83 / 186
弐章 蒸気の国・エンジーム
三十一話、やっぱ心って大事だよな
しおりを挟む
「お疲れ様でございます。ライハ様」
「ん?サンキューな!マキアもお疲れ!」
「私は魔導人形ですので、疲れはしませんが…ありがとうございます」
マキアは戸惑ってるみたいだけどお礼を言ってくれた。優しいなあマキアは!
「んで立ってんの?座れよ」
「それでは失礼して」
隣に座ったマキアを改めて見ると、やっぱ人間にしか見えん。普通に美人だし。ってことは俺可愛い風華と美人なマキア連れて旅してるって事?はは、両手に花じゃん。
「マキア、楽しいか?」
「楽しい、とは?」
「ステンリア出て、俺達と居て楽しいか?俺達はマキアが来てくれて本当助かってるよ。でも俺達は良くてもマキアはどうなんかなって。ほらさ、俺と風華って身内だからマキアを置いてけぼりにしてる事偶にあるし」
喧嘩中とかマジでそう。いや、喧嘩っていう喧嘩はしてないけど軽い言い合いとかの時。いつもマキアが不思議そうな顔してるんだよな。
「楽しい、楽しくない…は私にはまだ良く分かりませんが…ですが、きっと楽しい…と思います。フウカ様とライハ様の関係はとても素晴らしいものだと思います。互いを大事に想っている家族の形…私と生みの親であるジャックとはまた違う形…それがとても勉強になります」
「そっか。でもジャックとお前は親子で俺達は双子だからな。双子も普通の兄妹とは少し違うんだよ」
「そうなのですか?」
うーん…俺の感覚だから絶対に正しくはないんだけどな。まあ人によりけりだしいいっしょ!
「何か、俺が数分先に産まれたから兄ちゃん振ってるけどさ、俺達本当は上も下もないし。どちらかと言えば片割れ…半分って言う言葉がしっくりくるんだよな。今みたいに風華が近くに居ないとあんま落ち着かんし、戦闘中も集中力が下がる。いつも風華に助けられてるし、彼奴がいる事で生まれる安心感もあるんだ」
「成程…半分…私の雷伝石と輪廻石の様な感じでしょうか」
「マキアで言うとそうかもな!」
俺が笑ってそのまま草むらに寝転がると、心無しかマキアが笑った様に見えた。可愛い…
「ライハ様は自由な方ですね。何というか…いつも心のままに生きられている感じがします」
「そうか?うーん…俺的には、マキアはもうちょっと自由になって良いと思うぞ」
「自由…ですか?」
マキアまだ固いもんなあ…これから一緒にどんくらい旅するか分かんないけど、其処でもっと軟くなれたらいいよな!
「そうそう!俺みたいに…なると風華に怒られるから…でもマキアにだって心はあるんだからさ。心の赴くまま…って言うのも意外といいもんだぜ!」
「心の赴くまま…」
「…っと!そろそろ行くか!」
戦いとかでも案外心って大事なんだよな。マキアだって絶対に心あるもんな!だって俺達を心配してくれた事だってあるんだから。だから…マキアならきっとちゃんと笑えるさ!
「ん?サンキューな!マキアもお疲れ!」
「私は魔導人形ですので、疲れはしませんが…ありがとうございます」
マキアは戸惑ってるみたいだけどお礼を言ってくれた。優しいなあマキアは!
「んで立ってんの?座れよ」
「それでは失礼して」
隣に座ったマキアを改めて見ると、やっぱ人間にしか見えん。普通に美人だし。ってことは俺可愛い風華と美人なマキア連れて旅してるって事?はは、両手に花じゃん。
「マキア、楽しいか?」
「楽しい、とは?」
「ステンリア出て、俺達と居て楽しいか?俺達はマキアが来てくれて本当助かってるよ。でも俺達は良くてもマキアはどうなんかなって。ほらさ、俺と風華って身内だからマキアを置いてけぼりにしてる事偶にあるし」
喧嘩中とかマジでそう。いや、喧嘩っていう喧嘩はしてないけど軽い言い合いとかの時。いつもマキアが不思議そうな顔してるんだよな。
「楽しい、楽しくない…は私にはまだ良く分かりませんが…ですが、きっと楽しい…と思います。フウカ様とライハ様の関係はとても素晴らしいものだと思います。互いを大事に想っている家族の形…私と生みの親であるジャックとはまた違う形…それがとても勉強になります」
「そっか。でもジャックとお前は親子で俺達は双子だからな。双子も普通の兄妹とは少し違うんだよ」
「そうなのですか?」
うーん…俺の感覚だから絶対に正しくはないんだけどな。まあ人によりけりだしいいっしょ!
「何か、俺が数分先に産まれたから兄ちゃん振ってるけどさ、俺達本当は上も下もないし。どちらかと言えば片割れ…半分って言う言葉がしっくりくるんだよな。今みたいに風華が近くに居ないとあんま落ち着かんし、戦闘中も集中力が下がる。いつも風華に助けられてるし、彼奴がいる事で生まれる安心感もあるんだ」
「成程…半分…私の雷伝石と輪廻石の様な感じでしょうか」
「マキアで言うとそうかもな!」
俺が笑ってそのまま草むらに寝転がると、心無しかマキアが笑った様に見えた。可愛い…
「ライハ様は自由な方ですね。何というか…いつも心のままに生きられている感じがします」
「そうか?うーん…俺的には、マキアはもうちょっと自由になって良いと思うぞ」
「自由…ですか?」
マキアまだ固いもんなあ…これから一緒にどんくらい旅するか分かんないけど、其処でもっと軟くなれたらいいよな!
「そうそう!俺みたいに…なると風華に怒られるから…でもマキアにだって心はあるんだからさ。心の赴くまま…って言うのも意外といいもんだぜ!」
「心の赴くまま…」
「…っと!そろそろ行くか!」
戦いとかでも案外心って大事なんだよな。マキアだって絶対に心あるもんな!だって俺達を心配してくれた事だってあるんだから。だから…マキアならきっとちゃんと笑えるさ!
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
魔銃士(ガンナー)とフェンリル ~最強殺し屋が異世界転移して冒険者ライフを満喫します~
三田村優希(または南雲天音)
ファンタジー
依頼完遂率100%の牧野颯太は凄腕の暗殺者。世界を股にかけて依頼をこなしていたがある日、暗殺しようとした瞬間に落雷に見舞われた。意識を手放す颯太。しかし次に目覚めたとき、彼は異様な光景を目にする。
眼前には巨大な狼と蛇が戦っており、子狼が悲痛な遠吠えをあげている。
暗殺者だが犬好きな颯太は、コルト・ガバメントを引き抜き蛇の眉間に向けて撃つ。しかし蛇は弾丸などかすり傷にもならない。
吹き飛ばされた颯太が宝箱を目にし、武器はないかと開ける。そこには大ぶりな回転式拳銃(リボルバー)があるが弾がない。
「氷魔法を撃って! 水色に合わせて、早く!」
巨大な狼の思念が頭に流れ、颯太は色づけされたチャンバーを合わせ撃つ。蛇を一撃で倒したが巨大な狼はそのまま絶命し、子狼となりゆきで主従契約してしまった。
異世界転移した暗殺者は魔銃士(ガンナー)として冒険者ギルドに登録し、相棒の子フェンリルと共に様々なダンジョン踏破を目指す。
【他サイト掲載】カクヨム・エブリスタ
異世界召喚された回復術士のおっさんは勇者パーティから追い出されたので子どもの姿で旅をするそうです
かものはし
ファンタジー
この力は危険だからあまり使わないようにしよう――。
そんな風に考えていたら役立たずのポンコツ扱いされて勇者パーティから追い出された保井武・32歳。
とりあえず腹が減ったので近くの町にいくことにしたがあの勇者パーティにいた自分の顔は割れてたりする?
パーティから追い出されたなんて噂されると恥ずかしいし……。そうだ別人になろう。
そんなこんなで始まるキュートな少年の姿をしたおっさんの冒険譚。
目指すは復讐? スローライフ? ……それは誰にも分かりません。
とにかく書きたいことを思いつきで進めるちょっとえっちな珍道中、はじめました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる