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人は求め続けることで生きてゆけるのさ!
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体の芯まで冷え込む夜。
一つの布に、幼い子供二人が一緒にくるまっています。
弟のココは、姉のチトにねだりました。
ココ「本読んで」
カフェ「また?」
ココ「じゃないと眠れないの」
カフェ「それは、お腹空いてるからでしょう」
ココ「うう……」ぐすっ
カフェ「泣くな。男でしょう」
ココ「だってえ……」しくしく
カフェ「私はね。メルヘンが嫌いなの」
ココ「ううーう……」しくしく
カフェ「はあー……。まったくもう」
チトが本を読み終えると、ココはスヤスヤと眠りました。
そして明くる朝。
ココ「また一人にするの?」ぎゅ
カフェ「仕方ないでしょう」
パパ「チト。側にいてあげたらどうだ」
カフェ「嫌よ。私手伝うの」
ママ「お母さん達、二人で平気だから」
カフェ「行くって言ってるの分からないわけ!」
チトは森へと駆けると、暖炉にくべる枝を、せっせと集め始めました。
すると。
ココ「おねーちゃん見て!ドングリ集めたよ!」ほら
カフェ「どうして来たの!」
ココ「だって……」
カフェ「もう!転んだり、川に落ちたり、うさぎ追いかけて迷子になったりはやめてよね!」
ココ「うん!」
カフェ「本当、しょうがないんだから……」ぶつぶつ
ふと振り向くと、ココの姿がありませんでした。
カフェ「ちっ。ココーーー!」
ココ「おねーちゃーん!」
助けを呼ぶ声の方へ駆けると、ココが緩い傾斜を滑り落ち、そこで体を丸めて泣いていました。
カフェ「何よ。転んだだけじゃない」
ココ「助けてー!」しくしく
カフェ「甘えない!自分で立ちなさい!」
ココ「うわあああん!」しくしく
カフェ「もう!このばかっ!」
チトはココの手を取って、立たせてやりました。
ココ「ありがとう!」にこにこ
カフェ「ふんっ!」ぷい
その時、ココのお腹が鳴りました。
ココ「ごめんなさい!違うの!」あせあせ
カフェ「お腹空いてるんでしょう」
ココ「違うよ……」く~
カフェ「ほら」
チトは持っていたパンの欠片をココにやりました。
ココ「おねーちゃん?」
カフェ「食べないと、ひっぱたくよ!」
ココ「んしょ……はい!」
ココは、それを半分にちぎって、チトに渡しました。
ココ「半分こ!」
カフェ「いい!」
ココ「半分こがいい!」
カフェ「どうして?」
ココ「おねーちゃんが好きだから!」にこー
カフェ「……もう」ぐすっ
チトはそれを受けとると、よく味わって食べました。
ココ「おねーちゃん、泣かないで」よしよし
カフェ「泣いてない」ぐすっ
ココ「ぼく、頑張るから!おねーちゃんみたいになるから!」
カフェ「…………」なでなで
ココ「いひひ!」
カフェ「一緒に、枝を集めようか」
ココ「うん!」
カフェ「何があっても。お姉ちゃんが、あなたを守ってあげるからね」
ココ「本当!」ぎゅ
カフェ「ずっと、あなたの側にいてあげる」ぎゅ
ココ「わーい!やったー!」
それから、時を重ねたある日。
深く暗い森の中。
ココ「チト。僕達、町に辿り着けるかな」
カフェ「弱音吐くなら置いてくよ!」
ココ「もう一日も歩いたよ」
カフェ「なら、もう一日歩けるでしょう」
ココ「…………」
チトは立ち止まって、ココの目を見て言いました。
カフェ「暗い顔しないの。町に着いたら、この金で、何か美味しいものを食べましょう」
ココ「美味しいもの……」く~
カフェ「それから、お姉ちゃん頑張るから。あなたが不自由しないように、ひもじい思いをしないように、ずっとずっと頑張るから」
ココ「お姉ちゃん……」
カフェ「私は何があっても諦めない。あなたの為なら、お姉ちゃんは命だって惜しくないのよ」ぎゅ
ココ「ありがとう」ぎゅ
カフェ「だから、今日くらい。頑張って歩いてちょうだい」
ココ「わかった!頑張るよ!」
カフェ「よく言った!」なでなで
夢が覚めます。
カフェ「!」
チト「あ」
カフェ「ちょっと。何する気?」ぷらーん
チト「ニヤニヤして気持ち悪かったから、熱湯に入れて目を覚ませてやろうかなって」
カフェ「あたし、いつの間に猫に……。て!離しなさい!」ぱたぱた
チト「私、荷造りで忙しいの。だからココをお願いね」にこっ
カフェ「え」
チト「そらあっ!!」どしゅうんっ!
カフェ「にゃあああ!」ひゅー!
ココ「!?」
カフェは勢いよく、湯の中へ落ちましたとさ。
カフェ「もう!お風呂苦手なの!」ぷはっ!
ココ「ひひひっ。逃がさないよ」ぎゅ
カフェ「ふしゃー!」しゃー!
続け!
一つの布に、幼い子供二人が一緒にくるまっています。
弟のココは、姉のチトにねだりました。
ココ「本読んで」
カフェ「また?」
ココ「じゃないと眠れないの」
カフェ「それは、お腹空いてるからでしょう」
ココ「うう……」ぐすっ
カフェ「泣くな。男でしょう」
ココ「だってえ……」しくしく
カフェ「私はね。メルヘンが嫌いなの」
ココ「ううーう……」しくしく
カフェ「はあー……。まったくもう」
チトが本を読み終えると、ココはスヤスヤと眠りました。
そして明くる朝。
ココ「また一人にするの?」ぎゅ
カフェ「仕方ないでしょう」
パパ「チト。側にいてあげたらどうだ」
カフェ「嫌よ。私手伝うの」
ママ「お母さん達、二人で平気だから」
カフェ「行くって言ってるの分からないわけ!」
チトは森へと駆けると、暖炉にくべる枝を、せっせと集め始めました。
すると。
ココ「おねーちゃん見て!ドングリ集めたよ!」ほら
カフェ「どうして来たの!」
ココ「だって……」
カフェ「もう!転んだり、川に落ちたり、うさぎ追いかけて迷子になったりはやめてよね!」
ココ「うん!」
カフェ「本当、しょうがないんだから……」ぶつぶつ
ふと振り向くと、ココの姿がありませんでした。
カフェ「ちっ。ココーーー!」
ココ「おねーちゃーん!」
助けを呼ぶ声の方へ駆けると、ココが緩い傾斜を滑り落ち、そこで体を丸めて泣いていました。
カフェ「何よ。転んだだけじゃない」
ココ「助けてー!」しくしく
カフェ「甘えない!自分で立ちなさい!」
ココ「うわあああん!」しくしく
カフェ「もう!このばかっ!」
チトはココの手を取って、立たせてやりました。
ココ「ありがとう!」にこにこ
カフェ「ふんっ!」ぷい
その時、ココのお腹が鳴りました。
ココ「ごめんなさい!違うの!」あせあせ
カフェ「お腹空いてるんでしょう」
ココ「違うよ……」く~
カフェ「ほら」
チトは持っていたパンの欠片をココにやりました。
ココ「おねーちゃん?」
カフェ「食べないと、ひっぱたくよ!」
ココ「んしょ……はい!」
ココは、それを半分にちぎって、チトに渡しました。
ココ「半分こ!」
カフェ「いい!」
ココ「半分こがいい!」
カフェ「どうして?」
ココ「おねーちゃんが好きだから!」にこー
カフェ「……もう」ぐすっ
チトはそれを受けとると、よく味わって食べました。
ココ「おねーちゃん、泣かないで」よしよし
カフェ「泣いてない」ぐすっ
ココ「ぼく、頑張るから!おねーちゃんみたいになるから!」
カフェ「…………」なでなで
ココ「いひひ!」
カフェ「一緒に、枝を集めようか」
ココ「うん!」
カフェ「何があっても。お姉ちゃんが、あなたを守ってあげるからね」
ココ「本当!」ぎゅ
カフェ「ずっと、あなたの側にいてあげる」ぎゅ
ココ「わーい!やったー!」
それから、時を重ねたある日。
深く暗い森の中。
ココ「チト。僕達、町に辿り着けるかな」
カフェ「弱音吐くなら置いてくよ!」
ココ「もう一日も歩いたよ」
カフェ「なら、もう一日歩けるでしょう」
ココ「…………」
チトは立ち止まって、ココの目を見て言いました。
カフェ「暗い顔しないの。町に着いたら、この金で、何か美味しいものを食べましょう」
ココ「美味しいもの……」く~
カフェ「それから、お姉ちゃん頑張るから。あなたが不自由しないように、ひもじい思いをしないように、ずっとずっと頑張るから」
ココ「お姉ちゃん……」
カフェ「私は何があっても諦めない。あなたの為なら、お姉ちゃんは命だって惜しくないのよ」ぎゅ
ココ「ありがとう」ぎゅ
カフェ「だから、今日くらい。頑張って歩いてちょうだい」
ココ「わかった!頑張るよ!」
カフェ「よく言った!」なでなで
夢が覚めます。
カフェ「!」
チト「あ」
カフェ「ちょっと。何する気?」ぷらーん
チト「ニヤニヤして気持ち悪かったから、熱湯に入れて目を覚ませてやろうかなって」
カフェ「あたし、いつの間に猫に……。て!離しなさい!」ぱたぱた
チト「私、荷造りで忙しいの。だからココをお願いね」にこっ
カフェ「え」
チト「そらあっ!!」どしゅうんっ!
カフェ「にゃあああ!」ひゅー!
ココ「!?」
カフェは勢いよく、湯の中へ落ちましたとさ。
カフェ「もう!お風呂苦手なの!」ぷはっ!
ココ「ひひひっ。逃がさないよ」ぎゅ
カフェ「ふしゃー!」しゃー!
続け!
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