2 / 12
ルディア・フォーエバー
しおりを挟む
ある日、まだ幼いルディアは大好きなお兄ちゃんのためにお使いに出かけることを決めました。
クレイド「心配だなあ」
ルディア「大丈夫だよ!」
クレイド「ペンくらい、お母さんが買ってきてくれるからさ」
ルディア「行くって決めたんだもん!」
お母さん「私も心配だわ」
ルディア「ペン買うだけだもん!」
お母さん「車も通ることはあるからね」
ルディア「えーと、道の端っこで気を付けましょう!」
お母さん「そうなんだけれど、日暮れも近いしやっぱり心配だわ」なでなで
ルディア「すぐ帰るって!」
お母さん「明日にしよう。ね?」
ルディア「今行くの!はやく行かせて!」とたぱた
お母さん「はあ……わかった。くれぐれも気を付けて、すぐに帰って来るのよ」
ルディア「うん!」
クレイド「……心配だ」
お母さん「ほら、お兄ちゃんも心配してるよ」
ルディア「だあーいーじょーおーぶ!」
それから。
ルディア「かっこいいペンがあって良かった!」るんるん
迷子になったルディアちゃん。
日が暮れると影が伸びて、町並みもすっかり様子を変えます。
ルディア「あれ?」
とぼとぼとさ迷い歩く間にどんどん暗くなっていきます。
車の走る音などに敏感になって、ルディアはすっかり怯えてしまいました。
ルディア「ここどこ……」
アレッタ「あら」
そこへ偶然に現れたアレッタ。
ルディアには天使に、いえ、女神様に思えました。
ルディア「アレッタお姉ちゃん!」とびつき!
アレッタ「どうしたの?一人?」
ルディア「今日はお家に来なかったね」
アレッタ「うん、ごめんね」
ルディア「あのね。ルディア迷子なんだ」
アレッタ「あらま、そうなの」
ルディア「うう……」くすん
アレッタはルディアの涙を拭ってやって、とりあえず近い自宅へ帰りました。
アレッタ「ただいま!お母さん!」
ママ「おかえり。あらま、ルディアちゃん?」
アレッタ「うん。そこで迷子になってたの」
ママ「どうしたのこんな時間に。寂しくて怖かったでしょう」
ルディア「うん!」こくこく
ママ「お家に電話しようね」
ルディア「うん!」にこー
ということで、お家に電話。
ルディア「もしもし、お母さん」
お母さん「良かったルディア。お父さんが心配して、あなたを探しに町に出たのよ」
ルディア「そうなんだ」
お母さん「迎えに行くよう連絡するわ」
ルディア「いい」
お母さん「ん?どうして?」
ルディア「私、アレッタお姉ちゃんと一緒にいたい!」
アレッタ「あらま」
お母さん「でもそれは、簡単に決められないわ」
ルディア「いい?」
ママ「いいよ!」
ルディア「アレッタお姉ちゃんのお母さんがいいって」
お母さん「電話、代わってくれる?」
ルディア「はい!」
こうして、ルディアはお泊まりすることになりました。
美味しいご飯を食べて元気を取り戻した彼女は、アレッタお姉ちゃんと眠るまで楽しくお喋りします。
ルディア「それでね!ドラゴンと綺麗な蝶々さんのペンがあったの」
アレッタ「橙色をしたモナルカ蝶のことかしら」
ルディア「多分それ!綺麗だった!」
アレッタ「とても綺麗ね。私も好きよ」
ルディア「それでそれで、どっちにしようかなーて思って迷ったんだけど、ドラゴンにした!」
アレッタ「クレイドはドラゴンが好きだものね」
ルディア「ほらこれ!」みて!
