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弐章 蒸気の国・エンジーム

五話、妹が進化してやがる!!!

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「ふぃ~やっぱ風華の飯は美味いなぁ!一生食ってたい」


「はいはい」


「今度、風華様のお料理を観察しても?」


「いいよ。じゃあ次はマキアも観察がてらお手伝いして」


今日も今日とて、最愛の妹の料理は死ぬ程美味かった。今は昼飯も終わって、エンジームの街を探索中だ!本当見るとこ見るとこにパイプやらがあって、蒸気が出てる。空気が綺麗じゃねぇのは否めないけど…


「まるでステンリアとは違うね。あんまり友好的じゃないのかな」


「先程の資料から抜粋致しますと、現在治安が悪くなっている原因に、外部のギルドが関わっており、その為あまり他国の人間は歓迎されない模様です」


「ほへ~」


外部ギルドかぁ…盗賊団とか、暴走族ギルドとかか?その理由なら仕方ねぇか…


「来たタイミング悪かったかもね」


「依頼多いのは助かるけどな」


うーん、何とも言えん。ま、無理に関わる必要も無いからなぁ…ちょっと寂しいけど。


「兎に角どーすっか」


「兄さん好きそうだし、食べ物屋さん巡りでもする?」


「する!!!」


即答したら引かれたけど気にし無い!!食いもん食いもん~!


「おい!!!逃げろぉ!!!」


「…?」


「何だ」


前から何か叫ばれたけど…ん?土埃舞ってるんですけど!!?


「…確認。ホワイトシープとブラックシープが暴走中。即刻退避をオススメします」


「…兄さん」


「おう」


逃げろって言われたけど俺と風華は引かずにそれを見据えた。これくらいなら行ける。



「兄さん、出来る事が増えたんだけど、見てくれる?」


「おっ!マジで!?」


風華は得意気に笑うと杖を握った。って…マジか風華!!出来る様になったのか!!

無言魔法は、魔術の中でも最高峰って言われる物だ。声無い分、更に強い精神力や想像力が求められる。だから呪文があった時に死ぬ程簡単でも、無言魔法になるとハードルが一気にあがる。だから出来る奴も一握り…そんな一握りに俺の妹が入った!!


(大丈夫…大丈夫…出来る!!)


風華の足元に魔法陣が広がった瞬間、羊達がパタリと倒れた。眠らせる魔法か…簡単だけど…無言魔法…本当すっっげぇ!!


「上手く…いった…?良かった…」


「流石で御座います。フウカ様」


「マジですげぇよ風華!!」


安堵して肩の力を抜いた風華の頭をガシガシって撫でると、パッて払われた。解せぬ。


「君達大丈夫か!?助かったよ。ありがとう。この羊達は…寝てるのか?」


「おう!風華の魔法だ!」


「そうか…ありがとうな。お嬢ちゃん。ほら、お礼と言っちゃなんだが…キャラメルをやる。美味いぞ!」


おお!キャラメル!風華も嬉しそうに受け取っていた。俺も楽しみだ!


「ありがとう、ございます」


「次は気をつけろよな!」


「嗚呼!」


うん、予想外のハプニングあったけど、何やかんや上手くいったし、結果オーライだな!!
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