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二章【波乱のウィンターホリデー】
お前ら勝手に決めるな下さい
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皆様こんばんは。アリア・ローゼリッタです。あの後本を読んでいたらいつの間にか夕飯の時間になり、いつの間にか帰って来ていた両親と食卓を囲んでいます。
「矢張り家族で食べるディナーは美味しいね」
「そうね。アリアも久し振りでしょう?テオは少し人数は減ってしまったけれど、寂しさはないかしら?大丈夫?」
「は、う、うん。大丈夫…です」
「友人と食べるのも有意義でしたが、やはり家族と食べるのも良いですね。久し振りなので少し違和感がありますが」
今日の夕飯はマナーが分からないテオもいるので、パンとシチューになっています。ん、美味しいですね。
「このパン、マギィのお家からですか?」
「ん、分かるかい?嗚呼、ミハイラ家の奥方から貰ったんだ」
やっぱりそうなんですね。小さい頃からマギィはお母様に教わったパンを作ってくれていて、私もこのパンが大好きなんですよね。もうマギィのお母様はいらっしゃいませんが、最近はマギィの叔母様にあたる方がマギィからパンの焼き方を聞いて最近は私達にもお裾分けをしてくれています。安心する味ですね。
「マギィ?」
「私の幼馴染の1人です。マーガレット・ミハイラと言います。あともう1人、ミア・フォーカスと言う人も私の幼馴染です。近日中に来ると思うので、会えると思います。勿論、テオが会いたければのお話ですけど」
うーん…矢張り学食は人が多いと言え、来たばかりの弟と両親と食卓を囲むのは少し慣れるまで大変かもしれませんね。
「そうだわ。アリア、テオに勉強を教えていたそうね」
「…?はい。テオは飲み込みが速かったので、教えるのは楽しかったですよ」
メイドの何方からかその事を聞いたのでしょうか…?
「テオはどうだい?アリアの授業は」
「えっと…」
「もう、お父様。テオにいきなり質問をしないであげて下さい。吃驚してしまうでしょう。テオ、ゆっくりで大丈夫ですよ」
口籠るテオの背中をゆっくり撫でると少し落ち着いた様に息を吐きました
「アリア…お姉ちゃんが教えてくれることは…とっても分かりやすくて…もっと知りたいなって…思えました…難しい単語とか言い回しは、簡単なものに言い直してくれたり、詳しく教えてくれたりして…とっても楽しかったです」
「そうか…アリア、1つ頼まれてくれるかな」
とっても嫌な予感がしますね。お父様がそう言う時って大抵いい事は起きませんから。
「アリア、テオに勉強とマナーを教えてあげて欲しいんだ。遅かれ早かれ、テオもローゼリッタ家の人間として夜会やパーティに出なければならないし、学校にだって通わなければならないからね。エトワリアを首席合格して、テストも学年1位を守っているアリアだから頼むんだよ。幸い、テオもアリアに懐いてくれている様だしね。知らない家庭教師が教えるより断然いいと思うんだけど…」
「…私は別に構いませんが…テオはどうしたいですか?確かに私は知識は豊富にあります。ですが矢張り、私に教わるより一流の家庭教師に教わった方が良い事もあります」
「ぼ、僕は…アリアさ…アリア…お姉ちゃんがいいです」
全く…お父様もお母様も満足気にうんうんと頷いてます…はぁ…ウィンターホリデーは忙しくなりそうですね…
「それなら、早速明日からなんてどうかしら!そうだアリア、1週間後にパーティを開くから招待したい方がいれば言ってね」
え?勉強を教える件は分かりましたよ??でもパーティを開くなんて一言も聞いてないんですが!?
「お、お母様?パーティって…」
「アリアのお誕生日だもの!盛大に祝わなくちゃいけないわ!」
嗚呼…忘れてました…そっか…私のお誕生日ですか…そうやって祝ってくれようとするのはとても嬉しいのですが…やはり一言相談とかあってもいいんじゃないですかね!?
