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二章【波乱のウィンターホリデー】

お前ら自分の物も買えよ下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。私達は今、帰り道にあるお店へと寄道しています。

お父様にテオ達にお土産を買って行きたいと相談したら、二つ返事でOKが出たので、お菓子を物色しています。出店の様な形式で、お菓子だけで無く、風鈴やアクセサリー。お洋服やご飯等々…沢山のお店が目を引きます。この出店通りは、東の地域でもかなり目玉となっている観光名所です。


「陶磁器も美しいな…ソフィアも好きそうだ…アリアは何か欲しいものはあるのかい?」


「いえ、私は特に…テオにお菓子を買って行ってあげたいだけなので」


「…本当に良いお姉さんだ。御褒美に何か買ってあげよう。と言っても、アリアは物欲がないからね…何かあれば言って欲しいな」


お父様は困った様に笑うと、お店の奥へと入って行きました。私もお菓子を見ているのですが様々なお菓子があって目移りしてしまいます…餡子は東の地域特有の物で、他地域だとあまり出回っていません。お父様曰く、次の東の地域での貿易の狙い目は餡子等のお菓子類だそうです。ん?彼処にも小さな出店がありますね…あれは…


「あ…綺麗…」


これは…飴細工でしょうか…?金魚やウサギ…お花もありますね…!可愛い…


「お、いらっしゃいお嬢ちゃん!どうだい!俺の自慢の飴細工だ!綺麗だろう?」


「はい!とっても精密で…とても綺麗です」


これなら…テオも喜んでくれそう…お父様も好きそうですね。


「すみません。お花と金魚とウサギを2つずつ下さい」


「あいよ!まいどあり!」


店主のおじさんはニカっと笑うと、飴を7つ渡してくれました。


「…?あの…」


「お嬢ちゃん可愛いからオマケだ!また来てくれよ」


「ありがとうございます。また伺います」


手を振ってくれる店主さんに軽く頭を下げて、お父様が居るであろうお店へと向かいましょうか…

あ、金平糖が売ってますね…彼処にも寄って行きましょう。金平糖は私も大好きです。甘くて宝石みたいにキラキラしてて…初めてお父様にお土産でもらった時は、また買ってきて欲しいと我儘を言ってしまった事もありましたね…


「金平糖かい?アリアは好きだったね」


「お父様?お買い物は終わったんですか?」


「うん。アリアは…そうか、飴細工を買ったんだね。きっと喜ぶよ」


私の持っていた飴細工を見ると、お父様はニコリと笑って、小瓶に入っている金平糖を2つ取りました。


「水色と緑がテオ、水色と白がアリアだね。きっと他のお菓子はナノカさんやエドワードが沢山買って来るだろうからね」


「こ、金平糖は私が買いますよ…!」


「御褒美だって言っただろう?これだけではないけど、父親として、これくらいはさせて欲しいな」


…そう言われると何も言えないんですけど…結果的に負けました。買ってもらいましたね…

その後、ナノカさん達と馬車の近くで合流したのですが、凄い大荷物でした。自分達のも勿論買っていましたが、ほぼ私達へのお菓子らしいです。嫌々自分の物ももっと買いましょうよ…


〈〈〈お前ら自分の物も買えよ下さい!〉〉〉
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