私の平穏ライフをお返しやがれください！！

二章【波乱のウィンターホリデー】

お前ら説明しやがれ下さい

皆様こんばんは…アリア・ローゼリッタです…はい。見事に逆上せました…目の前がぐるぐるしてます…


「お嬢様、大丈夫ですか？」


「…はい。御迷惑をお掛けして…申し訳ありません…」


「何を仰いますか！お気になさらないで下さい！！あ、お水飲みますか？」


逆上せて座り込んでしまった私を、通り掛かったナノカさんともう1人のメイドさんが介抱してくれまして…今は部屋のベッドで横になりつつ、お水を飲んだり、首や脇を冷やしています。加減した心算つもりだったのですが、矢張りダメでしたか…お母様とお祖母様にも申し訳無いですね…


「…失礼します…お姉ちゃん、大丈夫…？」


「テオ？お帰りなさい。此処は貴方の部屋でもあるんですから、ノックなんてしなくて大丈夫なんですよ」


「でも、お父さんとお母さんが、女の子のお部屋に入る時はノックしなさいって…」


成程、きちんと実践している訳なのですね。偉い偉い。お父様とお母様も鼻が高いでしょう。


「ふふ、偉いですね。私は大丈夫ですよ。心配してくれてありがとうございます」


「…お父さん達も心配してた」


「そうですね…でもきっともうお酒を呑んでいる頃でしょう。テオも疲れているでしょうから寝ても大丈夫ですよ」


あら、テオが私の手を握って離しませんね…どうしたのでしょうか…


「お姉ちゃんが元気になるまで…寝ない…」


「…！優しいですね、テオは」


テオの髪はサラサラしているので、頭を撫でていると癒されます。キュッと目を瞑るのもまた可愛らしいです。


「お姉ちゃん、寂しく無いの？」


「…？寂しくないですよ。どうしてですか？」


「マーガレットさんが、お姉ちゃんは倒れるとずっと1人になっちゃうって言ってたから…」


成程、まあ1人部屋ですし、両親も忙しいですからね。基本は1人でいる事が多いのですが…だから私と居てくれるんですかね。この子は


「ありがとうございます。テオ。でも、寂しくないですよ。今は貴方も、お父様もお母様も…マギィ達も一緒に居てくれます。私は今、とても楽しいですよ。だから、そんな悲しそうな顔しないで下さい」


「僕、お姉ちゃんが笑ってくれると…嬉しい」


「それは私もですよ。テオ、此方へ」


ベッドを手でポンポンと叩くと、テオは素直に乗ってくれました。うん良い子です


「私は今幸せですよ。だから大丈夫、安心して眠って下さい」


「…ん…」


やっぱり眠かったんですね…子供体温が温かいです。テオは少し低体温の様ですが、私にはこれくらいが丁度いいですね。矢張り無理して起きていた様で、すぐに眠ってしまいました。


「ナノカさん。もう私は大丈夫ですから、休んで下さい」


先程まで黙って直立していたナノカさんともう1人のメイドさんに声を掛けるとナノカさんの手にはカメラが。え？


「…あの…」


「はい！御休みなさいませ、お嬢様！」


「お大事になさって下さい」


そのまま元気よく部屋を出て行きました。いやいやいや、その手のカメラって何だったんですか？説明が欲しかったんですけど！？


〈〈〈お前ら説明しやがれ下さい！！！〉〉〉