〈〈〈お前ら勝手に決めるな下さい!!〉〉〉
「矢張り家族で食べるディナーは美味しいね」
「そうね。アリアも久し振りでしょう?テオは少し人数は減ってしまったけれど、寂しさはないかしら?大丈夫?」
「は、う、うん。大丈夫…です」
「友人と食べるのも有意義でしたが、やはり家族と食べるのも良いですね。久し振りなので少し違和感がありますが」
今日の夕飯はマナーが分からないテオもいるので、パンとシチューになっています。ん、美味しいですね。
「このパン、マギィのお家からですか?」
「ん、分かるかい?嗚呼、ミハイラ家の奥方から貰ったんだ」
やっぱりそうなんですね。小さい頃からマギィはお母様に教わったパンを作ってくれていて、私もこのパンが大好きなんですよね。もうマギィのお母様はいらっしゃいませんが、最近はマギィの叔母様にあたる方がマギィからパンの焼き方を聞いて最近は私達にもお裾分けをしてくれています。安心する味ですね。
「マギィ?」
「私の幼馴染の1人です。マーガレット・ミハイラと言います。あともう1人、ミア・フォーカスと言う人も私の幼馴染です。近日中に来ると思うので、会えると思います。勿論、テオが会いたければのお話ですけど」
うーん…矢張り学食は人が多いと言え、来たばかりの弟と両親と食卓を囲むのは少し慣れるまで大変かもしれませんね。
「そうだわ。アリア、テオに勉強を教えていたそうね」
「…?はい。テオは飲み込みが速かったので、教えるのは楽しかったですよ」
メイドの何方からかその事を聞いたのでしょうか…?
「テオはどうだい?アリアの授業は」
「えっと…」
「もう、お父様。テオにいきなり質問をしないであげて下さい。吃驚してしまうでしょう。テオ、ゆっくりで大丈夫ですよ」
口籠るテオの背中をゆっくり撫でると少し落ち着いた様に息を吐きました
「アリア…お姉ちゃんが教えてくれることは…とっても分かりやすくて…もっと知りたいなって…思えました…難しい単語とか言い回しは、簡単なものに言い直してくれたり、詳しく教えてくれたりして…とっても楽しかったです」
「そうか…アリア、1つ頼まれてくれるかな」
とっても嫌な予感がしますね。お父様がそう言う時って大抵いい事は起きませんから。
「アリア、テオに勉強とマナーを教えてあげて欲しいんだ。遅かれ早かれ、テオもローゼリッタ家の人間として夜会やパーティに出なければならないし、学校にだって通わなければならないからね。エトワリアを首席合格して、テストも学年1位を守っているアリアだから頼むんだよ。幸い、テオもアリアに懐いてくれている様だしね。知らない家庭教師が教えるより断然いいと思うんだけど…」
「…私は別に構いませんが…テオはどうしたいですか?確かに私は知識は豊富にあります。ですが矢張り、私に教わるより一流の家庭教師に教わった方が良い事もあります」
「ぼ、僕は…アリアさ…アリア…お姉ちゃんがいいです」
全く…お父様もお母様も満足気にうんうんと頷いてます…はぁ…ウィンターホリデーは忙しくなりそうですね…
「それなら、早速明日からなんてどうかしら!そうだアリア、1週間後にパーティを開くから招待したい方がいれば言ってね」
え?勉強を教える件は分かりましたよ??でもパーティを開くなんて一言も聞いてないんですが!?
「お、お母様?パーティって…」
「アリアのお誕生日だもの!盛大に祝わなくちゃいけないわ!」
嗚呼…忘れてました…そっか…私のお誕生日ですか…そうやって祝ってくれようとするのはとても嬉しいのですが…やはり一言相談とかあってもいいんじゃないですかね!?
〈〈〈お前ら勝手に決めるな下さい!!〉〉〉
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