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二章【波乱のウィンターホリデー】

お前ら取り囲むな下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。今現在私は元気にお父様とダンスを踊っております。エスコートが完璧過ぎて少々腹立ってきてますけど、其処はまあ…ご愛嬌という事で…


「アリア、いつの間にかダンスが上達しているね。少し前まで僕の足を踏んでいたのに」


「いつの話をしているんですか…もう16です。ダンスくらい踊れるようになりますよ」


この人の中で私は何歳なんですかね…偶に私を小さい子の様に扱ってきます。テオにして下さい。そう言うのは…


「うん、やっぱりアリアはソフィア似だね。流石僕らの愛の結晶だ」


「ありがとうございます。こんな時まで惚気ないで結構ですよ」


「冗談だよ。アリアにはアリアの魅力がある。だからこそ、悪い虫の退治は必須だね」


悪い虫…私に許嫁の話来なかったの、原因この人にもありそうですね。別にそれは気にしていないのですが。楽ですし。


「お父様は過保護ですね」


「可愛い娘を持つとこうなるんだよ」


らしいです。まあ、理想的な親ですよね。愛妻家で子供思いの良い父親です。過保護ですけどね。鬼の様に過保護ですけれど…

そんなこんなを喋りながら器用に私とお父様はダンスを踊っているのですけど、結構意外なペアがいらっしゃいますね。カミュ先輩とユティカ先輩。シュテル先輩とライト先輩。副会長とルカ、アメリアと…あれはユウリ先輩でしょうか…会長は…あ、ルイーザさんと踊ってます。囲まれてた同士ですね。


「今年はアリアの友人が多くて嬉しいよ。エトワリアに入学して正解だね」


「はい。同級生も先輩方も皆さん素敵な方ですよ。部活も授業も楽しいですし」


「僕はもう1つの学園だったからね。不安ではあったけど、それなら良かったよ。また詳しく教えておくれ」


お父様はエトワリアが交流会をする姉妹校出身です。東の地域出身なので、それは普通ですけど、何かこの人首席で卒業したらしく…流石にそれは行きたくない…と思ってエトワリアを受験したんですけど。後はマギィに駄々を捏ねられたからです。


「そうだ、ずっと聞きたかったんですけど、私のホリデーが終わったらテオはどうするんですか?」


「嗚呼、テオは僕達と一緒に来てもらおうと思ってるよ。最初は人見知りで僕達にも心を開いてくれなかったから、悩んだんだけどね。本人にも相談して、今は返事待ちだよ」


「そうですか。なら良かったです」


テオを1人残して行くのは流石にアレですからね。不安の種が1つ減りました。良かった良かった…


「ん、終わったね。ありがとうアリア。夢が叶ったよ」


「此方こそ。とても踊りやすかったです」


話していたらいつの間にやらダンスが終わり、お父様は恐らくお母様の方へと歩いて行きました。却説、私はどうしましょうかね…


「アリア!私ちゃんと踊れたよ!凄くない!?吃驚した!」


「自分で吃驚してどうするのマギィ」


1人になった瞬間、興奮した様子のマギィと苦笑を浮かべたミアが近くに来ました。安心感凄いですね。


「あ!アリィはお父さんと踊ってたねぇ。素敵だったよぉ!」


「親族で踊るのも良いものだよね。私も久し振りに兄さんと踊ったよ」


「お2人も素敵でしたよ。お疲れ様です」


少し遅れてルームメイト2人も私達の元へやって来ました。何か囲まれてますね。何故でしょうか。


「次のパートナーも探さないとね…アメリア、どう?」


「私??いいよぉ!エスコートよろしくねぇ、ル~」


「勿論」


…ハブられたのですが…事の他悲しいですけどこれ…


「ア、アリア、次踊ろう?ね?」


「あ~アリィ泣かないでぇぇ!」


「…泣いてません」


別に拗ねてませんよ。仲睦まじいなって思っただけです。拗ねてません。


「おやおや、誰かレディを泣かせてしまったのかな」


「あ!カイン先輩!お疲れ様です!」


「ありがとうマーガレット」


…会長まで来たら収拾つかないんですけど!!


〈〈〈お前ら取り囲むな下さい!!!〉〉〉
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