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運命の相手と巡り合えた婚約者は、私を捨てましたが…それが、破滅の始まりだったようです。
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私は婚約者から、突然婚約破棄を告げられた。
「…俺は、運命の相手に出会ったんだ!」
「運命って…あなたは以前、その相手は私だと言いませんでした?」
「それは間違いだ。俺は父に、お前を運命の相手だと紹介され…そう思い込んでしまっただけだ。それに比べ、彼女を初めて見た時の衝撃と言ったら…!絶対に間違いない…彼女こそが、俺の本当の運命の相手だ!そもそも…お前みたいな地味女に、俺の相手が務まる訳がないんだ。」
そう言って、彼は馬鹿にしたように笑った。
「…分かりました。あなたがそこまで言うなら、婚約破棄します。」
「やった!俺は彼女と幸せになるから…お前もせいぜい、いい相手を見つける事だな─!」
そう言って、彼は私から去って行った。
私は…あなたが言う運命の相手というものを、否定はしない。
だけど…その彼女は─。
まぁ、すぐにあの人も気づく事になるでしょう。
そして、激しく後悔する事になるわ─。
※※※
「…あいつとは、ちゃんと婚約破棄して来たよ。」
「嬉しい…これで、私達を邪魔する女は消えたわね!」
そう言って喜ぶ彼女は、とても可愛らしかった。
「まさか、街中で呼び止められ…占いで運命の相手と出会う事になるとは、夢にも思わなかったよ。でも、君を一目見た瞬間、俺の身体に電流のようなものが走り…俺の心は打ち震えた。そして、運命の相手という言葉が頭に浮かんだんだ。」
「私も、あなたと全く同じよ!私達って、本当に相性がいいのね!」
そしてその夜…俺と彼女は、身も心も結ばれたのだった─。
しかし、その翌日からだ。
俺は、魔力が一切なくなってしまった。
あれだけ色んな術が使えたのに…俺は一体、どうしてしまったと言うんだ…?
これはマズイ事になった…。
魔力が全くない人間など、この国では生きていけないぞ。
このままでは、次期当主の座が危うい─!
すると、俺の不安は見事に的中し…俺は、父に呼び出される事になった。
「魔力がなくなったと言うのは、どうやら本当のようだな…。そんな体になっては、もうこの家を任せる事は出来ん。それどころか…もう、していたこの家にも置いておけない。お前は、その運命の相手とやらと共に、辺境の地にある村へ送る事となった。」
そこは…魔力ない者ばかりを集めた、貧しい村だ。
そんな所で、裕福な暮らしをしていたこの俺が、とても生きていける訳が─。
「ど、どうしてこんな事に…!俺の、何がいけなかったんだ─!」
「そんなの…あの女と交わったからですよ。」
※※※
「お前…どうしてここに!?」
「あなたのお父上に呼ばれたのです。」
「彼女は、お前の弟の婚約相手になって貰う事にした。」
「何ですって!?」
「彼女は…相手の魔力を高める事が出来る、素晴らしい能力の持ち主だ。そんな彼女がこの家の嫁になってくれれば、この家も安泰だ。」
「弟君は…彼と違い、とても優秀で真面目な方と聞きます。喜んで婚約させて頂きますわ。」
「な、生意気な…!それが元婚約者に対する言葉か!?」
「…本当の事じゃない。あの女に雇われた偽占い師の言葉にすっかり騙された挙句、闇魔法をかけられ…あなたは、あの女の虜になってしまったのだから─。」
「…え?」
実は、占い師の正体は闇魔法を使う魔法使いで…あの女に金で雇われ、占い師の振りをして彼に声をかけたのだ。
そして、彼が占いにすっかり夢中になっている間に、魅了の術をかけ…そこへ、隠れていたあの女が登場する、という計画だったのだ─。
「あの女は、前々からあなたの様子をこっそり伺っていた怪しい女でしたから…私は、きっと何かすると思い用心して居ました。」
「ど、どうして俺に教えなかった!」
「言いましたよ?そしたら…流石美形の俺、可愛い女ならそのままにしておけと…そう言って、真面目に話を聞かないから…だから、もう放っておいたんです。あなたは、きっと痛い目を見るまで分からないだろうと思って─。」
「それは…魔力を失った事か?だが…俺の魔力が消えた事と彼女と、何の関係が─」
「私が、魔力を高める能力なら…あの女は、反対に相手の魔力を低下させる力の持ち主だったようですね。彼女と交わった事で、元々少なかったあなたの魔力は、ゼロになったんですよ。」
「元々、少ない…?」
「お前は…昔から彼女を傍に置いて居た事で、あの強い魔力を持つ事が出来たんだ。お前のような無能には、彼女のような有能な相手こそが、相応しい…まさに、運命の相手だったと言うのに─。なのに、捨てるような愚かな事をしおって!お前はもう、私の息子でも何でもない…早くこの家から出て行け!」
「そ、そんなぁ…。」
彼は、父親に冷たくされ涙し…それから、縋るような目で私を見て来たが…私は顔を反らし、無視を決め込んだ。
こうして彼は、使用人たちに取り押さえられ無理矢理馬車に押し込まれると、この家を後にしたのだった─。
※※※
その後彼は、予定通りその女と共に辺境の地に住む事になった。
黒魔術はこの国で禁止されて居て…この計画を企てた彼女は、罰として自身の魔力を剥奪され…彼と同じ、魔力を持たない者になったのだ。
そう思うと…今のあなた達は、魔力の無い者同士お似合いじゃない。
それこそ、本当の運命の相手になったという訳ね。
その村は厳しい監視下に置かれ、逃げ出す事など出来ないから…あなた達は、ずっと一緒…。
運命で結ばれた者同士、どうそ死ぬまでそこで過ごして下さいね─。
「…俺は、運命の相手に出会ったんだ!」
「運命って…あなたは以前、その相手は私だと言いませんでした?」
「それは間違いだ。俺は父に、お前を運命の相手だと紹介され…そう思い込んでしまっただけだ。それに比べ、彼女を初めて見た時の衝撃と言ったら…!絶対に間違いない…彼女こそが、俺の本当の運命の相手だ!そもそも…お前みたいな地味女に、俺の相手が務まる訳がないんだ。」
そう言って、彼は馬鹿にしたように笑った。
「…分かりました。あなたがそこまで言うなら、婚約破棄します。」
「やった!俺は彼女と幸せになるから…お前もせいぜい、いい相手を見つける事だな─!」
そう言って、彼は私から去って行った。
私は…あなたが言う運命の相手というものを、否定はしない。
だけど…その彼女は─。
まぁ、すぐにあの人も気づく事になるでしょう。
そして、激しく後悔する事になるわ─。
※※※
「…あいつとは、ちゃんと婚約破棄して来たよ。」
「嬉しい…これで、私達を邪魔する女は消えたわね!」
そう言って喜ぶ彼女は、とても可愛らしかった。
「まさか、街中で呼び止められ…占いで運命の相手と出会う事になるとは、夢にも思わなかったよ。でも、君を一目見た瞬間、俺の身体に電流のようなものが走り…俺の心は打ち震えた。そして、運命の相手という言葉が頭に浮かんだんだ。」
「私も、あなたと全く同じよ!私達って、本当に相性がいいのね!」
そしてその夜…俺と彼女は、身も心も結ばれたのだった─。
しかし、その翌日からだ。
俺は、魔力が一切なくなってしまった。
あれだけ色んな術が使えたのに…俺は一体、どうしてしまったと言うんだ…?
これはマズイ事になった…。
魔力が全くない人間など、この国では生きていけないぞ。
このままでは、次期当主の座が危うい─!
すると、俺の不安は見事に的中し…俺は、父に呼び出される事になった。
「魔力がなくなったと言うのは、どうやら本当のようだな…。そんな体になっては、もうこの家を任せる事は出来ん。それどころか…もう、していたこの家にも置いておけない。お前は、その運命の相手とやらと共に、辺境の地にある村へ送る事となった。」
そこは…魔力ない者ばかりを集めた、貧しい村だ。
そんな所で、裕福な暮らしをしていたこの俺が、とても生きていける訳が─。
「ど、どうしてこんな事に…!俺の、何がいけなかったんだ─!」
「そんなの…あの女と交わったからですよ。」
※※※
「お前…どうしてここに!?」
「あなたのお父上に呼ばれたのです。」
「彼女は、お前の弟の婚約相手になって貰う事にした。」
「何ですって!?」
「彼女は…相手の魔力を高める事が出来る、素晴らしい能力の持ち主だ。そんな彼女がこの家の嫁になってくれれば、この家も安泰だ。」
「弟君は…彼と違い、とても優秀で真面目な方と聞きます。喜んで婚約させて頂きますわ。」
「な、生意気な…!それが元婚約者に対する言葉か!?」
「…本当の事じゃない。あの女に雇われた偽占い師の言葉にすっかり騙された挙句、闇魔法をかけられ…あなたは、あの女の虜になってしまったのだから─。」
「…え?」
実は、占い師の正体は闇魔法を使う魔法使いで…あの女に金で雇われ、占い師の振りをして彼に声をかけたのだ。
そして、彼が占いにすっかり夢中になっている間に、魅了の術をかけ…そこへ、隠れていたあの女が登場する、という計画だったのだ─。
「あの女は、前々からあなたの様子をこっそり伺っていた怪しい女でしたから…私は、きっと何かすると思い用心して居ました。」
「ど、どうして俺に教えなかった!」
「言いましたよ?そしたら…流石美形の俺、可愛い女ならそのままにしておけと…そう言って、真面目に話を聞かないから…だから、もう放っておいたんです。あなたは、きっと痛い目を見るまで分からないだろうと思って─。」
「それは…魔力を失った事か?だが…俺の魔力が消えた事と彼女と、何の関係が─」
「私が、魔力を高める能力なら…あの女は、反対に相手の魔力を低下させる力の持ち主だったようですね。彼女と交わった事で、元々少なかったあなたの魔力は、ゼロになったんですよ。」
「元々、少ない…?」
「お前は…昔から彼女を傍に置いて居た事で、あの強い魔力を持つ事が出来たんだ。お前のような無能には、彼女のような有能な相手こそが、相応しい…まさに、運命の相手だったと言うのに─。なのに、捨てるような愚かな事をしおって!お前はもう、私の息子でも何でもない…早くこの家から出て行け!」
「そ、そんなぁ…。」
彼は、父親に冷たくされ涙し…それから、縋るような目で私を見て来たが…私は顔を反らし、無視を決め込んだ。
こうして彼は、使用人たちに取り押さえられ無理矢理馬車に押し込まれると、この家を後にしたのだった─。
※※※
その後彼は、予定通りその女と共に辺境の地に住む事になった。
黒魔術はこの国で禁止されて居て…この計画を企てた彼女は、罰として自身の魔力を剥奪され…彼と同じ、魔力を持たない者になったのだ。
そう思うと…今のあなた達は、魔力の無い者同士お似合いじゃない。
それこそ、本当の運命の相手になったという訳ね。
その村は厳しい監視下に置かれ、逃げ出す事など出来ないから…あなた達は、ずっと一緒…。
運命で結ばれた者同士、どうそ死ぬまでそこで過ごして下さいね─。
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