アレッタ(これはエイリアンね……)むむー
ルディア「かっこいいドラゴンのペンでしょう!」にこにこ
アレッタ「うん。きっと喜ぶと思うよ」
ルディア「良かったー!」にこにこ
アレッタ「さ、そろそろ寝ましょう」
ルディア「もっとお話したーい!」
アレッタ「本を読んであげるから、ほらベッドに横になって」とんとん
ルディア「わーい!」ぴょん
アレッタ「今日の絵本は、星の子フィーナ」
ルディア「わくわく」ときとき
遠い昔、古代の人たちは空想を描いたり、歌を歌ったり、躍りを踊ったり、それはもう、毎日とても楽しく暮らしていました。
ある町にフィーナという少女がおりました。
彼女は物語を作るのが上手で、よく近所の子供たちを集めては物語を聞かせてやっていました。
彼女のような想像力の豊かな子供は星の子と呼ばれました。
フィーナも星の子として、町の人たちに愛されて、また、彼女も町の人たちを心から愛して楽しく暮らしていました。
そんなある日のことです。
遠い国で大きな争いが始まったという話が町に届きました。
彼女は不安になって怯える町の子供たちを安心させるために、歌や躍りをまぜて、より楽しく物語を聞かせました。
彼女の活躍は瞬く間に広まり、彼女は町一番、有名な星の子となりました。
それからやがて、町にも争いの火の粉が、天災となって降りかかりました。
激しい嵐に見舞われて、食べ物が少なくなってしまいました。
なので、町の人たちは生きるために喧嘩ばかりするようになってしまいました。
その頃、そういった争いを鎮めるために、国のあちこちで星の子たちが神様に祈りを捧げていました。
フィーナは町のために、神様に祈りを捧げることに決めました。
しかし、彼女の愛する恋人が行かないでくれと頼みます。
でも、彼女はその愛する恋人も守りたかったのです。
愛する恋人へ別れを告げて、固い決心で彼女は町を出ました。
そして辿り着いた遺跡で、彼女は神様に祈りを捧げます。
「どうか再び、この世界が平穏と愛に満たされますように」
彼女の命は息となって、言葉を乗せて神様のもとへと届きました。
今まで星の子たちが尽くしたたくさんの想いと、彼女の慈愛によってようやく全てが元通りに落ち着きました。
それからは、もう誰も争うこともなく、大きな天災も起こることはありませんでした。
フィーナは町へも、愛する恋人のところへも戻ることはありませんでした。
彼女は美しい星となったのです。
そして現在も、私たちを見守ってくれているのです。
フィーナの物語は彼女の愛する恋人によって時代を超えて、たくさんの人たちの心へ届きました。
この瞬間、あなたの心へも届きました。
あなたが幸せになってくれることを、彼女はいつまでも願っています。
アレッタ「おしまい」
ルディア「もうひとつ読んで!」
アレッタ「まだ起きてたの」びっくり
ルディア「うん!」きらきら
ルディアはアレッタお姉ちゃんが優しく語ってくれる物語が大好きでした。
なのでどうも、逆効果だったようです。
ルディアがすやすやと眠る枕元には六冊の絵本が積まれていました。
その数年後。
ルディア「お兄ちゃん……いかないで」
クレイドが亡くなってしばらく、両親のおかげでルディアはようやく落ち着きました。
お父さん「アレッタちゃん、最近見かけないな」
お母さん「ずっと家にこもっているみたい」
お父さん「そうか……彼女には辛い思いをさせた」
お母さん「私たちに、何かしてあげられることはないかな」
お父さん「あの子は優しい子だから、きっと逆に気を遣わせてしまうだろう」
お母さん「心配だわ……」
ルディア「私、様子を見てくるよ」
お母さん「お願い出来る?」
