上 下
24 / 232
一章【平穏ライフを目指して】

お前ら良い加減にしろ

しおりを挟む
皆様、こんにちはアリア・ローゼリッタです。マジでクソです。開幕早々お目汚し申し訳ございませんが、今私は図書資料室に続く階段を駆け上がっております。図書資料室は5階にあるので中々ハードです。それに私、運動はドクターストップが掛かっているので本来こんな事しちゃいけないんですけどね!!

全部全部彼奴等の所為です。これで倒れた責任も全て彼方にあると言う事で納得しましょう。はい。こんな感じで皆様に話しかけていますがマジでしんどいです。口の中鉄の味ですし息なんてとっくの昔に切れてます。足もそろそろ動かなくなりそうですけど!其処を!根性で!走っております!やっと目の前に…資料室が…嗚呼…長かった…


「…はぁ…はっ…ヒュッ…はぁ…は…」


息が整わないですね…今だけは病弱な自分の体を恨みます。まあとりあえず私のやる事は1つです。


「失礼します!!1年のローゼリッタです!マーガレット・ミハイラを連れ戻しに参りました此処にいますよね!?」


ドアが壊れるのではないかと言う勢いで開き、大声で叫びました。嫌がらせです。はい。目の前には怯えた涙目のマギィと例の先輩方。よかった、何もされていない様ですね。ズカズカと放心する先輩を無視して資料室に入ります。埃っぽいですね…これも体に障りそうです。


「ア…アリア…」


「はい、アリアですよ。マギィ」


マギィは声にならない唸り声の様なものを上げると私に抱きついて来ました。怖かったのでしょうね…却説さて此処からは反撃ですね。私怒っていますから、只では済ませません。


「…先輩方…何故此処にマギィと貴女方が?」


先輩方は怯んで声が出せない様です。当たり前ですかね。誰も来ない様な資料室にまさかのマギィの幼馴染が乱入してきたんですから。


「皆様、私そこまで貴女方がお馬鹿で理解力がないとは思っていませんでした。こうも懲りずにマギィに手を出すなんて…皆様の記憶力は鳥以下なのでしょうか」


「な、なんなのよアンタ!1年のくせに生意気よ!!私を誰だと思っているの!?あのレラ家の令嬢なのよ!!?」


「レラ家…嗚呼、最近問題があって爵位が危うい一族でしたね。一時期は5代貴族にも迫る勢いだったご様子ですが、今ではそこまでの影響力は無い…言ってしまえば、貴女より私やマギィの方が力があります。言ったでしょう?私はローゼリッタ家の人間です。少なくとも貴女よりかは家の力があります」


そんな脅し痛くも痒くもありません。ローゼリッタ家と聞いて全員が顔を青くしたのを見た限り、私の家との付き合いがある方々なのでしょうね。まあ関係ありませんが。


「却説皆様…私に喧嘩を売るというなら買いますし、大前提としてマギィを傷付けた事実はローゼリッタとフォーカス家に喧嘩を売っているも同然なのですが…その辺り、大丈夫ですか?皆様」


あらあら、面白いくらい顔を真っ青にしてしまって…自業自得ですので、助けるつもりは毛程もありませんがね。却説、反撃のお時間です。


「べ、別に私達は悪くないわよ!!下民の癖に調子に乗ってた其奴が悪いんじゃない!!」


「…そこまで頭が悪いとは思いませんでした…なるほど、余程私達を怒らせたいと見えます」


「ア、アリア?怖いよ?」


マギィが控えめに私の袖を引きますが、今は御免なさい。私は今、この人たちを許すつもりはありませんから。だって、全てを貴女の所為にしたんです。それ相応の報いがあるべきでしょう。


〈〈〈お前ら良い加減にしろ〉〉〉
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...