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一章【平穏ライフを目指して】

お前ら助けろ下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。ニーナ先輩に眼鏡を取られ、全員にそれを覗き込まれていると言う公開処刑をされております


「も、もういいですよね!?眼鏡返して下さいニーナ先輩…!」


「えぇ~どうしようかな~」


私が必死に手を伸ばすのを見て、ニーナ先輩はニコニコと笑っています。ふざけないでいただきたい。


「ふむ…折角美しい顔をしているのだから、隠すのは勿体無いと思うぞ」


シュテル先輩まで眼鏡外す派に行かないで下さい。此処、私の味方いますかね?


「って事だから、この眼鏡は没収だね」


「それ、職権濫用じゃないか?生徒会長」


生徒会長がニーナ先輩から私の眼鏡を受け取り胸ポケットにしまいました。ライト先輩も止める気はない様です


「生徒会長…!」


「うーん…カイン先輩って呼んでくれたら、返すのを考えてあげる」


「悪趣味だな」


笑顔で鬼畜な事を仰る生徒会長に呆れた視線を向けるユウリ先輩ですが、此方もまた止めてはくれません。そろそろ泣いても宜しいですか?   


「生徒会長をお名前で呼ぶ訳にはいかないでしょう…?」


そう、至って自然に…名前呼びを回避しなければなりません…。さあ、生徒会長はどう出ますかね…


「僕から呼んでほしいと頼んだんだよ?逆に聞いてくれないと悲しいな」


出ました。イケメンにしか許されない困り顔。眉を八の字に下げて苦笑してらっしゃいます。


「副会長も黙っていないでしょう?一生徒が生徒会長を名前呼びするなんて」


「確かに、イリヤ先輩は厳しそうだね」


そうですよね…!レイチェル先輩!


「いや?彼はああ見えて柔軟性もある。一昔前のルールは彼も気にしていないし、寧ろ固すぎるくらいだと言っていたからね。例えば、女性は家の当主にはなれない…イリヤはこれを毛嫌いしているしね」


「そうですね。兄は厳格な御方ですが、頭が硬いわけではありません。柔軟性があり、尚且つ古き良き伝統を守る…私も尊敬しています。会長は、兄のことを良く見ていらっしゃるんですね」


そうですね、副会長はとても優しく厳しい方なのは知っています。生徒会長が少し不真面目で面白そうな事には片っ端から首を突っ込むことも…


却説さて…どうする?名前で呼んでくれるかな?スティナさんも良ければ名前で呼んでくれると嬉しいね。会長…では折角の交流会も意味がないだろう?僕も良ければルカと呼ばせて貰うよ」


「私は構いません。ではこれからはカイン先輩と呼ばせていただきますね」


ルカ…貴女は何故そんなに度胸があるのです?この人の事を簡単に名前呼びをなどしたら…学園中の女生徒に刺されそうで怖いのですよ…

むむむ…と、唸っている私を見て、生徒会長以外がクスリと笑い、肝心の生徒会長は私の目の前で眼鏡をあちこちに移動させて遊んでいます


「ローゼリッタさん…猫みたいに目が動いてるわ…可愛い…」


「ねー!小動物みたい!」


2年生のお2人は傍観を極めていないで助けていただけませんかね!?


「今年の交流会は楽しいものだな」


「そうだな。最後の交流会がこのメンバーで良かったよ」


4年生のお2人は思い出話に花を咲かせようとしないで下さい!!


「ほらほら、どうする?」


「ふふ、見てて飽きないな。キミの動き」


3年生のお2人は取り敢えず反省して下さい!

「アリア、諦めた方がいいかもしれないよ。このままじゃいつまで続くか…」


ルカ…貴女まで裏切るのですか…?てか貴女最初から助ける気無かったですね。忘れてました

て言うかこっちを面白い物を見るように傍観してる皆々様に一言文句を言わせて下さい。


〈〈〈お前ら助けろ下さい!!〉〉〉
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