112 / 115
サプライズイブニング
しおりを挟む
ミルク「サプライズが成功して、シスターさん達ちょー喜んでたね」
ココア「本当に驚きました。まさか僅かな時間でここまでしっかり飾り付けて、ご馳走までこんなに用意しているとは思いませんでした」
神父「司祭館の食堂がこのように華やかなのは初めてのことです」
イチゴ「この鳥の丸焼きうまい!いい匂いがする!」
神父「それも買ったものではなく、シスター達が丁寧に焼いてくれたものです。今日もそうですが、いつも頑張っている君達へのご褒美です」
ミルク「こんなにご褒美を貰っていいのかな」
神父「もちろん。君達の活躍、その功績は輝かしく誇らしいものです。必ずや後世に語り継がれるでしょう」
ミルク「それはやだなあ」
ココア「せめて名前は伏せて頂きたいですね。プライベートは、そっとしておいて欲しいので」
神父「本部に伝えておきましょう」
ココア「では、それぞれのニックネームを考えましょうか」
ミルク「いやいや。私達のこと残さなくていいから」
神父「残さないわけにはいきません。幼子にして大人に負けぬこの活躍ぶりは、人々を安心させたり、奮い起たせる希望になりますから」
ミルク「えー」
イチゴ「わしはそのままでええぞ」
ココア「では、イチゴだけそのままで」
ミルク「本当にいいの?一生残るみたいだよ?」
イチゴ「ええぞ。わしは切り込み隊長、今日イチゴじゃ」
ミルク「知らないからね」
ココア「私は、マジカルマスターでお願いします」
ミルク「ダッサいなあ」
ココア「ダサくはないでしょう」
ミルク「もうそのままでいいや」
ココア「投げ遣りにならないでください」
ミルク「思ったの」
ココア「何をですか?」
ミルク「私達の思い出。隠したり誤魔化したりせずに大事にしたいなって」
イチゴ「ええこと言うた。生ハム食え」
ココア「神父さん。私達の活躍は、どのように残りますか?」
神父「史上初、稀に見る珍しいことなので本になったりするかも知れません」
ミルク「やっぱ恥ずかしい!」
神父「ほほほ。君達の活躍は騒ぎを考えて、まだ世間には伏せておりますから今のところはご安心を。いつ発表していいか、その決定権は君達に委ねることにします。私が必ずそうさせます」
ココア「今まで神父さんは、私達のことを世間に内緒にしてくれていたってことですか?」
神父「もちろん」
イチゴ「ネオン街の人達は知っておったぞ」
神父「それは……」
ミルク「どういうこと!」
ココア「機密情報の漏洩です!それはいけないことです!」
神父「難しい言葉をご存知で」
イチゴ「神父さん悪いことしよんけ。ちゃんと、ごめんなさいしないとあかんぞ」
神父「そう睨まないで。いい機会なのでお話ししましょう」
ココア「白状なさい!場合によっては通報します!」
ミルク「ドラマみたい」
イチゴ「盛り上がってきたのう」
神父「私は小まめに君達の御両親と連絡を取っております。親しい人が君達の近況をご存知なのは、御両親がお話しされたということでしょう」
ミルク「連絡取ってたの?」
ココア「当然と言えば当然ですね」
イチゴ「サンタさんは?」
ココア「はあ?」
イチゴ「わしら、サンタさんにお手紙を書いたじゃろう」
ミルク「あーそれのこと」
神父「きちんと届けました」
イチゴ「良かった。ありがとう」
ミルク「ねえ、お父さんとお母さん怒ってた?」
神父「少し。実は、君達がいない間に面会もしました」
ミルク「会ったってこと?」
神父「そうです」
ミルク「二人は喧嘩してなかった?」
神父「していませんでした。ミルクさんのことが心配で、喧嘩をしている場合ではないでしょう」
ミルク「そっか」
ココア「私の両親は特に怒っていましたでしょう」
神父「迫力はあったと白状します」
ココア「お母さん怖かったでしょう」
神父「ちょっと泣きました。何とか誤魔化したけど」
イチゴ「わしのお袋と親父は?」
