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壱章 始まりの街・ステンリア

二十六話、アイツには二度と会いたくねぇ!!

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「勝ったああああああぁぁぁぁ!!!」


漸くあの意味分からん生物に勝った!!剣で木っ端微塵に粒子にした後、即刻炎で焼いた。やっぱ神力使った方が速かった…


「ありがとな、サラマンダー」


サラマンダーは楽し気にユラユラ浮かんで、上機嫌に軽く炎を吹いてる。辺り燃やさないといいんだけど…


「おっ、シルフ!迎えに来てくれたのか?ありがとな!風華のとこ連れてってくれ!」


精霊は基本姿を現さない。姿を現すのは、俺達に応えてくれる時と、何かを伝えたい時、何処かへ連れて行きたい時だ。精霊達は、自然を流れる魔力の結晶体の様なものだ。だから、自然がある場所…精霊の命の源の原子がある場所に生きる。精霊は力を貸してくれる存在だから、俺と風華はめっちゃ勉強した!!

精霊には、下級精霊と上級精霊がいる。上級精霊にも一回は会ってみたいよなぁ…上級精霊は下級精霊の王様…リーダーみたいな立ち位置に居る力の強い精霊だ。下級精霊が自然の原子と魔力、人の思いから生まれるのに対して、上級精霊はその昔神様が生み出した自然の番人で代替わりの時は下級精霊の中から数千年に一人。上級精霊に選ばれた奴だけが、その地位に就く。結構精霊の世界って言うのもシビアなんだよなぁ…


「お!風華無事か!!?」


「うん。ノームも無事」


「そうか!お前も災難だったな…もう大丈夫だぜ!俺達がお前をちゃんと送り返してやるからさ!」


人の良さそうな笑みを浮かべて、嬉しそうな表情のノーム。うん、やっぱり精霊な良いな。悪戯好きで困ったとこもあるけど、やっぱ素直で可愛い奴らだ。


「ん?礼は風華に言ってやってくれ。俺は剣ぶん回してただけだし、お前を治してくれたのは風華だからな」


「ノームはさっきまで、沢山御礼を言ってくれてたよ。改めて、私が風華。こっちが双子の兄さんの雷葉だよ。よろしくね、ノーム」


「雷葉だ!よろしくな!俺がサラマンダーとヴォルト。風華がシルフとウンディーネと契約してるよ」


ノームは手先が器用な精霊だから、きっとどっかに家を作ってるんだろうな。此奴等の作るものは温かみがあって、面白い。精霊の加護も着くから、巷では、かなり希少だけど人気なものなんだ。


「ん?無理に契約しなくていいよ。俺達はお前達と契約したいから助けた訳じゃねえからさ。ただ俺達はお前達精霊が大好きで大切なんだ。家でゆっくりして、身体を休めてくれ。小さい身体で大変だったろ…この森、少し続けて見回ってみるよ。そしたら、お前達も安心だろ?」


「精霊達とお話出来て、意思疎通出来る者として、貴方達を守りたいの。これは私達の自己満足だから、気にしないでね。貴方達が幸せに森で暮らせたら、それでいいの」


ん、空気が変わったな…多分此処がノーム達の住んでる場所なんだろ。だったら許可無く俺達は入れない。


「元気でな!また襲われるんじゃねえぞ?」


「しっかり見回るから、安心して生活してね」


軽く手を振ると、ノームは小さい身体を全力で動かし、大きく手を振ってくれた。うん、いい奴だな。だが…あのモンスターは何だったんだよ…はあ…もう出会わないといいんだけどな…取り敢えず、山菜とか茸採って麓まで下りますかね…腹減ったー!!
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