


倒れている私とマギィに声を掛けていたのは、ルシアと助けに来てくれたであろうミアで、倉庫の扉は開け放たれて、外は真っ暗になっていました。


「良かった…!寮長やアリアのルームメイトから、君が帰って来ていないって言われて…許可を貰って外に出たら、マギィとルシアの姿まで見えないって…本当に良かった…」


「ミアはアリアを運んでくれ。俺はマーガレットを運ぶ」


「了解。アリア、保健室を開けてもらって、先生にも来てもらってる。運ぶから首に手を回して」


ミアは屈み込むと、私の膝裏と背中に手を回して抱き上げました。え?姫抱っこ?嫌なんですが…?


「あの…歩けます…」


「駄目。あんな寒い場所に何時間も居たんだ。大事を取るよ。3人が居なくなった事、かなり広まってたよ。カイン先輩って言うか、生徒会の人達も寮長達も皆探してた。僕が3人を見つけたから、帰ったけどね」


「御迷惑をお掛けしました…」


倉庫から保健室までの距離は意外と近くて、すぐに明かりの着いた保健室が見えて来ました。


「先生」


「待ってたよ。ベッドに」


「はい」


ミアとルシアが私達をベッドに下ろし、ルシアも近くのソファに腰掛けて、先生の診察を待つ状態になりました。私達の近くには湯気が立っている温かそうなスープが置かれています。


「触るよ…うん、冷たいね…何時間居たの?」


「彼方に行ったのが、3時過ぎくらいでしたので…」


「4時間は確実に居た訳だね…いや、下手したら5時間か…見つけるのにも時間が掛かったからね。まずは君達が無事で良かった。目立った怪我とかは無いみたいで安心だ」


先生に目で合図されて、私とルシアはスープを口に含みました。あ…温かいスープが冷えた体に染みます…マギィはまだ眠ったままですね…私が寝てしまった後、すぐに寝てしまったのでしょうか…


「明日、生徒会のメンバーや寮長が君達に事情を聞きに来ると思う。教員の代表として私も聞くけど…取り敢えず今日は此処に3人居残りだからね。私はさっきまで仮眠を取ってたし、一晩中看病してあげる」


「お願いします。僕は皆に3人の無事を伝えておきます」


「うん、よろしく。じゃあルシアもそこ寝て」


横になった私達に毛布や布団が掛けられ、先生が湯たんぽを差し出しました。


「じゃあしっかり休むんだよ。おやすみ」


「お風呂に入りたいなら言って。体が温まったら連れて行ってあげる」


やっぱり何か過保護化してますね…無理もないですけど…


〈〈〈お前ら取り敢えず謝罪させろ下さい〉〉〉
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