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私の婚約者を寝取る親友を、オークションに出品しようと思います。<前>

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「本当に、彼女がここに…?」

「ええ、あなたをむかえに来るように頼んだから。それまで、この部屋で休んでて?」

 私は、彼をベットにうながした。

 …上手くいったわ。
 お酒が弱いとは聞いていたけど、ここまでとはね。

 あの女が迎えに来るなんて言うのは、うそ

 あなたはこれから、私と楽しい夜を過ごすのよ!

 その時だった。
 コンコンと、だれかが部屋のドアをノックする音がした。

 何よ、これからって時に─。

※※※

 …あれ、ここは、どこ?

 何か、真っ暗なんだけど。
 もしかして私、目隠めかくしされてる?

 さっきまで彼と一緒に、ホテルの部屋に居たのに…。

 そうよ、彼はどこ!?

 困惑こんわくする私の視界しかいが、突然とつぜん明るくなった。

 まぶしい!
 …スポットライト?

「次の商品しょうひんは、親友の婚約者をうばおうとする泥棒猫どろぼうねこです。」

「しょ、商品!?」

 これは何なの…みんな仮面かめんを付けていて、顔が分からない。

「300!」

「500!」

「800!」

「1000!」

「1000が出ました。それより上は…居ないようですね。では1000で落札らくさつです!」

 私はおりから出され、ある部屋で待つように言われた。

 さっきのは、何かのオークション会場だった。
 私は、だれに落札されたの?

 それより、これは一体どういうことなのよ!?

 ルームサービスと言われ部屋のドアを開けたら、いきなり何かをがされ…気づけば目隠しされて檻の中。

 …みょうにこもった声でおかしいと思ったけど、まさかこんな事になるなんて!

失礼しつれいするわ。」

 部屋の中に、仮面を付けた人物が入って来た。

「この声…あんた、ルームサービスって部屋をたずねて来たやつでしょ!何よその仮面、顔を見せなさいよ!」

※※※

「あ、あんた、何でここに…。」

 仮面をはずした私の顔を見た親友は、さおになりふるえた。 
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