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二章【波乱のウィンターホリデー】

お前らこっちの話も聞け下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。今は食卓で朝ご飯を頂いています。ザ和食なので、懐かしい気持ちと新鮮な気持ちがゆらゆらしてます。今日はわざわざお祖母様が作ってくださった様で…とても美味しいですね。


「お祖母様、とても美味しいです」


「なら良かったです。私も作った甲斐があるわね」


「ミヨの料理はやはり格別だな。いつも楽しみにしている」


お祖父様の言葉にお祖母様が照れ臭そうにニコニコ笑っていました。


「ヴィンセント達は今日はどうするの?」


「そうだね…アリア、テオ、行きたい場所はあるかい?」


「特にありません」


「…僕も…」


此方に来た目的と言う目的は、お茶等の商談とお父様の帰省ですからね。行きたい場所…と言われてもあまり思い浮かびません。


「では、少し先の神社に行ってみてはどうだ。丁度夜から祭りを催す様だからな」


「そうですね。冬の祭はあまり開催されないからね…良い機会だしどうだい。アリア、テオ。勿論ソフィアも」


お祭りですか…確か、屋台も出る様子でしたよね…何年か前にお父様とお祖父様に連れて行って貰った記憶があります。


「そうね。良い機会だわ。私も行きたい」


「…行きたい…」


「私も是非」


お父様は満足気に頷くと、私とテオの頭を撫でました。


「なら決まりだね。父さんと母さんはどうしますか?」


「私達は縁側で花火を眺めるわ。お土産をよろしくお願いします。ヴィンセント」


「分かりました。そうだ、貰った着物があっただろう。母さん、アリアとソフィアの着付けを頼めますか?折角だし、皆で着て行こう。テオの着付けは僕がやってあげよう」


着物を着てお祭りに行くのは、初めてですね。お祭りと言うと浴衣のイメージが強いですが、今は冬ですから。雪も降りそうな天気ですし…流石に浴衣では寒いでしょう…


「アリア、折角だから髪を上げて見ましょう!お母様がやってあげるわね!」


「テオも結ぶかい?肩まであるから出来ると思うよ」


「…任せ…ます」


これはもう諦めて両親の好きにさせてあげますかね…お母様の目がキラキラしてますし。反抗するだけ無駄です。無駄。


「嬉しいわぁ…アリアの髪を結んであげるの、何年振りかしら!」


「あまり結ばなくなってしまったからね」


…結ぶのは5年振り位でしょうか…ずっとベッドから出れてませんでしたし…結んでもあまり意味が無かったので、結ばなくなりましたね。


「じゃあ行きましょう。ソフィアさん、アリアちゃん」


「はい。行きましょうお母様」


「ええ!ヴィンセント、テオ。後でね」


まさか連続で着物を着ることになるとは思いませんでした。まあ…お母様やお父様…お祖母様もお祖父様も嬉しそう…ですから、思考を放棄した方がいいですね。


「アリアちゃん、髪を上げるなら髪飾りはいるかしら」


「そうですね!でも、折角ならアリアが好きなのを買ってあげたくて…」


「だったら、お祭りの屋台でかんざし屋さんを探してみるといいわ。私も昔、アズマさんに買って頂いたんです」


惚気話をする時、お祖母様は本当に幸せそうですね。私も嬉しいです。でも…私髪飾り買うなら自分で買いますし…なんなら別に要らないって思ってるんですけど…あれ…この意見…通りますかね??


〈〈〈お前らこっちの話も聞け下さい!〉〉〉
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