ルディア「うん!私はお父さんとお母さんのおかげで、もう元気だから!次は私がアレッタお姉ちゃんを元気にする!」
お父さん「それは難しいことかも知れないよ」
お母さん「あなた……」
お父さん「ごめん」
ルディア「二人とも心配しすぎだよ」
お母さん「え?」
ルディア「アレッタお姉ちゃんはね、凄いんだよ!ずっとニコニコして、お兄ちゃんの側で出来ることを頑張ってたの!私ずっと見てきたから分かるんだ!」
お父さん「そうだったね。アレッタちゃんの笑顔には、お父さん達もずいぶん助けてもらったよ」
ルディア「でしょう!だから心配いらないよ!アレッタお姉ちゃんならすぐ元気になるよ!」
そう言って、ルディアはアレッタの家へ飛んで向かいました。
ルディア「こんにちはー」ひょこ
ママ「ルディアちゃん!」びっくり
ルディア「アレッタお姉ちゃんいますか?」
ママ「いるにはいるんだけれど」
パパ「今は会わない方がいいかも知れない」
ママ「そうねえ」
ルディア「心配しないで。すぐ元気になります」
パパ「はは、自信たっぷりだね」
ルディア「元気もだよ」にこにこ
パパ「じゃあ」
ママ「うん。アレッタは、二階の部屋よ」
ルディアは、やっぱりほんの少し不安で心配で、慎重に二階へ上がります。
階段の下から、アレッタの両親がそっと見守ります。
ルディア「なんてお話しよう」
耳をドアへぴたっとつけてみると、アレッタの泣いている声が聞こえてきました。
ルディアは、どうにかしなきゃ、その気持ちいっぱいでドアを勢いよく開けました。
ルディア「元気を出して!アレッタお姉ちゃん!」ばーん!
何とか互いに元気を取り戻した二人は、これから本当の姉妹のように絆を育んでいきます。
そして、ルディアは伸びやかにすくすく成長して、全寮制の大学へ入りました。
パレット「ルディア、明日の休日出掛けるの?」
ルディア「うん!明日はそのまま泊まるつもりで、明後日の門限までには帰って来るよ」
パレット「もう楽しそうね」
ルディア「えへへ、そりゃそうだよ。パレットちゃんはどう過ごすの?」
パレット「図書館で勉強!」
ルディア「凄いなあ」
パレット「将来の夢があるからね」
ルディア「将来の夢かあ……」
パレット「そう言えば、ルディアの夢は何?将来何がしたいの?」
ルディア「ない!!」
パレット「そうなんだ……」
ルディア「この大学も何となくでさ。いけないよね」
パレット「ううん、そんなことない。これから見つけたらいいよ。人生長いんだもの」
ルディア「人生長い、か」
お兄ちゃんの小さい頃の夢は冒険すること。
大人になったら、世界中を冒険してたのかな。
ルディア「もしもし?お母さん?」
お母さん「どうしたの、こんな夜遅くに」
ルディア「何となく話がしたくてさ」
お母さん「いいわよ」
ルディア「これからの人生どうしたらいい?」
お母さん「え?」
ルディア「ヤバイよ!何もないんだよ!」
お母さん「まだ一年目じゃない」
ルディア「いや、もう大学生なんだよ私」
お母さん「焦らない焦らない。お母さんもお父さんもゆっくりで構わないから」
ルディア「それでいいのかなあ……」
お母さん「そうだ。明日、お休みはどこか出掛けるの?それともやっぱり勉強?」
ルディア「アレッタお姉ちゃんとランチの約束してるんだ!」
お母さん「あら、いいじゃない」
ルディア「ふふん。でさ、そのまま突撃で泊まり込むつもり」
お母さん「そういう迷惑かけるようなことしちゃダメだよ」
ルディア「迷惑じゃないよ、これくらい」
お母さん「アレッタちゃんとは今も連絡を小まめに取ってるの?」
ルディア「もちろん。毎日のようにだよ」
お母さん「じゃあ、明日。お姉さんに人生相談してみたらどうかな」
ルディア「そうだね。アレッタお姉ちゃんなら、きっと頼りになるよ」
お母さん「ふふっ。それじゃあ、もうそろそろ寝なさい」
ルディア「はーい」
お母さん「明日はくれぐれも遅刻しないようにね」
ルディア「大丈夫!私は寝坊しません!」
お母さん「じゃあ、お休み。元気で頑張るんだよ」
ルディア「うん!お休みなさい!」
その後。
ルディアはアレッタの家に泊まり、その夜に不思議な体験をして、どんどん溢れてくる夢を楽しそうに語るのでした。
クレイド「心配だなあ」
ルディア「大丈夫だよ!」
クレイド「ペンくらい、お母さんが買ってきてくれるからさ」
ルディア「行くって決めたんだもん!」
お母さん「私も心配だわ」
ルディア「ペン買うだけだもん!」
お母さん「車も通ることはあるからね」
ルディア「えーと、道の端っこで気を付けましょう!」
お母さん「そうなんだけれど、日暮れも近いしやっぱり心配だわ」なでなで
ルディア「すぐ帰るって!」
お母さん「明日にしよう。ね?」
ルディア「今行くの!はやく行かせて!」とたぱた
お母さん「はあ……わかった。くれぐれも気を付けて、すぐに帰って来るのよ」
ルディア「うん!」
クレイド「……心配だ」
お母さん「ほら、お兄ちゃんも心配してるよ」
ルディア「だあーいーじょーおーぶ!」
それから。
ルディア「かっこいいペンがあって良かった!」るんるん
迷子になったルディアちゃん。
日が暮れると影が伸びて、町並みもすっかり様子を変えます。
ルディア「あれ?」
とぼとぼとさ迷い歩く間にどんどん暗くなっていきます。
車の走る音などに敏感になって、ルディアはすっかり怯えてしまいました。
ルディア「ここどこ……」
アレッタ「あら」
そこへ偶然に現れたアレッタ。
ルディアには天使に、いえ、女神様に思えました。
ルディア「アレッタお姉ちゃん!」とびつき!
アレッタ「どうしたの?一人?」
ルディア「今日はお家に来なかったね」
アレッタ「うん、ごめんね」
ルディア「あのね。ルディア迷子なんだ」
アレッタ「あらま、そうなの」
ルディア「うう……」くすん
アレッタはルディアの涙を拭ってやって、とりあえず近い自宅へ帰りました。
アレッタ「ただいま!お母さん!」
ママ「おかえり。あらま、ルディアちゃん?」
アレッタ「うん。そこで迷子になってたの」
ママ「どうしたのこんな時間に。寂しくて怖かったでしょう」
ルディア「うん!」こくこく
ママ「お家に電話しようね」
ルディア「うん!」にこー
ということで、お家に電話。
ルディア「もしもし、お母さん」
お母さん「良かったルディア。お父さんが心配して、あなたを探しに町に出たのよ」
ルディア「そうなんだ」
お母さん「迎えに行くよう連絡するわ」
ルディア「いい」
お母さん「ん?どうして?」
ルディア「私、アレッタお姉ちゃんと一緒にいたい!」
アレッタ「あらま」
お母さん「でもそれは、簡単に決められないわ」
ルディア「いい?」
ママ「いいよ!」
ルディア「アレッタお姉ちゃんのお母さんがいいって」
お母さん「電話、代わってくれる?」
ルディア「はい!」
こうして、ルディアはお泊まりすることになりました。
美味しいご飯を食べて元気を取り戻した彼女は、アレッタお姉ちゃんと眠るまで楽しくお喋りします。
ルディア「それでね!ドラゴンと綺麗な蝶々さんのペンがあったの」
アレッタ「橙色をしたモナルカ蝶のことかしら」
ルディア「多分それ!綺麗だった!」
アレッタ「とても綺麗ね。私も好きよ」
ルディア「それでそれで、どっちにしようかなーて思って迷ったんだけど、ドラゴンにした!」
アレッタ「クレイドはドラゴンが好きだものね」
ルディア「ほらこれ!」みて!
アレッタ(これはエイリアンね……)むむー
ルディア「かっこいいドラゴンのペンでしょう!」にこにこ
アレッタ「うん。きっと喜ぶと思うよ」
ルディア「良かったー!」にこにこ
アレッタ「さ、そろそろ寝ましょう」
ルディア「もっとお話したーい!」
アレッタ「本を読んであげるから、ほらベッドに横になって」とんとん
ルディア「わーい!」ぴょん
アレッタ「今日の絵本は、星の子フィーナ」
ルディア「わくわく」ときとき
遠い昔、古代の人たちは空想を描いたり、歌を歌ったり、躍りを踊ったり、それはもう、毎日とても楽しく暮らしていました。
ある町にフィーナという少女がおりました。
彼女は物語を作るのが上手で、よく近所の子供たちを集めては物語を聞かせてやっていました。
彼女のような想像力の豊かな子供は星の子と呼ばれました。
フィーナも星の子として、町の人たちに愛されて、また、彼女も町の人たちを心から愛して楽しく暮らしていました。
そんなある日のことです。
遠い国で大きな争いが始まったという話が町に届きました。
彼女は不安になって怯える町の子供たちを安心させるために、歌や躍りをまぜて、より楽しく物語を聞かせました。
彼女の活躍は瞬く間に広まり、彼女は町一番、有名な星の子となりました。
それからやがて、町にも争いの火の粉が、天災となって降りかかりました。
激しい嵐に見舞われて、食べ物が少なくなってしまいました。
なので、町の人たちは生きるために喧嘩ばかりするようになってしまいました。
その頃、そういった争いを鎮めるために、国のあちこちで星の子たちが神様に祈りを捧げていました。
フィーナは町のために、神様に祈りを捧げることに決めました。
しかし、彼女の愛する恋人が行かないでくれと頼みます。
でも、彼女はその愛する恋人も守りたかったのです。
愛する恋人へ別れを告げて、固い決心で彼女は町を出ました。
そして辿り着いた遺跡で、彼女は神様に祈りを捧げます。
「どうか再び、この世界が平穏と愛に満たされますように」
彼女の命は息となって、言葉を乗せて神様のもとへと届きました。
今まで星の子たちが尽くしたたくさんの想いと、彼女の慈愛によってようやく全てが元通りに落ち着きました。
それからは、もう誰も争うこともなく、大きな天災も起こることはありませんでした。
フィーナは町へも、愛する恋人のところへも戻ることはありませんでした。
彼女は美しい星となったのです。
そして現在も、私たちを見守ってくれているのです。
フィーナの物語は彼女の愛する恋人によって時代を超えて、たくさんの人たちの心へ届きました。
この瞬間、あなたの心へも届きました。
あなたが幸せになってくれることを、彼女はいつまでも願っています。
アレッタ「おしまい」
ルディア「もうひとつ読んで!」
アレッタ「まだ起きてたの」びっくり
ルディア「うん!」きらきら
ルディアはアレッタお姉ちゃんが優しく語ってくれる物語が大好きでした。
なのでどうも、逆効果だったようです。
ルディアがすやすやと眠る枕元には六冊の絵本が積まれていました。
その数年後。
ルディア「お兄ちゃん……いかないで」
クレイドが亡くなってしばらく、両親のおかげでルディアはようやく落ち着きました。
お父さん「アレッタちゃん、最近見かけないな」
お母さん「ずっと家にこもっているみたい」
お父さん「そうか……彼女には辛い思いをさせた」
お母さん「私たちに、何かしてあげられることはないかな」
お父さん「あの子は優しい子だから、きっと逆に気を遣わせてしまうだろう」
お母さん「心配だわ……」
ルディア「私、様子を見てくるよ」
お母さん「お願い出来る?」
ルディア「うん!私はお父さんとお母さんのおかげで、もう元気だから!次は私がアレッタお姉ちゃんを元気にする!」
お父さん「それは難しいことかも知れないよ」
お母さん「あなた……」
お父さん「ごめん」
ルディア「二人とも心配しすぎだよ」
お母さん「え?」
ルディア「アレッタお姉ちゃんはね、凄いんだよ!ずっとニコニコして、お兄ちゃんの側で出来ることを頑張ってたの!私ずっと見てきたから分かるんだ!」
お父さん「そうだったね。アレッタちゃんの笑顔には、お父さん達もずいぶん助けてもらったよ」
ルディア「でしょう!だから心配いらないよ!アレッタお姉ちゃんならすぐ元気になるよ!」
そう言って、ルディアはアレッタの家へ飛んで向かいました。
ルディア「こんにちはー」ひょこ
ママ「ルディアちゃん!」びっくり
ルディア「アレッタお姉ちゃんいますか?」
ママ「いるにはいるんだけれど」
パパ「今は会わない方がいいかも知れない」
ママ「そうねえ」
ルディア「心配しないで。すぐ元気になります」
パパ「はは、自信たっぷりだね」
ルディア「元気もだよ」にこにこ
パパ「じゃあ」
ママ「うん。アレッタは、二階の部屋よ」
ルディアは、やっぱりほんの少し不安で心配で、慎重に二階へ上がります。
階段の下から、アレッタの両親がそっと見守ります。
ルディア「なんてお話しよう」
耳をドアへぴたっとつけてみると、アレッタの泣いている声が聞こえてきました。
ルディアは、どうにかしなきゃ、その気持ちいっぱいでドアを勢いよく開けました。
ルディア「元気を出して!アレッタお姉ちゃん!」ばーん!
何とか互いに元気を取り戻した二人は、これから本当の姉妹のように絆を育んでいきます。
そして、ルディアは伸びやかにすくすく成長して、全寮制の大学へ入りました。
パレット「ルディア、明日の休日出掛けるの?」
ルディア「うん!明日はそのまま泊まるつもりで、明後日の門限までには帰って来るよ」
パレット「もう楽しそうね」
ルディア「えへへ、そりゃそうだよ。パレットちゃんはどう過ごすの?」
パレット「図書館で勉強!」
ルディア「凄いなあ」
パレット「将来の夢があるからね」
ルディア「将来の夢かあ……」
パレット「そう言えば、ルディアの夢は何?将来何がしたいの?」
ルディア「ない!!」
パレット「そうなんだ……」
ルディア「この大学も何となくでさ。いけないよね」
パレット「ううん、そんなことない。これから見つけたらいいよ。人生長いんだもの」
ルディア「人生長い、か」
お兄ちゃんの小さい頃の夢は冒険すること。
大人になったら、世界中を冒険してたのかな。
ルディア「もしもし?お母さん?」
お母さん「どうしたの、こんな夜遅くに」
ルディア「何となく話がしたくてさ」
お母さん「いいわよ」
ルディア「これからの人生どうしたらいい?」
お母さん「え?」
ルディア「ヤバイよ!何もないんだよ!」
お母さん「まだ一年目じゃない」
ルディア「いや、もう大学生なんだよ私」
お母さん「焦らない焦らない。お母さんもお父さんもゆっくりで構わないから」
ルディア「それでいいのかなあ……」
お母さん「そうだ。明日、お休みはどこか出掛けるの?それともやっぱり勉強?」
ルディア「アレッタお姉ちゃんとランチの約束してるんだ!」
お母さん「あら、いいじゃない」
ルディア「ふふん。でさ、そのまま突撃で泊まり込むつもり」
お母さん「そういう迷惑かけるようなことしちゃダメだよ」
ルディア「迷惑じゃないよ、これくらい」
お母さん「アレッタちゃんとは今も連絡を小まめに取ってるの?」
ルディア「もちろん。毎日のようにだよ」
お母さん「じゃあ、明日。お姉さんに人生相談してみたらどうかな」
ルディア「そうだね。アレッタお姉ちゃんなら、きっと頼りになるよ」
お母さん「ふふっ。それじゃあ、もうそろそろ寝なさい」
ルディア「はーい」
お母さん「明日はくれぐれも遅刻しないようにね」
ルディア「大丈夫!私は寝坊しません!」
お母さん「じゃあ、お休み。元気で頑張るんだよ」
ルディア「うん!お休みなさい!」
その後。
ルディアはアレッタの家に泊まり、その夜に不思議な体験をして、どんどん溢れてくる夢を楽しそうに語るのでした。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる