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前編
part 4
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「というかさ、私には男友達とかなんとか言ってきてさ。本当はそっちの方がデートしてるんじゃない?」
「いやいやいや、俺の方こそ、普通に遊びに来ただけ」
「こっちの顔見て、真っ先にやれデートだとか、彼氏とか散々詮索してきて。それって、やましいことの裏返し?」
「そんな露骨な詮索はしてないと思うけどな」
「いやいや、露骨だったよ? 結構、かなりね」
やっぱり、やましいことしてるんじゃない?
愛の言葉に「デートすることは、別にやましくなんてないだろ?」と律村がさらにムキになる。
「じゃあ、やっぱりデートなんじゃん」
愛が意地悪そうにニヤついてみせた。
「すごい凛とした人だったよね。後ろ姿しか見てないけど、浴衣とっても似合ってた」
律村が「うわっ」と苦々しい顔をしたので、愛は「全部見てたよ、最初から」と追い討ちをかけ、彼を仕留めにかかった。
「天文部の人? なんだかミステリアスな雰囲気だったもんね」
「いや、違うよ」
律村は困ったように、腕を組んだ。
「彼女は今、『音楽部』でコンサート・ミストレスしてるんだ」
音楽部?
愛は、首を傾げてから、「なにそれ、吹奏楽部とは違うの?」と律村の目をじっと見ながら、少々、大げさに聞いてみる。
「六ヶ原高校は、音楽に関する部活の指導に力を入れているんだ。吹奏楽や合唱はもちろん、そのほかの楽器の生徒たちの指導にも熱心なんだ」
「ほかの楽器って、何? 吹奏楽では使われない楽器ってこと?」
「まあ、そんなとこだな。 吹奏楽や管弦楽ではあまり使われない楽器たち。そういうのが集まって、今の音楽部になっているんだ」
「たとえば、琴やアコーディオンみたいな?」
まさか、チェンバロやチェレスタみたいな楽器もあったりして?
愛が少しわくわくしながら尋ねてみると、彼は「俺も音楽部については全然詳しくないんだけど」と冷静に前置きしながら、説明を続けた。
「今の音楽部の主力はマンドリンって楽器らしい」
「いやいやいや、俺の方こそ、普通に遊びに来ただけ」
「こっちの顔見て、真っ先にやれデートだとか、彼氏とか散々詮索してきて。それって、やましいことの裏返し?」
「そんな露骨な詮索はしてないと思うけどな」
「いやいや、露骨だったよ? 結構、かなりね」
やっぱり、やましいことしてるんじゃない?
愛の言葉に「デートすることは、別にやましくなんてないだろ?」と律村がさらにムキになる。
「じゃあ、やっぱりデートなんじゃん」
愛が意地悪そうにニヤついてみせた。
「すごい凛とした人だったよね。後ろ姿しか見てないけど、浴衣とっても似合ってた」
律村が「うわっ」と苦々しい顔をしたので、愛は「全部見てたよ、最初から」と追い討ちをかけ、彼を仕留めにかかった。
「天文部の人? なんだかミステリアスな雰囲気だったもんね」
「いや、違うよ」
律村は困ったように、腕を組んだ。
「彼女は今、『音楽部』でコンサート・ミストレスしてるんだ」
音楽部?
愛は、首を傾げてから、「なにそれ、吹奏楽部とは違うの?」と律村の目をじっと見ながら、少々、大げさに聞いてみる。
「六ヶ原高校は、音楽に関する部活の指導に力を入れているんだ。吹奏楽や合唱はもちろん、そのほかの楽器の生徒たちの指導にも熱心なんだ」
「ほかの楽器って、何? 吹奏楽では使われない楽器ってこと?」
「まあ、そんなとこだな。 吹奏楽や管弦楽ではあまり使われない楽器たち。そういうのが集まって、今の音楽部になっているんだ」
「たとえば、琴やアコーディオンみたいな?」
まさか、チェンバロやチェレスタみたいな楽器もあったりして?
愛が少しわくわくしながら尋ねてみると、彼は「俺も音楽部については全然詳しくないんだけど」と冷静に前置きしながら、説明を続けた。
「今の音楽部の主力はマンドリンって楽器らしい」
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