Suckers for Love（サッカーズフォーラブ）

第19話

「柳人さん、離れたくないです……」
　背中から抱きしめた柳人のうなじに口付けながら、陽平がつぶやいた。激しく繋がった後の柳人の素肌はしっとりとして滑らかで手のひらに心地よく、陽平は彼のみぞおちから下腹あたりまでを撫でた。
「……ゃ、あ……ッ」
　それに嬌声を上げた柳人は陽平の手を押さえて身動みじろぎした。
「またシたくなるから、だめ……」
　先ほど告白を断ったくせにその声はひどく甘くて、陽平は戸惑った。遠距離なのが辛いというのは本当だろうが、もしかして自分を必要としてくれているのではないだろうか——。
「じゃあ、またシましょう……」
　陽平は柳人の耳朶じだを食はみながらそう囁くと、下腹に添えていた手をさらに滑らせて彼の中心を握った。強弱をつけて扱くとソレはすぐに力を取り戻し、先走りを漏らしはじめた。陽平はその雫で濡れた指をぺろりと舐め、今度は彼の女の部分にゆっくりと指を挿れた。
「はぁ、あ……」
　熱い息を漏らしている柳人のそこはすでにぐっしょりと濡れており、それについさっきまで陽平の男の象徴を受け入れていたから、すぐに指を三本まで受け入れた。これならもう挿入できそうだと判断した陽平は、カチカチになったモノを後ろから柳人の入り口に宛てがった。
「ぁ、ぅ……」
　熱いモノが入ってくるのを期待した柳人が小さく喘いで、愛液でぬめった膣口がひくひくと痙攣けいれんした。しかし陽平は挿入せず、代わりに腕を回して桃色の乳首を摘つまんで弄った。
「ぃ、あ……っ、だ、だめ……！」
「柳人さん、俺のモノになってください……。遠いのが辛いなら、一緒に東京へ行きませんか……？」
　無理を言っているということは分かっていたが、陽平はそう請わずにはいられなかった。今、こんなにも熱く抱き合っている柳人と離れるなんて、到底できそうになかった。いつまでも、彼のそばで居たかった。
「ねえ、柳人さん……」
　答えずにいる柳人に焦れた陽平が肉棒で入り口を突くと、苦しそうな声が漏れた。——しかしそれでも返事はなく……、陽平は眉を寄せると、きつく目を閉じた。