神父「御両親だけでなくネオン街の方々も揃って面会にいらっしゃいました」
ミルク「凄い。本当に町のみんながファミリーなんだ」
ココア「ちょっと羨ましく思うくらい愛されています」
神父「彼らには、食料品や日用品など色々と頂いて、逆に助けて頂きました」
イチゴ「人情じゃけえ気にするな」
ミルク「私、帰るのが怖くなってきた」
ココア「私も。帰ったら、罰として椅子に縛られたり鞭打ちされるかも知れません」
ミルク「え!こわっ!」
神父「そんな映画みたいなことはありませんよ」
ココア「神父さんは、私のお母さんの怖さ知らないでしょう」
神父「知りません。しかし親の愛情は、面会して些かでも知ることが出来ました。だからこそ、そのようなことは決してないと断言します」
ココア「そ……良かった」
イチゴ「ああ!」
ココア「びっくりした!なに!」
ミルク「どうしたの?」
イチゴ「お年玉が貰えないかも知れん」
ココア「それこそないと思います」
ミルク「イチゴは悩みがなさそうでいいね」
神父「あまり不安にならないで。せっかくのクリスマスパーティーです。楽しく過ごしましょう」
イチゴ「ああ!」
ココア「今度は何ですか?」
イチゴ「乾杯しとらん」
ココア「それは一大事です」
ミルク「お腹空いてすぐ食べ始めたもんね」
イチゴ「神父さん。乾杯じゃ」
神父「では、かわいい天使達に永遠の愛がありますように」
イチゴ「かんぱい!めりーくりすまーす!」
神父「それ私の台詞……」
ココア「本当に驚きました。まさか僅かな時間でここまでしっかり飾り付けて、ご馳走までこんなに用意しているとは思いませんでした」
神父「司祭館の食堂がこのように華やかなのは初めてのことです」
イチゴ「この鳥の丸焼きうまい!いい匂いがする!」
神父「それも買ったものではなく、シスター達が丁寧に焼いてくれたものです。今日もそうですが、いつも頑張っている君達へのご褒美です」
ミルク「こんなにご褒美を貰っていいのかな」
神父「もちろん。君達の活躍、その功績は輝かしく誇らしいものです。必ずや後世に語り継がれるでしょう」
ミルク「それはやだなあ」
ココア「せめて名前は伏せて頂きたいですね。プライベートは、そっとしておいて欲しいので」
神父「本部に伝えておきましょう」
ココア「では、それぞれのニックネームを考えましょうか」
ミルク「いやいや。私達のこと残さなくていいから」
神父「残さないわけにはいきません。幼子にして大人に負けぬこの活躍ぶりは、人々を安心させたり、奮い起たせる希望になりますから」
ミルク「えー」
イチゴ「わしはそのままでええぞ」
ココア「では、イチゴだけそのままで」
ミルク「本当にいいの?一生残るみたいだよ?」
イチゴ「ええぞ。わしは切り込み隊長、今日イチゴじゃ」
ミルク「知らないからね」
ココア「私は、マジカルマスターでお願いします」
ミルク「ダッサいなあ」
ココア「ダサくはないでしょう」
ミルク「もうそのままでいいや」
ココア「投げ遣りにならないでください」
ミルク「思ったの」
ココア「何をですか?」
ミルク「私達の思い出。隠したり誤魔化したりせずに大事にしたいなって」
イチゴ「ええこと言うた。生ハム食え」
ココア「神父さん。私達の活躍は、どのように残りますか?」
神父「史上初、稀に見る珍しいことなので本になったりするかも知れません」
ミルク「やっぱ恥ずかしい!」
神父「ほほほ。君達の活躍は騒ぎを考えて、まだ世間には伏せておりますから今のところはご安心を。いつ発表していいか、その決定権は君達に委ねることにします。私が必ずそうさせます」
ココア「今まで神父さんは、私達のことを世間に内緒にしてくれていたってことですか?」
神父「もちろん」
イチゴ「ネオン街の人達は知っておったぞ」
神父「それは……」
ミルク「どういうこと!」
ココア「機密情報の漏洩です!それはいけないことです!」
神父「難しい言葉をご存知で」
イチゴ「神父さん悪いことしよんけ。ちゃんと、ごめんなさいしないとあかんぞ」
神父「そう睨まないで。いい機会なのでお話ししましょう」
ココア「白状なさい!場合によっては通報します!」
ミルク「ドラマみたい」
イチゴ「盛り上がってきたのう」
神父「私は小まめに君達の御両親と連絡を取っております。親しい人が君達の近況をご存知なのは、御両親がお話しされたということでしょう」
ミルク「連絡取ってたの?」
ココア「当然と言えば当然ですね」
イチゴ「サンタさんは?」
ココア「はあ?」
イチゴ「わしら、サンタさんにお手紙を書いたじゃろう」
ミルク「あーそれのこと」
神父「きちんと届けました」
イチゴ「良かった。ありがとう」
ミルク「ねえ、お父さんとお母さん怒ってた?」
神父「少し。実は、君達がいない間に面会もしました」
ミルク「会ったってこと?」
神父「そうです」
ミルク「二人は喧嘩してなかった?」
神父「していませんでした。ミルクさんのことが心配で、喧嘩をしている場合ではないでしょう」
ミルク「そっか」
ココア「私の両親は特に怒っていましたでしょう」
神父「迫力はあったと白状します」
ココア「お母さん怖かったでしょう」
神父「ちょっと泣きました。何とか誤魔化したけど」
イチゴ「わしのお袋と親父は?」
神父「御両親だけでなくネオン街の方々も揃って面会にいらっしゃいました」
ミルク「凄い。本当に町のみんながファミリーなんだ」
ココア「ちょっと羨ましく思うくらい愛されています」
神父「彼らには、食料品や日用品など色々と頂いて、逆に助けて頂きました」
イチゴ「人情じゃけえ気にするな」
ミルク「私、帰るのが怖くなってきた」
ココア「私も。帰ったら、罰として椅子に縛られたり鞭打ちされるかも知れません」
ミルク「え!こわっ!」
神父「そんな映画みたいなことはありませんよ」
ココア「神父さんは、私のお母さんの怖さ知らないでしょう」
神父「知りません。しかし親の愛情は、面会して些かでも知ることが出来ました。だからこそ、そのようなことは決してないと断言します」
ココア「そ……良かった」
イチゴ「ああ!」
ココア「びっくりした!なに!」
ミルク「どうしたの?」
イチゴ「お年玉が貰えないかも知れん」
ココア「それこそないと思います」
ミルク「イチゴは悩みがなさそうでいいね」
神父「あまり不安にならないで。せっかくのクリスマスパーティーです。楽しく過ごしましょう」
イチゴ「ああ!」
ココア「今度は何ですか?」
イチゴ「乾杯しとらん」
ココア「それは一大事です」
ミルク「お腹空いてすぐ食べ始めたもんね」
イチゴ「神父さん。乾杯じゃ」
神父「では、かわいい天使達に永遠の愛がありますように」
イチゴ「かんぱい!めりーくりすまーす!」
神父「それ私の台詞……」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
婚約者を奪われて冤罪で追放されたので薬屋を開いたところ、隣国の殿下が常連になりました
今川幸乃
ファンタジー
病気がちな母を持つセシリアは将来母の病気を治せる薬を調合出来るようにと薬の勉強をしていた。
しかし婚約者のクロードは幼馴染のエリエと浮気しており、セシリアが毒を盛ったという冤罪を着せて追放させてしまう。
追放されたセシリアは薬の勉強を続けるために新しい街でセシルと名前を変えて薬屋を開き、そこでこれまでの知識を使って様々な薬を作り、人々に親しまれていく。
さらにたまたまこの国に訪れた隣国の王子エドモンドと出会い、その腕を認められた。
一方、クロードは相思相愛であったエリエと結ばれるが、持病に効く薬を作れるのはセシリアだけだったことに気づき、慌てて彼女を探し始めるのだった。
※医学・薬学関係の記述はすべて妄想です
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる