2 / 47
第一部
2・王子さまな幼馴染
しおりを挟む
ゼクス……エルーゼクス第三王子と、裏庭で偶然に出会ったのは、五歳の時。同じ年齢のゼクスは、その当時から既に、『はみ出し者王子』として王宮で持て余されていた。身分と年齢相応の振る舞いが出来ない我儘王子……兄上様たちは同じ頃にはきちんとご挨拶も出来ていたのに、暴言を吐き、誰の言う事も聞かない可愛げのない王子、と。そしてしょっちゅう部屋を抜け出しては、城内で捜索されていた。
『なんだおまえ、一人でこそこそ何やってんだよ』
初対面の第一声を、はっきり覚えてる。確かに、苛々した表情で可愛げなどなかった。
『あの……お花を摘んでいたんです。厨房に飾るのに摘んでこいと言われて』
誰だか判らないけれど、偉い坊ちゃまには違いないと思って私が答えると、
『もう夕暮れなのに、その籠にはほとんど花なんかないじゃないか』
と言われる。幼い私は俯いて、
『今の季節にはお花はあまり咲いてませんから……いやがらせなんです。あ、いつもの事なんで別にかまわないんですけど』
『……おれが手伝ってやる』
そして、少し寒い風が吹く中、ゼクスは私と並んで名もない花を摘んでくれた。
『おまえの名前は?』
『リエラ……』
『おれは、ゼクス』
『ゼクス……』
実はその時、私はゼクスという愛称が、エルーゼクス王子さまと頭の中で結びつかなかっただけなんだけれど、ゼクスの方では、王子と知っても驚かない小間使いに感動を覚えたらしい。
『おれのこと、ゼクスって呼んでくれるか? 友達になってくれるか?』
『私でよければ……』
『やった! おれ、友達いないんだよ。そりゃ、周りに貴族の子どもはいるけど、みんなおれの機嫌をとりたいだけなんだ。なあ、俺の事、ゼクスさまとか絶対言うなよ。友達なんだから!』
『はい、ゼクス』
『敬語もなしだ!』
『うん、ゼクス』
こうして、勘違いから始まった友情だけど、私はゼクスが王宮で孤立しているのを知って、身分なんか関係なしに支えになりたいと思ったのだ。
私がゼクスの支えになるには、私が弱くて周囲の意地悪に負けていてはいけない。そう思って、私は強くなった。そしたら、生きるのが楽しくなった。
今でも、秘密の幼馴染として、ゼクスと私は時々、誰も来ない古ぼけた廃聖堂で会っている。ゼクスは、私に会うのは何よりの息抜きだと言ってくれる。私は主に、ゼクスに勉強を教えて貰っている。色々な事を知るのはとても楽しい。ただ小間使いの仕事をしているだけでは味わえない、世界の広がりを、ゼクスは私に教えてくれた。
ゼクスは最近、たくさん舞い込んでくる縁談に頭を抱えている。ゼクスが結婚してしまったら、もう今までみたいには逢えなくなるのだと思うと寂しいけれど、それまでは、傍に居て今まで通り支えになってあげるつもりなのだ。だから、突然他の国に行ってしまうなんて出来ない。
―――
ここまで考えて、ふと私の足が止まる。
もし、私が本当に王女さまなら……私はゼクスと結婚できるのでは? 小間使いには雲の上の話でも、王女さまなら……そうしたら、ずうっとゼクスと一緒にいられる。勿論、ゼクスが望めば、だけども。
くるりと振り向いた私に、お待ちくださいと懇願していた騎士さまは嬉しそう。
「もし……その話が本当で、私が王女として国へ帰れば……この国の王子さまに嫁ぐ事は出来ますか?」
「えっ」
何故か、騎士さまの顔が強張る。駄目なのか。もう婚約者がいるとか? そんなら願い下げだ。結婚相手は自分で選びたい。
「結婚相手は、選べないのですか」
「い、いえ、そんな事は御座いません。婚約者候補は幾人かいらっしゃいますが……」
「どうせ私はいなかった身なんですから、他国へ嫁いだって構わないのでは?」
