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零章 祝福された呪いの双子

三話、よろしく師匠!

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「お前達御使か?そんなボロ布を着て何処へ向かっているんだ」


おうおう初っ端失礼だなオイ!?確かに服ボロボロだけど!!事実だけど!!何で初対面の野郎にんな事言われにゃあかんねん。無駄に顔が良いのが腹立つわクソ!!

経緯は簡単。街へ向かってる最中に、冒頭の様に話し掛けられた喧嘩売られた。以上!!

「…私達は世界を見に行くんです」


「そんな格好でか?それに、お前達は神力の使い方すら分かってないだろう」


「…何か悪いか?それ」


確かに俺達は神力の使い方なんて分かってねぇけどさ…集落じゃ使い所なんて無かったしな。ってそれは言い訳か。


「悪いも何も…御使は人々の憧れでもあるんだぞ。そんな中途半端な御使が現れれば、他の御使にも悪影響が出る。親に教えて貰わなかったのか?」


「母様は亡くなってます。それに、私達が居た集落では、私達は呪われた双子だと…忌子だと罵られていました。母様を悪く言わないで」


「母上は素晴らしい人だわ!!俺達を産んで、守ってくれた人なんだ…!御使について母上は教えてくれたよ!でも…!妖の子だって言われてる俺達が神力なんて使ったら殺される可能性だってあった!!神力を使わずにいたのは、自分達を守る為なんだよ!文句あっか!?」


マザコン?シスコン?ハッ!好きな様に言いやがれ。精神年齢【ーーー】歳の俺は寛大に受け止めてやる!


「…それは…それは此方の配慮が足りなかったな…済まない。お前達の居た集落は…酷い場所だったんだな」


其奴は怒った様な表情を一変させ、同情する様な、悲しそうな顔をした。んだよ。同情要らねぇんだわ!!絵になってんのもムカつくし!!ここ通せや!!


「だが、未熟な御使は大きな街へ行くと、嫌味を言われたりする事が多い。まだ幼いお前達は尚の事だろう。どうだ、その…俺も御使ではあるからな。お前達に神力の使い方を教えてやるって言うのは…」


「…何だよ急に。何か裏があんのか?金ならねぇぞ。ほぼ無一文だ」


「金は取らんさ。俺も…早くに親を亡くしたからな…神力も、今は居なくなってしまったが、師匠から教わった。あの人からの遺言でな。次はお前が助けろ…だから金は取らないし、衣食住も心配するな。だが、厳しいぞ。どうする」


…かなりの好条件だな…だが…厳しい修行か…風華が心配だ。いや、心配の種は風華しかないけどな!!!


「…簡単には信用出来ない…です。貴方の神力は何?」


やっぱりお前は賢い子だよ…そうだよな、本当の御使なら、何かしら見た目に特徴がある筈だから…それが無ければ、此奴は嘘吐きって事になる!!うん!今日も俺の妹は賢いし可愛いし最強だな!!うんうん!


「ああ…俺の神力は時計ホロロギウム時間を少しの間だけ止められる…まあ役立つ様で役立たない能力だ。因みに俺は二十歳くらいで見た目年齢は止まってるが、実際は百歳くらいいってる」


「はあああああああああああああ!!!??」


「…百歳…」


俺の絶叫と風華の唖然とした声が田舎道に響いた。うん、我ながら煩えわ。


「百歳から数えるのを止めたから、正直正しい年齢は覚えてない」


はあ!!??その見た目で中身爺さんとか反則すぎねぇ!!??何なんだよ!!!










【No.0、集落付近の山道】

滞在期間 三十分

特徴 よく獣が出る。街へと続く道。整備はされて無いので凸凹道。

特産物 無し。果物の木は多数ある。

人々 道なので居ない。

記載者 彼岸風華

記載場所 山道の石の上
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