上 下
69 / 186
弐章 蒸気の国・エンジーム

十八話、やっぱり協力って大事だよね

しおりを挟む
「ステンリアのギルドと…かい?」


「うん。魔獣対策はそれが一番安全。元凶を叩くのが根本的な解決策だけど、今は何もわからないから、応急処置としてね」


「それは私達としても有難い申し出だが…」


後一押しかな?実はこれ、前の調べ物の時にジャックが言ってた事なんだけど、もし魔獣対策が進んで無いのなら、こっちも力になれる事があると思うから、その時は協力を申し出てほしいって。具体的に何をするかは分かってないけど。


「それは、此方が決めても大丈夫な事なのか?いや無論、この私が申し出るのだから断りはしないと思うがね?」


「うん。ステンリアのギルド、スタディアのギルドマスターからの伝言みたいなものだから、多分マキアを通して申し出れば、すぐに動いてくれると思うよ。彼もエンジームに興味を持っていたし」


「そうか。にしてもステンリアのギルドのギルドマスターと知り合いとは…君達も交友関係が随分謎だ。其処も実に興味深い」


成り行きだけどね。それを言ったらアデルバードもそれに当て嵌まるけど、本人気付いてるのかな?


「それではマキアが帰って来たら早速話を進めるとしよう。今度は君の番だフウカ!君の事をこの私に話すと良い」


「…具体的に何を?」


「何でもだ。私は全てを知りたいからね」


…やっぱこの人苦手かもしれない。何か…兄さんとか違う意味で凄いグイグイくる…


「…私は、魔導師で、田舎町から来た…それくらいだと思うけど。まだ旅もステンリアしか行ってないし」


「他にもあるだろう?特技や趣味、好きな物や嫌いな物も」


「…特技…」


無いかもしれない。特技…特技…うーん…趣味も無いし…え、何も無い?


「強いて言うなら、魔術コントロールかもしれない」


「ほう」


「私達の師匠とか、魔術の先生とかにも褒めて貰えてるし、兄さんも…」


兄さんは一々大袈裟だから少し…かなり恥ずかしいけど、嬉しいって言えば嬉しい。


「確かに君の魔法は素晴らしい物だ。フウカにも早く我がギルドに入ってほしいからね」


「それは遠慮する」


「釣れないね。だが、そんな君達を堕とすのもまた楽しみだ」


この人は一々距離が近い。何で髪の毛一房掴んでキスするの?テーブルも向かい合わせだし何か前のめりだしこの人。スキンシップ多いし距離も近い。兄さんもそうだけど、兄さんこんな事しないし。


「近い。離れて」


「それは失礼。君はなびかないね。普通のレディなら、もう目をハートにしている頃なのに」


「興味ないから」


今は色々手一杯だからね。魔術と神力と練習に師匠探しとついでの父さん探しに世界見聞…恋愛とかそう言うの、まだ良いかなって思う。て言うか気不味いから兄さん早く帰ってきて。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。 待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。 シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。 アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。 死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。

最弱の冒険者と呼ばれてますが、隠してるチート能力でたまには無双します!……と言いたいところだが、面倒だから今日は寝る。お前ら、邪魔するなよ?

ランド
ファンタジー
『最弱の冒険者』の称号をほしいままにしている、リアトリス。 仲間であるジャスミンにいくら誘われようとも、冒険に行かず、レベル上げすらもしようとしない怠惰っぷり。 冒険者の義務なんて知らない。 仕事なんて絶対にしたくない。 薬草採って、ポーション作って売ってのその日暮らしができれば大満足。 そんな舐めた事ばかり考えているリアトリスだが、実はこの世界で最も強力な能力を持つ最強の冒険者。 それも、本気を出せば魔王軍幹部すらも圧倒できるほどの。 だが、リアトリスは意地でも能力を隠そうとする。 理由はいたって単純。 面倒な事には関わりたくないから。 そんなリアトリスが、果たして魔王を倒すことができるのか。 そもそも、冒険の旅に出てくれるのだろうか。 怠惰で最強な冒険者による、異世界奇譚をお楽しみください! ※作品内に一部過激な描写がありますので、投稿ガイドラインに基づき、R15指定としています。 この作品はなろうとカクヨムにも掲載しています(下記URL参照)。また、タイトルの文字数制限の関係で、少々タイトルも変えています。 https://ncode.syosetu.com/n4679gv/ https://kakuyomu.jp/works/16816700428703293805

異世界転移の特典はとんでも無いチートの能力だった。俺はこの能力を極力抑えて使わないと、魔王認定されかねん!

アノマロカリス
ファンタジー
天空 光(てんくう ひかる)は16歳の時に事故に遭いそうな小学生の女の子を救って生涯に幕を閉じた。 死んでから神様の元に行くと、弟が管理する世界に転生しないかと持ち掛けられた。 漫画やゲーム好きで、現実世界でも魔法が使えないかと勉強をして行ったら…偏った知識が天才的になっていたという少年だった。 そして光は異世界を管理する神の弟にあって特典であるギフトを授けられた。 「彼に見合った能力なら、この能力が相応しいだろう。」 そう思って与えられた能力を確認する為にステータスを表示すると、その表示された数値を見て光は吹き出した。 この世界ではこのステータスが普通なのか…んな訳ねぇよな? そう思って転移先に降り立った場所は…災害級や天災級が徘徊する危険な大森林だった。 光の目の前に突然ベヒーモスが現れ、光はファイアボールを放ったが… そのファイアボールが桁違いの威力で、ベヒーモスを消滅させてから大森林を塵に変えた。 「異世界の神様は俺に魔王討伐を依頼していたが、このままだと俺が魔王扱いされかねない!」 それから光は力を抑えて行動する事になる。 光のジョブは勇者という訳では無い。 だからどんなジョブを入手するかまだ予定はないのだが…このままだと魔王とか破壊神に成りかねない。 果たして光は転移先の異世界で生活をしていけるのだろうか? 3月17日〜20日の4日連続でHOTランキング1位になりました。 皆さん、応援ありがとうございました.°(ಗдಗ。)°.

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~

クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。 だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。 リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。 だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。 あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。 そして身体の所有権が俺に移る。 リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。 よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。 お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。 お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう! 味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。 絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ! そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

ゴミスキル『空気清浄』で異世界浄化の旅~捨てられたけど、とてもおいしいです(意味深)~

夢・風魔
ファンタジー
高校二年生最後の日。由樹空(ゆうきそら)は同じクラスの男子生徒と共に異世界へと召喚された。 全員の適正職業とスキルが鑑定され、空は「空気師」という職業と「空気清浄」というスキルがあると判明。 花粉症だった空は歓喜。 しかし召喚主やクラスメイトから笑いものにされ、彼はひとり森の中へ置いてけぼりに。 (アレルギー成分から)生き残るため、スキルを唱え続ける空。 モンスターに襲われ樹の上に逃げた彼を、美しい二人のエルフが救う。 命を救って貰ったお礼にと、森に漂う瘴気を浄化することになった空。 スキルを使い続けるうちにレベルはカンストし、そして新たに「空気操作」のスキルを得る。 *作者は賢くありません。作者は賢くありません。だいじなことなのでもう一度。作者は賢くありません。バカです。 *小説家になろう・カクヨムでも公開しております。

チートな幼女に転生しました。【本編完結済み】

Nau
恋愛
道路に飛び出した子供を庇って死んだ北野優子。 でもその庇った子が結構すごい女神が転生した姿だった?! 感謝を込めて別世界で転生することに! めちゃくちゃ感謝されて…出来上がった新しい私もしかして規格外? しかも学園に通うことになって行ってみたら、女嫌いの公爵家嫡男に気に入られて?! どうなる?私の人生! ※R15は保険です。 ※しれっと改正することがあります。

処理中です...