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壱章 始まりの街・ステンリア

十九話、事情聴取ってもう二度と受けたくねぇな!!

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「キミ達も少しお話し良い?ギルドまでは来なくていいからさ!ま、返答によっては変わってくるけどね!」


「俺達は悪い事してねぇかんな。連行しだそうとしたら大声で叫んでやる。冤罪だー!!!ってな」


「あははは!最高に煩いねキミ!」


誰だっけ、ミチル?って呼ばれた奴がニコニコ笑いながらルチル?と俺達二人の方にやって来る。ルチルは普通に真顔。怖ぇよ。


「じゃあ先にボク達の自己紹介ね!ボクはミチル・リューミエ!こっちが相棒のルチル!」


「ルチル・アタレントです。よろしく」


「あれ?兄弟じゃねぇの?」


少し容姿も似てるし、親しげだったから完全に兄弟だと思ったんだけど、違ったらしいわ。恥っっず!!


「ん~?違うよ!良く間違われるけどね!!ボク達はセフィロンの絶対エース!ミチルチコンビだよん!」


「その略称は止めろと何回言えば済むんですかミチル」


「えぇ~いいじゃん!可愛いよ?」


「そう言う問題ではありません」


…何かデジャヴ…この流れめっちゃ既視感あるんだけど。おっと風華の視線を感じる。そうだよな。これ、俺がミチルで風華がルチルポジだから…!!由々しき事態では?


「っとと!話が逸れたね。それでキミ達は?」


「俺は雷葉。ライハ・ヒガンだ。こっちが双子の妹の」


「風華…フウカ・ヒガン…です…よろしく」


ミチルとルチルは品定めする様に俺達を見ている。止めろよ何か気持ち悪ぃ!!!


「変わった名前だね~!双子も珍しいし…でもまあ其処はいいや!!ボク達が一番聞きたいのは、何でこの騒ぎに首を突っ込んだか…それなんだけど…」


「ジャック…ここのギルドマスターに依頼されたからだ。理由はこれまでの色々依頼されてたから。他に何かあるか?」


「もう!そんなに早く話を切り上げようとしないでよ~寂しいでしょ?」


うん、やっぱキャラ被ってねぇわ俺と此奴。良かったぁぁぁ…てか早よ終わらせろよ。俺は疲れたから早く帰って寝たいんだわ。


「じゃあ質問変えるね~。どうやって倒したのかな?キミ達まだ小さいし、そんな力があるとは思えないな~」


「人を見た目で判断すんなよ。全員俺の剣と風華の魔法で退けた。そんな風に見てると後々痛い目見んぞ」


「兄さん、言い過ぎ」


ほんっと!!リリーフィエがどんなに良い街であのギルドの奴らが良い奴らだったかステンリアに来て痛感してるわ!こんな年齢でクソ程下に見られんのはムカつくんだが!!


「ミチルもですよ。彼らは高難易度の依頼も達成出来る程の実力の持ち主である事は知っているでしょうに。すみません。彼、何故か君達の様な子を苛めてしまうんです」


「だって可愛い子ほど苛めたくなんじゃん!ごめんごめん。冗談!キミ達が物凄い強い事は把握済み!少し意地悪したくて!それに、この事情聴取も遊びみたいな物~」


「…疲れてるので早く帰りたいんですけど…」


風華もずっと魔法障壁出しっぱだったから疲れてるよな…俺もずっと剣ぶん回してたから疲れてるし。てか此奴、こんな女の子みたいな可愛い顔してドSかよ…


「それもそーだよね!そうだ!また今度セフィロンに遊びに来てよ!ボクもっと二人と話したいし!んっしょ…よいしょ…えっと…これがこうで…うん!ばっちし!これ持ってセフィロンおいで~」


「…?入所許可証?」


俺も風華の手元を覗き込む。其処には、何か難しそうな説明と此奴のサイン、日付が書かれていた。マジで何だこれ。


「そうそう!これがあればセフィロンに来ても速攻でボクの所に通して貰えるよん!彼処色々厳しいからさ!先に渡しとく~」


「そんなチョコあげる~みたいなノリで渡して良いものではないでしょうに」


「え~ルチルは本当お堅いよ~。でも、キミだってこの子達気に入ったんでしょ?」


「否定はしませんが」


…?とりあえず貰えるもんは貰っとくわ。何かの時役立つかもだし。ま、持っとくの風華だけど…


「この件が落ち着いたらおいで~!」


「それでは失礼します」


ブンブン手を振るミチルと軽く礼をして去っていくルチル。うん、何か嵐みたいだったな。とりあえず、マキアの様子を見にいくかな!
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