「申し訳ございません。王女殿下にはずっと我が国でお過ごし頂きたいのです。何故なら、数日前……兄君のアークリオン殿下が、敵対勢力によって暗殺されてしまったからでございます」
「え……」
今まで存在すら知らなかった兄でも、殺されたと聞けばやはり胸は痛む。
騎士さまは余程忠誠心が強いのか、うっすら涙ぐんでいる。
「名君の器間違いなしと将来を嘱望されていましたのに……」
「ちょっと待って下さい。他に兄弟はいないんですか?」
「おられません。もう、我が国王陛下ご夫妻には、アークリエラさましか御子はおられないのです」
「じゃ、じゃあ、まさか、私に次期女王になれ、と?!」
これにはさすがにびっくりした。そんなに責任重大だったとは。でも、今まで小間使いとして生きて来た王女が、いきなり皆に認められる訳ないと思うんだけど。
けれど、騎士さまが言い出したことは、ずっと私の想像を超えていた。
「いえ……王太子殿下の死は伏せられていますし、貴女さまの存在は、ごく僅かな者しか知りません。貴女さまを隠していたと知れれば、国王陛下のお立場は一層悪くなるでしょう……」
「え、じゃあ、私が帰る意味はないのでは?」
「いいえ。幸い、王女殿下はアークリオン殿下に生き写し。体格も、身長がほぼ同じなので、詰め物やその、押えたりすれば、充分誤魔化せそうだと……」
「? 何が仰りたいの?」
「つまり、アークリオン殿下になって頂きたいのです! 小間使いは辞めて、王太子殿下になって欲しいのです! でなければ、王家の、国の行く末は絶望的なのです! 兄君の遺志を継いで頂きたいのです! 魂を分け合った双子同士……お受け下さいますね?」
「……つまり、私に今後ずっと、男として生きろと?」
「そうなりますね」
―――
そして、話は冒頭へ返る。
私は、水の入った手桶を向こうへ置いて来た事を後悔する。なにが、『そうなりますね』だ。ひとの人生をなんだと思ってるんだ。やっぱり一桶分冷水をぶっかけたい!
私はきっぱりと言い放った。
「は?! 冗談じゃないわ。お帰り下さい!」
―――
お待ちください、もう少し話をお聞きください、と縋るような声を出す騎士さまを置き去りに、私は水桶を持って厨房へ戻った。
流石に追っては来ない。何もかも秘密のままに、あの人は私を連れ去りたかったのだから。
小間使いがある日一人行方不明になった所で、大した騒ぎにもなるまい、とたかを括っていたのだろう。それも腹立たしい。
「遅くなってごめんなさい!」
「ご苦労、リエラ。もう上がっていいよ」
どすんと水桶を床に置くと、料理長が労いの言葉をくれる。料理長は気の良いひとで、数少ない私の理解者だ。四十代で家庭持ちだけど、会った事もない実の父親――仮に王様だとしても――よりもずっと、父のように思える存在。
明日には、私は17歳になる。成人だ。今までは、不仲な育ての母さんと相部屋だったけど、成人になれば狭くても個室が貰える。それを楽しみに、別に成人になる事自体は祝う予定もない母子、というのもがっかりものだけど、私から祝ってくれなんて言えないし、とにかく馬が合わないものは仕方がない。
私たちはずっと、城内の、使用人の為の集合住居の一室で二人で暮らして来た。私を引き取る前、母さんには、夫と、その間に生まれた赤ちゃんがいたらしい。母さんに直接なんて聞き辛くて聞けなかったけれど、周囲から聞いた話では、赤ちゃんが病で死んでしまい、どういう経緯かは判らないけど、母さんは私を育てる事になった。でも、夫とは段々不仲になり、二人は別れ、夫は城勤めを辞めて街で働いているらしい。元夫の事を、母さんは一度も私に話した事はないけれど。もし二人が別れなければ、私はその人を父さんと呼び、もう少し温かい家庭があったのだろうか?
部屋に戻ると、最後の夜なのに母さんはもう寝ていた。
寝着に着替えようとしていた時、こつんと窓に何か当たった。
(まさかまたあの騎士じゃないでしょうね……)
むかっとして窓から外を見ると、この、使用人の為の共同生活小屋の裏庭に、赤毛の若者が立っていた。ゼクス……?! 王子さまなのにこんな夜に部屋を抜け出して来たの?
『なんだおまえ、一人でこそこそ何やってんだよ』
初対面の第一声を、はっきり覚えてる。確かに、苛々した表情で可愛げなどなかった。
『あの……お花を摘んでいたんです。厨房に飾るのに摘んでこいと言われて』
誰だか判らないけれど、偉い坊ちゃまには違いないと思って私が答えると、
『もう夕暮れなのに、その籠にはほとんど花なんかないじゃないか』
と言われる。幼い私は俯いて、
『今の季節にはお花はあまり咲いてませんから……いやがらせなんです。あ、いつもの事なんで別にかまわないんですけど』
『……おれが手伝ってやる』
そして、少し寒い風が吹く中、ゼクスは私と並んで名もない花を摘んでくれた。
『おまえの名前は?』
『リエラ……』
『おれは、ゼクス』
『ゼクス……』
実はその時、私はゼクスという愛称が、エルーゼクス王子さまと頭の中で結びつかなかっただけなんだけれど、ゼクスの方では、王子と知っても驚かない小間使いに感動を覚えたらしい。
『おれのこと、ゼクスって呼んでくれるか? 友達になってくれるか?』
『私でよければ……』
『やった! おれ、友達いないんだよ。そりゃ、周りに貴族の子どもはいるけど、みんなおれの機嫌をとりたいだけなんだ。なあ、俺の事、ゼクスさまとか絶対言うなよ。友達なんだから!』
『はい、ゼクス』
『敬語もなしだ!』
『うん、ゼクス』
こうして、勘違いから始まった友情だけど、私はゼクスが王宮で孤立しているのを知って、身分なんか関係なしに支えになりたいと思ったのだ。
私がゼクスの支えになるには、私が弱くて周囲の意地悪に負けていてはいけない。そう思って、私は強くなった。そしたら、生きるのが楽しくなった。
今でも、秘密の幼馴染として、ゼクスと私は時々、誰も来ない古ぼけた廃聖堂で会っている。ゼクスは、私に会うのは何よりの息抜きだと言ってくれる。私は主に、ゼクスに勉強を教えて貰っている。色々な事を知るのはとても楽しい。ただ小間使いの仕事をしているだけでは味わえない、世界の広がりを、ゼクスは私に教えてくれた。
ゼクスは最近、たくさん舞い込んでくる縁談に頭を抱えている。ゼクスが結婚してしまったら、もう今までみたいには逢えなくなるのだと思うと寂しいけれど、それまでは、傍に居て今まで通り支えになってあげるつもりなのだ。だから、突然他の国に行ってしまうなんて出来ない。
―――
ここまで考えて、ふと私の足が止まる。
もし、私が本当に王女さまなら……私はゼクスと結婚できるのでは? 小間使いには雲の上の話でも、王女さまなら……そうしたら、ずうっとゼクスと一緒にいられる。勿論、ゼクスが望めば、だけども。
くるりと振り向いた私に、お待ちくださいと懇願していた騎士さまは嬉しそう。
「もし……その話が本当で、私が王女として国へ帰れば……この国の王子さまに嫁ぐ事は出来ますか?」
「えっ」
何故か、騎士さまの顔が強張る。駄目なのか。もう婚約者がいるとか? そんなら願い下げだ。結婚相手は自分で選びたい。
「結婚相手は、選べないのですか」
「い、いえ、そんな事は御座いません。婚約者候補は幾人かいらっしゃいますが……」
「どうせ私はいなかった身なんですから、他国へ嫁いだって構わないのでは?」
「申し訳ございません。王女殿下にはずっと我が国でお過ごし頂きたいのです。何故なら、数日前……兄君のアークリオン殿下が、敵対勢力によって暗殺されてしまったからでございます」
「え……」
今まで存在すら知らなかった兄でも、殺されたと聞けばやはり胸は痛む。
騎士さまは余程忠誠心が強いのか、うっすら涙ぐんでいる。
「名君の器間違いなしと将来を嘱望されていましたのに……」
「ちょっと待って下さい。他に兄弟はいないんですか?」
「おられません。もう、我が国王陛下ご夫妻には、アークリエラさましか御子はおられないのです」
「じゃ、じゃあ、まさか、私に次期女王になれ、と?!」
これにはさすがにびっくりした。そんなに責任重大だったとは。でも、今まで小間使いとして生きて来た王女が、いきなり皆に認められる訳ないと思うんだけど。
けれど、騎士さまが言い出したことは、ずっと私の想像を超えていた。
「いえ……王太子殿下の死は伏せられていますし、貴女さまの存在は、ごく僅かな者しか知りません。貴女さまを隠していたと知れれば、国王陛下のお立場は一層悪くなるでしょう……」
「え、じゃあ、私が帰る意味はないのでは?」
「いいえ。幸い、王女殿下はアークリオン殿下に生き写し。体格も、身長がほぼ同じなので、詰め物やその、押えたりすれば、充分誤魔化せそうだと……」
「? 何が仰りたいの?」
「つまり、アークリオン殿下になって頂きたいのです! 小間使いは辞めて、王太子殿下になって欲しいのです! でなければ、王家の、国の行く末は絶望的なのです! 兄君の遺志を継いで頂きたいのです! 魂を分け合った双子同士……お受け下さいますね?」
「……つまり、私に今後ずっと、男として生きろと?」
「そうなりますね」
―――
そして、話は冒頭へ返る。
私は、水の入った手桶を向こうへ置いて来た事を後悔する。なにが、『そうなりますね』だ。ひとの人生をなんだと思ってるんだ。やっぱり一桶分冷水をぶっかけたい!
私はきっぱりと言い放った。
「は?! 冗談じゃないわ。お帰り下さい!」
―――
お待ちください、もう少し話をお聞きください、と縋るような声を出す騎士さまを置き去りに、私は水桶を持って厨房へ戻った。
流石に追っては来ない。何もかも秘密のままに、あの人は私を連れ去りたかったのだから。
小間使いがある日一人行方不明になった所で、大した騒ぎにもなるまい、とたかを括っていたのだろう。それも腹立たしい。
「遅くなってごめんなさい!」
「ご苦労、リエラ。もう上がっていいよ」
どすんと水桶を床に置くと、料理長が労いの言葉をくれる。料理長は気の良いひとで、数少ない私の理解者だ。四十代で家庭持ちだけど、会った事もない実の父親――仮に王様だとしても――よりもずっと、父のように思える存在。
明日には、私は17歳になる。成人だ。今までは、不仲な育ての母さんと相部屋だったけど、成人になれば狭くても個室が貰える。それを楽しみに、別に成人になる事自体は祝う予定もない母子、というのもがっかりものだけど、私から祝ってくれなんて言えないし、とにかく馬が合わないものは仕方がない。
私たちはずっと、城内の、使用人の為の集合住居の一室で二人で暮らして来た。私を引き取る前、母さんには、夫と、その間に生まれた赤ちゃんがいたらしい。母さんに直接なんて聞き辛くて聞けなかったけれど、周囲から聞いた話では、赤ちゃんが病で死んでしまい、どういう経緯かは判らないけど、母さんは私を育てる事になった。でも、夫とは段々不仲になり、二人は別れ、夫は城勤めを辞めて街で働いているらしい。元夫の事を、母さんは一度も私に話した事はないけれど。もし二人が別れなければ、私はその人を父さんと呼び、もう少し温かい家庭があったのだろうか?
部屋に戻ると、最後の夜なのに母さんはもう寝ていた。
寝着に着替えようとしていた時、こつんと窓に何か当たった。
(まさかまたあの騎士じゃないでしょうね……)
むかっとして窓から外を見ると、この、使用人の為の共同生活小屋の裏庭に、赤毛の若者が立っていた。ゼクス……?! 王子さまなのにこんな夜に部屋を抜け出して来たの?
0
お気に入りに追加
273
あなたにおすすめの小説
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから
gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる