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一章【平穏ライフを目指して】

お前ら空気読め下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。先程から状況は変わらず、先輩方は顔を真っ青又は真っ赤にして私を睨み、マギィはアタフタし、私は真顔でそれを眺めています。カオスですね。笑えますよ。


「…エミリア先輩。何故こんな事をしたのか理由を伺っても?」


「…庶民上がりの貴族になりきれない様な奴が私の可愛いアメリアに近付くのが許せなかったのよ!!貴女やスティナ家の子はいいわよ!?でも成り上がりがあの子と関わるのは認めないわ!」


シスコンかよ。交友関係くらいアメリアの好きにさせてあげればいいじゃないですか。事実、アメリアはマギィの事を本当に心配していましたから。


「…アメリアはマギィの事を自分のことの様に心配していました。次の休講日には貴女とお話してマギィの事を虐めないで欲しいと説得すると…貴女はそんな最愛の妹の想いを踏み躙るのですか?」


「それは…!」


エミリア先輩は黙りこくりました。まあアメリアと言うワードが出た以上、強くは言えないのでしょう。


「貴女はアメリアが差別され、嫌がらせをされたら怒りますか?」


「当然じゃない!」


「そうですか。では、突然彼女が居なくなったらどうしますか?」


「探すわ!見つかるまで!どんな手を使ってもね!!犯人は絶対に許さないし、処分するわ!当然でしょう!?」


わあ…凄い剣幕ですね。でも、何故私がその質問をしたのかは理解できていないご様子…


「そうですよね。私は今その状態ですよ」


エミリア先輩やその取り巻きの皆様が息を呑むのが分かりました。


「大切な幼馴染が差別され、嫌がらせをされて目を離した隙にこんな暗くて人が来ない場所へ連れて来られて…どれだけの人がマギィを探して、心配したと思っているんですか!!処分する?そうですね。私もそうしたいですよ…でもそれは私には出来ません…残念ですけど…此処に生徒会の皆様を呼ぶ様にお願いしてあります。これまでの事も伝えてほしいと言っているのでそれ相応の処罰が下る事を覚悟しておいた方が宜しいかと」


生徒会の名前が出た途端、皆様震え始めましたね…ふん、いい気味です。


「アリア!!」


「マーちゃん!!」


「ルカ!?アメリアも…どうして…」


扉が開け放たれるとルカとアメリアが資料室に飛び込んで来ました。そして其々が名前を呼んだ方に抱き付いて来ます。あの、まだ解決した訳ではないんですけど…


「カイン先輩と兄さんが先に行けって言ったからアメリアと走ってきた」


「うわーん!!マーちゃぁん!無事で良かったよぉ~!」


アメリアが涙を流してマギィに縋り着いています。それをみたエミリア先輩は血相を変えました。


「ア、アメリア!!何してるの!?そんな下民に触れちゃダメよ!離れなさい!!」


「うるさい!うるさぁい!!私はマーちゃんが好きなのぉ!!私のお友達に意地悪するならお姉様なんか大っ嫌いだよぉ!!」


アメリアの大嫌いと言う言葉にエミリア先輩はショックを受けてその場にヘナヘナと座り込みました。何か、感動の再会みたいになってますけど…先程言った通りまだ何も解決してないんですよ…


〈〈〈お前ら空気読め下さい!!〉〉〉
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