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第6怪 蝕む
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「遺骨を食べる…?すさまじいほどの、女の情念だね。」
友達Hのちゃんは、体を震わせた。
「…私が気になってるのは、その女性が言った言葉なの。」
入った、入れた、一つになれた-。
「…待って。それ、似たような言葉、聞いたことある。」
私は、驚いてHちゃんを見た。
「ほら、前に少し従兄弟の話したでしょう。心霊スポット行って、従兄弟がおかしくなったったって。従兄弟がそうなる前にね、心霊スポットで似たような言葉を言ってたの。確かね…一緒に居た友達が言うには、入れた…一つになれたって言いながら、よだれ垂らして笑ってたんだって。」
「入れた…。入られたじゃなくて?その従兄弟が言ったんだよね?」
「そう、それなんだよ。従兄弟は入られた方。入れたっていうのは、その従兄弟に入ってきた奴が言う言葉だよ。それを言った時には、もう従兄弟じゃなくて別のモノになってたと思う。実際その時から、従兄弟は別人みたいになっちゃった…。蝕まれたんだよ、従兄弟は。その入ってきた奴に。」
※※※
蝕む…虫喰む。
「蝕む」の異表記、または元来の表記だ。
虫喰むとは、いわゆる虫食いが物を損なうこと、あるいは病などが徐々に心身を侵してゆくことを意味している。
…何者かに体に入られ、身も心も蝕まれてしまった従兄弟。
「それにしても、人様の中に入りたいなんて言って、勝手に入ってくるなんて…。とんでもない悪者だよ、そいつは。」
そう言うと、Hちゃんは私をキッと睨んだ-。
友達Hのちゃんは、体を震わせた。
「…私が気になってるのは、その女性が言った言葉なの。」
入った、入れた、一つになれた-。
「…待って。それ、似たような言葉、聞いたことある。」
私は、驚いてHちゃんを見た。
「ほら、前に少し従兄弟の話したでしょう。心霊スポット行って、従兄弟がおかしくなったったって。従兄弟がそうなる前にね、心霊スポットで似たような言葉を言ってたの。確かね…一緒に居た友達が言うには、入れた…一つになれたって言いながら、よだれ垂らして笑ってたんだって。」
「入れた…。入られたじゃなくて?その従兄弟が言ったんだよね?」
「そう、それなんだよ。従兄弟は入られた方。入れたっていうのは、その従兄弟に入ってきた奴が言う言葉だよ。それを言った時には、もう従兄弟じゃなくて別のモノになってたと思う。実際その時から、従兄弟は別人みたいになっちゃった…。蝕まれたんだよ、従兄弟は。その入ってきた奴に。」
※※※
蝕む…虫喰む。
「蝕む」の異表記、または元来の表記だ。
虫喰むとは、いわゆる虫食いが物を損なうこと、あるいは病などが徐々に心身を侵してゆくことを意味している。
…何者かに体に入られ、身も心も蝕まれてしまった従兄弟。
「それにしても、人様の中に入りたいなんて言って、勝手に入ってくるなんて…。とんでもない悪者だよ、そいつは。」
そう言うと、Hちゃんは私をキッと睨んだ-。
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